家族

格付:A

70歳の受験生 作:さわだみきお(FMシアター)

母・洋子の四十九日法要の日、集まった家族に向かって父・誠は宣言した。「俺ももう七十。残りの人生を自分自身のために過ごしたい。今年から受験生になる!」驚愕する家族。特に息子の修一は「年相応の生き方をすべき」と父の行動を全否定。腹を立てた誠は早速、受験予備校に入学。高校生の塾友と一緒に勉強を始めた。しかし、現実は勉強勘を取り戻すことに精一杯で、何度模試を受けても志望校の合格ラインには届かない。やはり無謀な挑戦なのだろうか。誠はなぜこんなことを始めたのだろうか。
格付:B

今年の梅は 作:伊佐治弥生(FMシアター)

世の中には“便利屋”という仕事に不信感を持つ人間もいる。確かに家庭内の仕事を手伝うという性格上、その家庭のナイーブな側面に触れざるを得ない面はある。ましてお客が老人の場合、なぜ他人である便利屋に頼むのか、老人の弱みに付け込んで金をとっているのではないかと、依頼人の家族に思われることもある。しかし、それにしても突然現れた倫子さんの大学生だという孫の言い方は失礼過ぎる。これまで倫子さんとは適当な距離を保ち楽しくやってきたのだ。それに私にだって事情はある。女ひとりで便利屋を切り盛りすることはそんなに楽なことではないのだ。
メディアミックス情報

芦田愛菜さん主演「エンディングカット」がFMシアターと同じ主要キャストでTVドラマ化

2019年2月に芦田愛菜さん主演で放送されたラジオドラマ「エンディング・カット」が、NHK総合の土曜ドラマ「エンディングカット」としてTVドラマになることが発表されました。主演の芦田愛菜さんを始め、父親役の佐藤隆太さん、母親役の広末涼子さんという主要キャストがFMシアター版から続投という異例のキャスティングです。
格付:AA

ほぞ 作:水城孝敬(FMシアター)

「ほぞ」とは、家具の板と板をつなぐときに作る突起のこと。「ほぞ」と「ほぞ穴」を上手く作ることができれば釘を使うよりも丈夫な家具が作れる。夫の基一(きいち)は腕のいい指物師で、職人らしく人間関係に不器用なところもあったけど、ほぞをつくる名人としてお得意さまからの信頼が厚かった。そんな夫がある時から納期を忘れるようになった。それだけではなくお得意さまの顔も。指物の作り方も。そして妻である私の顔や名前さえも。落ち込む夫は、指物が作れなければ自分はただの用なしだ、という。でも私は知っている。彼は少なくとも私にとって用なしではないことを。
格付:B

太秦ムービースター 作:滝本祥生(FMシアター)

さすが太秦(うずまさ)、映画の街。高校の夏休みの課題がショートムービーづくりとか、優秀作は学園祭で放送されるとか。でも、転校して3か月の私のとっては迷惑でしかない。友だちがひとりもいないのにどうやって映画を作れというのか。でもひとりのクラスメイトが声を掛けてきた。彼女曰く「この映画で人気者になって、一緒にこの虚しい日陰人生から脱出しよう!」って……うざい。面倒くさい。しかもはずみで私のおじいちゃんが元俳優だと洩らしたら、おじいちゃんを主演にするとはしゃぎだす始末。仕方なくおじいちゃんに出演交渉したら言われてしまった。「ギャラはなんぼや。」最悪…何もかも最悪…
格付:B

産後途中下車 作:池谷雅夫(FMシアター)

こんなはずじゃなかった。確かに産休前にはこういったわ。「私は子育てが楽しみ。育休中は専業主婦、頑張るからね。ちゃんと良いママになってこの子に愛情を注ぎたいんだ。もちろん安夫の奥さんもしっかりやるわよ。」でもあなただって言ってくれたじゃない。「がんばり過ぎないで。洋子は頑張り屋だから仕事も家事もよくやっているけど。全部何でも一人でやろうとするからさ。僕もやるときはやるからさ、言ってよ。」それなのに、靴下を洗濯かごに入れて欲しいと言うことになんでこんなに気を使わないといけないの。確かに言ったわよ、「うちのことは私に任せて、お仕事頑張って。」って…だけど。
格付:B

また逢う日のうた 作:東多江子(FMシアター)

天袋の奥の古い柳行李から母・千代の日記が出てきた。不揃いのワラ半紙を麻ひもで綴じたその日記は、昭和19年10月25日、弟、隆造との別れから始まっていた。昭和19年、韓国が日本の植民地だった頃。京城(今のソウル)に住んていた姉は結婚を控えた21歳、学徒出陣した弟は京城帝国大学の学生だった。別れ際に、弟の吹くハーモニカで敵性音楽の"My Blue Heaven"を歌い再会を誓った姉弟。ごく普通の日本人姉弟が戦中・戦後にどのような青春時代を過ごしたのか、母の日記を通して息子は知ることになる。
格付:AA

エンディング・カット 作:新井まさみ(FMシアター)

この家には秘密がある。美容師をしている両親と中学生の私、どこにでもある普通の家族。でも最近、美容院にお客さんの姿を見かけなくなった。聞けば父は出張で散髪をしているという。それもご遺体に。「エンディング・カット」というらしい。正直、その仕事を気持ち悪く思う気持ちはある。でも秘密はそれだけではない。この家には秘密がある。パパもママも必死で隠しているけども。
格付:B

老婆の休日 作:伴一彦(FMシアター)

明治元年創業の老舗・うなぎ屋「橋本屋」の女三代、祖母・母・娘。3人そろって「ローマの休日」が大好き。どのくらい好きって、娘に「大鳥」(オードリー)なんてドキュンな名前をつけようとしてしまうくらいだ。うなぎ屋の大女将と女将、そして食品会社のOL。立場は違えど、いずれも毎日忙しい3人が一緒に海外旅行に行くのは初めて。となると行き先は当然決まっている。ローマだ。ローマで「ローマの休日」の聖地を巡るのが今回の旅のメインテーマ。…ということになっているのだけど…3人の中に何か企んでいる人間がいるようだ。
格付:B

ソラノムスメ 作:江口美喜男(FMシアター)

姉が死んでから半年。今でも母は4人目の食事の準備をしてしまうことがある。母はまだ姉の死を受け入れられない。でも、姉の死に囚われたままなのは僕も同じだ。亡くなった姉宛に届いた夏フェスのチケット。姉は誰とフェスに行くつもりだったのだろうか。そして、ようやく開くことの出来た姉のスマホのスケジューラーに入力された“BF”の文字。姉はあの事故のあった日、なぜ家ともバイト先とも違う方向に向かったのだろうか。
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