- 作品 : オールに願いを
- 番組 : FMシアター
- 格付 : スポーツ
- 分類 : B
- 初出 : 2020年9月19日
- 回数 : 全1回(50分)
- 作 : 荒井修子
- 演出 : 佐藤玲衣
- 主演 : 黒島結菜
切っ掛けは高校2年になったばかりの春、母の再婚相手・雄吾から届けるように頼まれた一篇の紙片だった。
届け先は柿木漁港のペーロンチームの事務所。
そこでペーロンのメンバーになることを頼まれた若葉は断れずに引き受けてしまう。
何をやっても変わらない。変わらないから何もしない。
そんな逃げと諦めに慣れていた若葉を変える出来事の、それが始まりだった。
本日2022年4月11日に2022年上期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ちむどんどん」がスタートしました。
本記事は、ひとつ前の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の終了を記念して同じ上白石萌音さんが出演しているFMシアター「仮想郵便局」を紹介したのに続いて、「ちむどんどん」と同じ黒島結菜さん主演するFMシアター「オールに願いを」を紹介する記事です。
ちなみにヒロインの妹役を演じる上白石萌歌さんの出演作品としては「沈黙とオルゴール」を紹介済みです。
ペーロンとは?
さて、本作品は長崎で毎年行われている「ペーロン」という伝統的な手漕ぎボートレースを題材にしたラジオドラマでNHK長崎局の制作です。
「ペーロン」は中国から伝わったとされる競技で、14m程度の長さの船に30名程度の漕ぎ手の他、指揮者、舵取り、銅鑼打ち、太鼓打ちなどが乗り込み速さを競います。
ペーロンのレースは7月ごろ長崎各地で行われるそうですが、長崎港内で行われるペーロンが有名で、選抜チームが競う選手権大会となっているそうです。
そういえばドラや鐘の音に合わせて細身の船が競漕しているニュースを見たことがあるような…あれか。
ご当地もの+成長
本作品は、黒島結菜さん演じる無気力少女・若葉が、ひょんなことからペーロンに触れることにより、自分の生き方、そして家族との関係を見直していくという話です。
高校生女子が主人公の成長物語であること、使われる題材が制作局のご当地のものであることなど、FMシアターでよくある系統の話ともいえます。
似た系統の作品
実際、当ブログで紹介済みのものだけでも、「これは、私の落とし噺」(落語)、「いざ行かむ短歌甲子園へ」(短歌)、「唄娘」(民謡)、「弾け!はじけろ!そろばん甲子園」(そろばん)などたくさんあります。
プロットが見え見えという弱点がどうしてもある中、こういった作品の出来を左右するのは何か。
個人的には、そのご当地ネタに主人公がはまっていき本気になっていく過程にどれだけ真実味があるかが重要だと思っています。
腑に落ちない
しかし、本作品は若葉がなぜあれほどペーロンに本気になったのかがあまりピンときませんでした。
切っ掛けが焼肉というのも腑に落ちない(高校生女子にとってそんなに焼肉は魅力的なものなのだろうか)し、ペーロンのよいところについても風を切る爽快感くらいしか言及していません。
また、ペーロンをきっかけに成長していく若葉ですが、その成長が義理の父の気持ちがわかるようになっただけというのもあまりにもスケールが小さい。
あくまで家族物なのか
本ブログでは一応ジャンルをスポーツにしましたが、最終的に家族ものとして小さくまとまってしまったように感じました。
そもそも家族愛の押し付けのような雄吾の言動が微妙にあわなかったというのもあります。
折角、黒島結菜さんの声が気持ちがよかったのに残念でした。
黒島結菜さん
黒島結菜さんといえば、沖縄出身の女優さん。
糸満出身らしい美人さんですよね。
2014年の「アオイホノオ」がTVドラマ初出演だったそうですが、このドラマでは柳楽優弥さん、安田顕さん、ムロツヨシさん、中村倫也さん、濱田岳さんといった芸達者な出演陣に囲まれ、その中ではお世辞にも上手いとは言えないと思った記憶があります。
しかし、その後、多くのNHKのドラマに出演され、ついに朝ドラの主演。
大きくなったものです。
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