格付別一覧

格付:AA

滅びの前のシャングリラ 原作:凪良ゆう(青春アドベンチャー)

ネットニュースで拡散された情報「1カ月後、小惑星が地球に衝突し、人類は滅亡する」。米国政府がこれを首肯したことにより世界は大混乱に陥った。東京でもすぐにそうなるだろう。そんな中、スクールカースト最底辺の高校生・友樹は広島から旅立つことを決めた。東京へ向かうクラスメート雪絵を守るためだ。母、静香は友樹に包丁を渡しながら言う「殺されるくらいなら殺してでも生き延びろ。惚れた女は命がけで守れ。それで絶対にあたしのところに戻ってこい」。自分の人生の期限を定められたときに人はどう生きるのか。日常生活を保つのか、日常生活では満たせなかった欲望に溺れるのか。理性を保ち続けるのか、獣性をむき出しにするのか。友樹と、彼と同様に不器用な人生を生きてきた4人の最後の1カ月が始まる。
格付:A

ふたりの娘 作:新井まさみ(FMシアター)

建付けの悪い扉を力いっぱいに開けたら、向こう側に1人の少女が立っていた。わざわざ東京から京都まで訪ねて来たはずなのに、すぐに帰ろうとする少女の態度に不審を感じて問い詰めると、彼女は父の不倫相手の娘だった。父が遺書にとんでもないことを書いていることが発覚して、今、両親は離婚寸前。娘である私としても父に裏切られたという思いしかない。寄りにもよってこんなタイミングでやってきたこの少女は、またとんでもないことを言い出した。不倫相手の女が死んで、そちらも遺言を残したというのだ…
格付:C

カルチャー・ゲーム 作:横光晃(カフェテラスのふたり)

バブル経済期直前の1985年9月に、NHK-FM「カフェテラスのふたり」で放送された「カルチャー・ゲーム」のご紹介です。「カフェテラスのふたり」は純粋なラジオドラマ番組ではなく、エッセイ的あるいはトーク番組的な作品も放送した番組でした。本作品は「日本と外国の文化の違いをルーツから紐解く」番組ですが、第2回のように全体的にドラマ仕立ての回もあれば、第1回のように細かいシーンをつなぎ合わせたトーク番組的な見せ方の回もあるという変わった作品でした。
格付:B

軽業師タチアナと大帝の娘 作:並木陽(青春アドベンチャー)

18世紀前半、女帝アンナ・イワノヴナ治世下のロシア。帝都ペテルブルクにひとりの女芸人が華麗に舞っていた。彼女の名はタチアナ。国家と教会から弾圧され消えていったロシアの伝説的な芸人集団スコモローフの末裔であることを自認する彼女であったが、彼女自身はただの軽業師に過ぎなかった。しかし、帝国政府の暴政、それに対する人々の不満、そして彼女がもつ特別な運命が彼女が街角のいち芸能者であることを許さない。ある日、言い寄ってきた貴族の誘いを断ったことをきっかけに彼女は罪人としてシベリアに送られてしまう。これがロシアの大地を股に掛けたタチアナの冒険の日々の始まりだった。
格付:A

手を振る仕事 作:足立聡(FMシアター)

僕は車掌になりたくてこの鉄道会社に入った。でも会社の同僚たちからイジメを受け体調を崩して、今は線路沿いの建物から電車の乗客に笑顔で手を振る仕事をしている。「そんな仕事、意味あるのかな」彼女の最後の言葉が今も頭から離れない。そんなに僕の仕事は恥ずかしいのかな。この部署はいらない人間の集まりなのかな。
格付:AA

あたふたオペラ「からめん」 作:萩田頌豊与(青春アドベンチャー)

巡査の保瀬(ほせ)は最近、人の声が歌になって聞こえるようになった。感情が高ぶった話し相手がオペラを歌い出すように見えるのだ。診察した毛利医師は保瀬の症状を「突発性歌劇幻聴症候群」と断言。この病気に「あたふたオペラ症候群」というふざけた通称を付け、悪のりしつつ治療に乗り出した。毎日診察室で毛利医師に経過を報告する保瀬。どうやら保瀬は辛麺(からめん)という辛いラーメンを巡る騒動に巻き込まれているようなのだが、この騒動は「あたふたオペラ症候群」の発症と関係あるのだろうか。
格付:AA

土方さん、さようなら 作:神宿つばき(FMシアター)

まともな仕事がない。労働条件も悪い。税金が高い割に公務員の給料も低い。行政サービスも悪いからみんな街を出て行きどんどん人口は減るばかり。市民満足度最悪レベルの街、それがこの函館市。そんな函館に起死回生の観光資源が現れた。150年前、戊辰戦争・箱館五稜郭の戦いで戦死した、あの新選組「鬼の副長」土方歳三、幕末きってのイケメン剣士が幽霊として蘇ったのだ。市役所観光課の女性職員・三原は市長の特命を受け、土方に箱館の客寄せパンダになってもらうべく交渉を始める。確かに函館は土方終焉の地だが、ふるさとの東京や新選組のいた京都に奪われる可能性もあるのだ。しかし土方にだって土方なりの目的もある。何とか幽霊・土方と街の妥協点を見出す方法を考えなくてはいけない。
格付:B

あなたは最期に 作:丸山智(FMシアター)

そろそろ就活を始めなければいけない時期だけどやる気が出ない。なんだって自己分析なんてしないといけないのだろう。もっと自分と向き合うべき、なんて余計なお世話だ。そんな無気力女子大生チサだが、ある日、公園で出会った全身黒づくめの男から衝撃的な事実を伝えられる。彼は死神で、チサはもうすぐ死ぬというのだ。しかも最後の晩餐として食べたいものを食べないと魔界に落ちて永劫に苦しむというのだが…
格付:B

優しい死神の飼い方 原作:知念実希人(青春アドベンチャー)

この世に未練を残して死んだ人間は地縛霊になる。地縛霊になると、われわれ死神といえどもあの世に魂を運ぶことはできない。だからわれわれが業務を円滑に遂行するためには、未練を持った人間が生きているうちに接触してそれを解消してやる必要がある。ここは丘の上医院という緩和医療施設。入院しているのは終末期の患者、つまり余命幾ばくも無い人間ばかり。この世に未練を残している人間は甘い腐臭がする。あの男からも腐臭がする。それは未練があるだろう。人生にはいくら悔い改めても取り返しのつかないことは確かにある。しかし死神たるわれわれは未練を取り除かなければならない。だから私は彼に問いかける。「とにかく話してみろ、お前の未練を。」
格付:A

漆黒に落ちる 作:原田裕文(FMシアター)

冬の深夜、ライブ配信で心霊スポットをリポートするために廃坑を訪れた4人の若者。ライバー、ライバーに仕方なくつきあっている友人、たまたま卒業旅行代わりにやってきた札幌の大学生、映像作品を撮るためにやってきた東京の大学生。参加した動機は様々だが所詮はお遊び、安全第一という雰囲気が漂う中、カメラマン役の女子大生だけは真剣だった。しかしいくら東京の大学で映像の勉強をしていると言っても真剣すぎやしないだろうか。彼女は「みんなも絶対に逃げないで。最後まで絶対に関わって欲しい」とまで言っているのだが。
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