日常

格付:B

静かな生活 作:今井雅子(FMシアター)

ようやく手に入れた静かな生活。新しく引っ越してきたマンションは、1階の保育園から園児の声が聞こるものの、ヘッドホンをして翻訳の仕事に集中していれば全く気にならない。少なくとも以前、勤めていた会社に比べればノーストレスと言っていい。入居早々、管理組合の理事長を引き受けざるをえなかったのは誤算だったけど、マンションの住人はいい人ばかりなので問題ない…はず。問題ない?いや、実際は問題、大アリだ。それというのも、隣室の駒元(こまもと)なるおばあさんが「保育園の音がうるさい」、「保育園を追い出せ」、「理事長は住民の静かな生活を守る義務がある」などと大騒ぎを始めたのだ。「駒元さん、あんたが一番うるさいよ!」などと言えたらどんなにいいだろう。そんなこと、気の小さい自分に言えるわけがない。ああ、考えただけで、胸が苦しくなってきた…
格付:A

蛍の光 窓に雨 作:飯野陽子(FMシアター)

卒業から5年ごとにクラス会を開く。最初の幹事はクラス委員の鈴木彰と高橋双葉。それが先生からの提案だった。しかし、20歳の時に開かれるはずだった最初のクラス会は結局開かれず、その後も一度も開かれないまま卒業式から25年が経ってしまった。40歳のある日、弁当工場でパートの中年女性のシフト管理に四苦八苦していた鈴木彰のもとに、突然、高橋双葉から連絡が届く。SNSで名前を見つけたのだという。そして双葉は彰に提案してきたのだ、「クラス会を開こう!」
メディアミックス情報

「旅猫リポート」映画化。主演は福士蒼汰さん(悟)と高畑充希さん(ナナ・声のみ)。おまけで「夕凪の街 桜の国2018」も。

青春アドベンチャーでラジオドラマ化された作品の他メディアへの進出状況をお知らせする、この「メディアミックス情報」のコーナー。見逃し注意それにしてもこのコーナー難しいです。ボーっとしていると、いつの間にかネタが通り過ぎてしまう。8月6日にも、...
格付:AA

声の訪問者 作:菅谷昌弘(FMシアター)

柳田雄一は39歳の独身男性。ボイスという、声を使った業務なら何でも請け負う会社で働いているが、本業は売れない役者である。ある日、ホームページのボイスサンプルを聴いた依頼者から、彼を指名して仕事が入った。依頼人は工藤絵美という38歳の女性。絵美は雄一に対し、自分に電話をかけてきたうえで、指定した内容で会話することを求めてきた。依頼目的はわからなかったものの、依頼されたこと自体は特別なものではなかったので、指示どおりに電話してみた雄一であったが、雄一が話し始めた途端、なぜか絵美は泣き始めてしまうのだった。
格付:B

虫づくし 原作:別役実(ふたりの部屋)

本作品「虫づくし」は劇作家・別役実(べつやく・みのる)さんによるナンセンス・エッセイを原作としてラジオ番組用に再構成した作品です。別役実さんは日本の不条理演劇を確立した第一人者なのだそうで、本作品の内容も十分に不条理です(笑)
格付:AA

夕凪の街 桜の国 原作:こうの史代(FMシアター)

ぜんたい この街の人は不自然だ誰もあの事を言わないいまだにわけがわからないのだわかっているのは「死ねばいい」と誰かに思われたということ思われたのに生き延びているということそしていちばん怖いのはあれ以来本当にそう思われても仕方のない人間に自分がなってしまったことに自分で時々気づいてしまうことだ
格付:B

幻の動物園 作:小野小町(カフェテラスのふたり)

本作品「幻の動物園」は、1985年4月から1988年3月までの3年間、NHK-FMに存在した「カフェテラスのふたり」という番組で放送された作品です。全10回の作品で、各回ごとにすでに絶滅した動物を1種類ずつ紹介したうえで、その動物をモチーフとした(と思われる)ショートドラマを放送する作品でした。
格付:B

さいごの毛布 原作:近藤史恵 (青春アドベンチャー)

人付き合いが下手で新卒での就職に失敗した智美(ともみ)は、友人の紹介で老犬ホーム「ブランケット」で働くことになった。ブランケットは、何らかの事情で犬が飼えなくなった飼い主から犬を有料で預かる施設であり、オーナーである“大阪のおばさん” 麻耶子(まやこ)と、元看護師の碧(みどり)が運営していた。預けられている犬は老犬に限らず若い犬もおり、飼い主も含めてそれぞれ様々な事情がある。そして、働いている麻耶子や碧、そして通ってくる便利屋の灰原も、それぞれ何か事情を抱えている様子なのだった。
格付:B

谷村有美の雨のち、夕焼け(サウンド夢工房)

本作品「谷村有美の雨のち、夕焼け」は、シンガーソングライター谷村有美さんのエッセイとフリートークと歌で構成された作品です。「サウンド夢工房」という、平日に毎日15分ずつラジオドラマ作品を中心に放送されていた枠を使って1週間(5日間)放送されましたが、ラジオドラマではなく、どちらかというと、ラジオではごく一般的な歌手によるトーク番組に近い内容や雰囲気を持った作品でした。そのため、出演者も谷村さんだけです。
格付:AA

ラジオの前で 作:北阪昌人(青春アドベンチャー)

出勤前のサーフィンが日課の若者。妻を亡くして以降、娘との会話がなくなってしまった父親。弟の不始末を償うために被害者に金銭を送り続ける男。本当の名前を隠して強い女性を演じる弁護士。どこにでもいる、でも言葉で気持ちを伝えることが少しだけ苦手な人たちの人生が、ラジオを通して少しずつ結びついていく。
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