幻想(日本/ライト)

格付:AA

びりっかすの神さま 原作:岡田淳(青春アドベンチャー)

「頑張れ。」その一言を残して始(はじめ)の父親は死んだ。どういう意味で父親はその言葉を始に残したのか。いくら考えても、始には答えは出ない。そんな始は、転校した新しい小学校で不思議な“おじさん”に出会う。よれよれのスーツを着て天使みたいな羽をつけたおじさん。でもよく見ると半透明だし、身長も筆箱にちょうど入るくらいしかない。しかも始以外のクラスメイトには見えないようだ。自分のことを「びりっかす」と名乗ったおじさんが言うには、自分はこのクラスの「びりはダメ気分」(=ビリになりたくないという恥ずかしい思い)が生んだ存在なのだという。確かにこのクラスはちょっと雰囲気がおかしい。やたらと頻繁に5分間テストをやるし、その成績で席順を決めているようなのだが。
格付:A

あたたかい水の出るところ 原作:木地雅映子(青春アドベンチャー)

柚子(ゆずこ)が小学生の時、近所の銭湯「松の湯」が普通の沸かし湯から温泉に変わった。それ以来、柚子にとって「松の湯」は最高のパワースポットになった。自分の将来が見通せないことも、身勝手な家族が繰り広げる茶番劇も、湯船につかって、ゆるゆる・ゆったりしているだけでどこかへ消えて行ってしまう。お湯に浸かってさえいれば幸せだ。そう、そのはずだった。あの日、あの男に出会うまでは。
格付:AA

カラフル 原作:森絵都(青春アドベンチャー)

どうも「ぼく」は死んでしまったらしい。生前の記憶はないが、天使プラプラが言うには大きな罪を犯して死んだのだという。だから生まれ変わることもできず、このまま消滅するしかない。しかし、そんな僕に向かって、プラプラはある驚くべきことを言い出した。なんと僕は“ラッキー抽選”に当選し、修行をするチャンスを与えられたというのだ。修行を通じて自分の罪を自覚すれば生まれ変わることもできるという。でも、その修行は生前に犯した罪が重ければ重いほど過酷なものになるらしい。苦労をしてまで無理に生まれ変わりたいとは思わなかった僕はその修行を拒否するが、ボス(=神様?)の意思には逆らえない。嫌々、人間界に戻り、自殺したという見知らぬ少年“小林真”の体を引き継いで“修行”を開始することになったのだが…
格付:A

家守綺譚 原作:梨木香歩(青春アドベンチャー)

駆け出し作家の綿貫は、夭折した親友・高堂の父親から意外な申し出を受ける。空き屋になってしまう高堂の家に家守(=管理人)として住んで欲しいというのだ。経済的に助かること、死んだ高堂が喜ぶであろうという父親の言葉、そして、この草深い家でなら書きたいものが書けるのではないかという期待から、綿貫はこの申し出を受けること決める。こうして、家守である綿貫と、死んだはずの高堂、拾った犬のゴロー、そして様々な不思議なものたちとの生活が始まった。
格付:B

哲ねこ七つの冒険 原作:飯野真澄(青春アドベンチャー)

小学ニ年生の少女・ミルルのママはいつもツンツンしている。しかも、最近湧いて出たパパの転勤話のせいで、一層、ご機嫌斜めだ。折角の夏休み最大のイベントである、沙紀さんのうちへの旅行だというのに、相変わらず機嫌が悪い。だから、沙紀さんのうちに着くなり、飼い猫のプルルを追って外に飛びだしてしまったミルルは、早くもママに怒られてしまった。でも、ミルルは気がついたのだ。ここには猫たちの王国があるのを。沙紀さんのうちでみつけた“聞き耳ずきん”を被ると猫たちの世界が見え、声が聞こえるようになるということを。やがてママにも猫の世界が見えるようになる。ミルルとママの“哲ねこ”たちをめぐる冒険が始まった。
格付:B

なくしたものたちの国 原作:角田光代(青春アドベンチャー)

成子は8歳まで、身の回りの様々なモノ -生き物だけでなく生き物でないものも- と話すことができた。この物語は、そんな成子が人生の折々にであう不思議な話。人は成長していく過程で、様々なものをなくしていく。でもそれは本当はなくしたのではなく、なくしたものたちの国に移動しただけなのだ…
格付:C

やけっぱちのマリア 原作:手塚治虫(青春アドベンチャー)

中学生1年生の「焼野矢八」(やけのやはち=通称「やけっぱち」)は授業中はおとなしいが、授業が終わると敵対する不良グループ「タテヨコの会」と喧嘩ばかりの毎日である。そんなやけっぱちがある日、口からエクトプラズマのような白い物体を「出産」してしまう。白い物体は、やけっぱちの父親がつくった特製ラブドールに入るとマリアと名乗り人間の女の子と同じように動き始めてしまった。親子として、そして恋人同士として、やけっぱちのマリアとの奇妙な共同生活が始まった。
格付:B

幻想郵便局 原作:堀川アサコ(青春アドベンチャー)

短大を卒業したばかりの安倍アズサはアルバイトとして登天(とうてん)郵便局に採用される。しかしこの郵便局、何かがおかしい。なぜか山の頂上にあるし、すぐそばに広大なお花畑があるし、働いている職員もやってくる客もおかしな人ばかり。実はこの郵便局はこの世とあの世の境目にあり、あの世へ手紙を送ることができる郵便局だったのだ。アズサは「探し物をみつける」という微妙な特技を見込まれてこの不思議な郵便局に雇われたのだが、次々と不思議なことに巻き込まれていく…
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