日常

格付:B

<あの絵>のまえで 原作:原田マハ(青春アドベンチャー)

人生に迷って立ち止まった時、あの絵との出会いが再び歩き出すきっかけとなった。これは1枚の絵が引き起こした5つの小さな奇跡の物語。本作品「<あの絵>のまえで」は原田マハさんによる同名の短編集を原作とするラジオドラマです。原作小説は6篇構成なのですが、本作品はそのうちモネの「睡蓮」をモチーフにした「さざなみ」以外の5篇を1回15分ずつの枠でラジオドラマ化しています。
格付:A

コンビニ人間 原作:村田沙耶香(FMシアター)

小さい頃、私は普通とは少し違う子だった。例えば、喧嘩を止めろと言われたら、喧嘩しているふたりをスコップで殴った。小鳥の死骸をみつけたら、家に持ち帰って焼き鳥にしようとした。こんな行為の何がいけなかったのだろうか。今でもよくわからない。でも大学に入りコンビニでアルバイトを始めて、ようやくわかった。マニュアルどおりに働けば周りの人は喜んでくれる。この社会を動かす歯車のひとつとして今日も正しく回っていける。そうして18年が過ぎた。36歳独身、コンビニのアルバイト。この道18年のベテラン。私は普通のはずだ。
格付:C

イッセー尾形のたまゆら日記 (青春アドベンチャー)

1995年から3年に亘り1作品ずつ制作された青春アドベンチャーの「イッセー尾形シリーズ」。1995年の「イッセー尾形劇場 凡庸の極み」、1996年の「イッセー尾形のたゆたう人々」に続く、最終作がこの「イッセー尾形のたまゆら日記」でした。
格付:B

イッセー尾形のたゆたう人々 (青春アドベンチャー)

1995年から1997年の各9月に1作品ずつ制作された、イッセー尾形さんフィーチャーの3連作。本作品は1995年の「凡庸の極み」に続く第2弾で、翌1997年に制作された「たまゆら日記」との間に放送されました。
格付:A

孤島の花 作:鈴木そなた(FMシアター)

瀬戸内海の孤島に作られた高級老人ホーム「リル・ドゥレーブ」。高級感を演出するラウンジやホール、シェフが腕を振る食事、そして24時間体制の医療サービス。そこはまさに「限られた人だけの特別な場所」。夢を実現した者たちの理想郷だ。しかし、勤務する医師にとって理想の職場かは別問題。29歳の医師・三浦新司がここに務めているのは、以前勤務していた大学病院で医療ミスのトラブルに巻き込まれたからであって、自ら希望してき来たわけではない。夢を成し遂げた老人と、夢を見ることを諦めた医師。正反対のようだが、本当にそうなのだろうか。
格付:A

阪堺電車177号の追憶 原作:山本巧次(青春アドベンチャー)

大阪市南部と堺市を結ぶ阪堺電気鉄道、通称「阪堺電車」は大阪唯一の路面電車、いわゆる「チン電」や。その中でも、わし117号は最も古い車両。毎日線路の上を走り続けて87年、ベテラン中のベテランや。そやけど、そのわしにもついにお迎えがきたんや。けど不思議と残念な気はおこらんな。今まで乗せてきたお客さんは何百万人、いやそれ以上や。そう思たら誇らしいわ。ありがたいこっちゃ。そやけど、これまでいろんな時代に、いろんなことが起きたわな…
格付:C

イッセー尾形劇場・凡庸の極み 作:近藤峰子、柴田喜幸(青春アドベンチャー)

本作品「イッセー尾形劇場・凡庸の極み」はNHK-FM青春アドベンチャーで放送された「イッセー尾形」さんの名前を冠する3作品のひとつで、一番最初に放送された作品です。全3作品のうち後に放送された2作品「イッセー尾形のたゆたう人々」(1996年)、「イッセー尾形のたまゆら日記」(1997年)はイッセー尾形さんの原作作品とされているのに対して、本作品のみ近藤峰子さん、柴田喜幸さんによるオリジナル脚本とされています。ちなみに、本作品に先立つ1992年に単発のラジオドラマ枠で「特集オーディオドラマ 牛乳一合ココア入り」が同じ大阪局にて制作されていますので、すべてのスタートはこの「牛乳一合ココア入り」だったのかも知れません。
格付:B

あずかりやさん 原作:大山淳子(青春アドベンチャー)

そのお店は商店街のはしっこにあって、一見、お店なのか民家なのかもわからないし、ぼーっとしてたら通り過ぎちゃうかも知れない。お店の名前は「さとう」?いえいえそれは和菓子屋をしていた先々代がわかりやすく「砂糖」と書いただけ。では和菓子屋さん?いえいえ違うのです。そこは「あずかりやさん」。盲目の店主が「社長」と一緒に営む小さなお店。預かり賃は1個1日100円です。
格付:B

高倉酒店で会いましょう 作:葉月けめこ(FMシアター)

「角打ち」(かくうち)とは、北九州地域で見られる簡易な酒場で、酒店の一角に立ち飲みができるスペースをつくり酒店で販売している酒を酔客に供する店のことをいう。ここ北九州・小倉の角打ち「高倉酒店」は、地元の老人が日中から酒を飲みに集まる老人のパラダイスだ。今日も今日とて、老人たちが愚痴を言ったり叱ったり叱られたりしながら楽しく酒を飲んでいる。そんなある日、この高倉酒店に目が覚めるような美女が現れた。すらっとした背丈の彼女はメーテル似のまさに銀河系美女。当然、常連の老人たちは色めき立ったのだが、最近、近所では老人が若い女に美顔器を売りつけられる詐欺があったばかり。大丈夫なのか?
格付:B

無印OL物語 原作:群ようこ(サウンド夢工房)

小説家・エッセイストの群ようこさんによる処女小説「無印OL物語」をラジオドラマ化した作品で、青春アドベンチャーの前番組である「サウンド夢工房」(1990年4月~1992年3月)で放送されました。群ようこさんといえば、バブル期からバブル崩壊後10年程度の間、若い女性に絶大な人気を博した方です。若い女性の「本音」を軽妙な文体に乗せ、エッセイに、小説に大活躍されました。ちなみに群さんがエッセイストとしてデビューしたのが1980年代前半、初の単行本は1984年の「午前零時の玄米パン」。そして小説家としてのデビュー作が本作品の原作である「無印OL物語」(1989年)と、その軌跡はまさにバブルの隆盛と軌を一にしています。
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