幻想(日本/ライト)

格付:C

ユンカース・カム・ヒア 原作:木根尚登(サウンド夢工房)

瞳(ひとみ)が、ひとりで遊びに行ったロンドンのペットショップで出会ったのは一匹のミニチュア・シュナウザーだった。 すっかり気に入ってしまったその犬・ユンカースを日本に連れて帰ることに決めた瞳だったが、その犬はなんと人の言葉を話せる不思議な犬だったのだ。
格付:AA

想い出あずかります 原作:吉野万理子(FMシアター)

二十歳の誕生日を前に、海辺の街に帰省した里華(りか)。 親への挨拶もそこそこに出かけて行ったのは、波打ち際に建つ「想い出質屋」だった。 この店の店長は普通の人とは違う不思議な人。 この店は想い出を預かる代わりにお金を貸す不思議な店。 しかし、人は二十歳を過ぎると、この店に行けなくなってしまう。 最後のチャンスに店を訪れた里華は、中学3年生で初めて訪れてからの想い出を店長さんと語りあうのだった。
格付:A

夢巻 原作:田丸雅智(青春アドベンチャー)

長年の親友・村上に指定されたバーにやってきた堀川。 最近、管理職になったばかりで何かと多忙の堀川を村上が気遣って、とっておきの店を紹介してくれたのだ。 しかし店に一歩、足を踏み入れた堀川は目の前の光景に驚いてしまった。 よだれ、鼻水、涙… 村上が穴という穴から液体を出しながら、至福の表情で、葉巻の様なものを吸っていたからだ。 村上は煙草すらやらなかったはずだ。 一体どうしたのだ。 狼狽する堀川に対して、村上が説明を始める。 彼が吸っているのは葉巻ではなく「夢巻」であること。 そして、「夢巻」は、特殊な処置をした紙で燃やして吸うことにより、その紙に込められた思いを追体験できるものであるということを。
格付:A

夢の木 原作:木根尚登(青春アドベンチャー)

小諸市立第三中学校の寛一、悦子、猛の3人組が神沼にやってきたのは、修学旅行の夜の怪談が沼の話に及んだときに、担任の島崎先生がなぜか不自然に口ごもったからだ。 何か秘密が隠されていると感じた3人は、怪談話の延長という軽い気持ちでやってきたのだが、岸部の大きな木の元で実際に不思議な出来事を体験してしまう。 しかもそれ以降、普段から3人の身の回りで少しずつ不思議なことが起きるようになってしまった。 心配した3人は、原因を探るために新月の夜に再び大木のもとに向かうのだが…
格付:C

P 原作:木根尚登(青春アドベンチャー)

丘の上にある、私立ときわ中学校にやって来た転校生は、なんと皇帝ペンギンだった! 前代未聞の事態にもかかわらず、「P」と名乗ったそのペンギンは、あっという間にクラスメイトに溶け込み、学校は何事もなかったように平穏な日常を取り戻した。 しかし、「P」の存在は、今まで当たり前だと思ってきた校内の矛盾点を少しずつ明らかにしていく。 穏やかに。だが、確実に。
格付:B

予言村の転校生 原作:堀川アサコ(青春アドベンチャー)

湯木奈央(ゆぎ・なお)は、市役所に勤める気の弱い父を持つ普通の女子中学生だ。 ある日、父が隣村の村長選挙に立候補するために市役所を退職してしまった。 立候補する理由を父は「決まっていたことだから」という。 そう、父が村長選に立候補する「こよみ村」は、「予言歴」(よげんれき)なる予言の書どおりに全ての事柄を進めることを旨とする不思議な村だったのだ。 父親の村長就任とともに、こよむ村の中学校に転校することになった奈央には、不思議な出来事が待っているのだった。
格付:AA

びりっかすの神さま 原作:岡田淳(青春アドベンチャー)

「頑張れ。」 その一言を残して始(はじめ)の父親は死んだ。 どういう意味で父親はその言葉を始に残したのか。 いくら考えても、始には答えは出ない。 そんな始は、転校した新しい小学校で不思議な“おじさん”に出会う。 よれよれのスーツを着て天使みたいな羽をつけたおじさん。 でもよく見ると半透明だし、身長も筆箱にちょうど入るくらいしかない。 しかも始以外のクラスメイトには見えないようだ。 自分のことを「びりっかす」と名乗ったおじさんが言うには、自分はこのクラスの「びりはダメ気分」(=ビリになりたくないという恥ずかしい思い)が生んだ存在なのだという。 確かにこのクラスはちょっと雰囲気がおかしい。 やたらと頻繁に5分間テストをやるし、その成績で席順を決めているようなのだが。
格付:A

あたたかい水の出るところ 原作:木地雅映子(青春アドベンチャー)

柚子(ゆずこ)が小学生の時、近所の銭湯「松の湯」が普通の沸かし湯から温泉に変わった。 それ以来、柚子にとって「松の湯」は最高のパワースポットになった。 自分の将来が見通せないことも、身勝手な家族が繰り広げる茶番劇も、湯船につかって、ゆるゆる・ゆったりしているだけでどこかへ消えて行ってしまう。 お湯に浸かってさえいれば幸せだ。 そう、そのはずだった。 あの日、あの男に出会うまでは。
格付:AA

カラフル 原作:森絵都(青春アドベンチャー)

どうも「ぼく」は死んでしまったらしい。 生前の記憶はないが、天使プラプラが言うには大きな罪を犯して死んだのだという。 だから生まれ変わることもできず、このまま消滅するしかない。 しかし、そんな僕に向かって、プラプラはある驚くべきことを言い出した。 なんと僕は“ラッキー抽選”に当選し、修行をするチャンスを与えられたというのだ。 修行を通じて自分の罪を自覚すれば生まれ変わることもできるという。 でも、その修行は生前に犯した罪が重ければ重いほど過酷なものになるらしい。 苦労をしてまで無理に生まれ変わりたいとは思わなかった僕はその修行を拒否するが、ボス(=神様?)の意思には逆らえない。 嫌々、人間界に戻り、自殺したという見知らぬ少年“小林真”の体を引き継いで“修行”を開始することになったのだが…
格付:A

家守綺譚 原作:梨木香歩(青春アドベンチャー)

駆け出し作家の綿貫は、夭折した親友・高堂の父親から意外な申し出を受ける。 空き屋になってしまう高堂の家に家守(=管理人)として住んで欲しいというのだ。 経済的に助かること、死んだ高堂が喜ぶであろうという父親の言葉、そして、この草深い家でなら書きたいものが書けるのではないかという期待から、綿貫はこの申し出を受けること決める。 こうして、家守である綿貫と、死んだはずの高堂、拾った犬のゴロー、そして様々な不思議なものたちとの生活が始まった。
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