格付別一覧

格付:AA

夢胡蝶~羽州ぼろ鳶組 原作:今村翔吾(青春アドベンチャー)

目を覚ますと隣に女が寝ていた。あぁ、なんでこうなっちまうのかねえ。姐さんにまた怒られちまう。組のみなは俺のことを女好きというがそんなことはねえ。女の頼みを断れねえだけだ。…半鐘の音が聞こえる。場所は吉原か。火事なら駆けつけるしかねえ、俺は火消だからな。私にとってここは苦界。父や母に会いたかった…上野の桜が見たかった…評判の小諸屋さんのお蕎麦が食べたかった…世の女たちが囃し立てる火消の活躍が見たかった…そして、みんなと同じような恋がしたかった…見た目は煌びやかでも吉原では何一つ願いはかなわない。でも、炎に包まれる妓楼に突然現れたその男はこういった。「その願い、全部俺が叶える。だから生きろ。」
作品紹介の補足

「夢胡蝶」に備えて予習・復習!呼び方で解説する「ぼろ鳶組」内部の人間関係。

青春アドベンチャーにて「羽州ぼろ鳶組」シリーズの第5弾「夢胡蝶」が2022年10月17日より放送されます。私も楽しみにしているのですが、2018年に始まりの物語「火喰鳥」が放送されたのはもう4年前。登場人物たちの人間関係がわからない方もいらっしゃると思います。この記事では途中参加のリスナーのみなさまに、「夢胡蝶」開始前に、物語の中核となる「ぼろ鳶組」こと、新庄藩火消組の面々を、お互いの呼び方という切り口でご紹介いたします。
格付:B

きつねのチャランケ 作:岡本螢(FMシアター)

飼い犬のチビが姿を消して落ち込んでいるのを見かねた母、洋子は、美佳に北海道に住む叔母マリコのもとに遊びに行くこと提案した。マリコは、美佳が生まれる前に癌で他界した美佳の父の妹。しかし会うのは初めてだ。美佳はそこであるアイヌの昔話を聞き、周りのあたたかい人々との交流を通じて、言葉で意思を伝えあうことの大切さに気が付く。美佳のある冬の1カ月の物語。
格付:B

シャングリラ 作:鈴木智、湯本香樹実(サラウンド・ファンタジー)

遥かな過去、ユーフラテス河畔のカナンの街。この街の千年の繁栄を司ってきたアララテの丘上の小さな教会の水時計が狂い始めた。伝説によれば水時計が狂う時、世界は滅びるという。時計守りの少女ステラは街を救うために、妹サラとともに先代の時計守りである母を訪ねる決意をするが、すでに街では洪水が起こりつつあった。一方、超機械文明国クシャラにより滅ぼされたウルクの民の生き残りギルガメッシュは一族の存続をかけて永遠の命を求めて放浪していたが…
格付:AA

滅びの前のシャングリラ 原作:凪良ゆう(青春アドベンチャー)

ネットニュースで拡散された情報「1カ月後、小惑星が地球に衝突し、人類は滅亡する」。米国政府がこれを首肯したことにより世界は大混乱に陥った。東京でもすぐにそうなるだろう。そんな中、スクールカースト最底辺の高校生・友樹は広島から旅立つことを決めた。東京へ向かうクラスメート雪絵を守るためだ。母、静香は友樹に包丁を渡しながら言う「殺されるくらいなら殺してでも生き延びろ。惚れた女は命がけで守れ。それで絶対にあたしのところに戻ってこい」。自分の人生の期限を定められたときに人はどう生きるのか。日常生活を保つのか、日常生活では満たせなかった欲望に溺れるのか。理性を保ち続けるのか、獣性をむき出しにするのか。友樹と、彼と同様に不器用な人生を生きてきた4人の最後の1カ月が始まる。
格付:A

ふたりの娘 作:新井まさみ(FMシアター)

建付けの悪い扉を力いっぱいに開けたら、向こう側に1人の少女が立っていた。わざわざ東京から京都まで訪ねて来たはずなのに、すぐに帰ろうとする少女の態度に不審を感じて問い詰めると、彼女は父の不倫相手の娘だった。父が遺書にとんでもないことを書いていることが発覚して、今、両親は離婚寸前。娘である私としても父に裏切られたという思いしかない。寄りにもよってこんなタイミングでやってきたこの少女は、またとんでもないことを言い出した。不倫相手の女が死んで、そちらも遺言を残したというのだ…
格付:C

カルチャー・ゲーム 作:横光晃(カフェテラスのふたり)

バブル経済期直前の1985年9月に、NHK-FM「カフェテラスのふたり」で放送された「カルチャー・ゲーム」のご紹介です。「カフェテラスのふたり」は純粋なラジオドラマ番組ではなく、エッセイ的あるいはトーク番組的な作品も放送した番組でした。本作品は「日本と外国の文化の違いをルーツから紐解く」番組ですが、第2回のように全体的にドラマ仕立ての回もあれば、第1回のように細かいシーンをつなぎ合わせたトーク番組的な見せ方の回もあるという変わった作品でした。
格付:B

軽業師タチアナと大帝の娘 作:並木陽(青春アドベンチャー)

18世紀前半、女帝アンナ・イワノヴナ治世下のロシア。帝都ペテルブルクにひとりの女芸人が華麗に舞っていた。彼女の名はタチアナ。国家と教会から弾圧され消えていったロシアの伝説的な芸人集団スコモローフの末裔であることを自認する彼女であったが、彼女自身はただの軽業師に過ぎなかった。しかし、帝国政府の暴政、それに対する人々の不満、そして彼女がもつ特別な運命が彼女が街角のいち芸能者であることを許さない。ある日、言い寄ってきた貴族の誘いを断ったことをきっかけに彼女は罪人としてシベリアに送られてしまう。これがロシアの大地を股に掛けたタチアナの冒険の日々の始まりだった。
格付:A

手を振る仕事 作:足立聡(FMシアター)

僕は車掌になりたくてこの鉄道会社に入った。でも会社の同僚たちからイジメを受け体調を崩して、今は線路沿いの建物から電車の乗客に笑顔で手を振る仕事をしている。「そんな仕事、意味あるのかな」彼女の最後の言葉が今も頭から離れない。そんなに僕の仕事は恥ずかしいのかな。この部署はいらない人間の集まりなのかな。
格付:AA

あたふたオペラ「からめん」 作:萩田頌豊与(青春アドベンチャー)

巡査の保瀬(ほせ)は最近、人の声が歌になって聞こえるようになった。感情が高ぶった話し相手がオペラを歌い出すように見えるのだ。診察した毛利医師は保瀬の症状を「突発性歌劇幻聴症候群」と断言。この病気に「あたふたオペラ症候群」というふざけた通称を付け、悪のりしつつ治療に乗り出した。毎日診察室で毛利医師に経過を報告する保瀬。どうやら保瀬は辛麺(からめん)という辛いラーメンを巡る騒動に巻き込まれているようなのだが、この騒動は「あたふたオペラ症候群」の発症と関係あるのだろうか。
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