やけっぱちのマリア 原作:手塚治虫(青春アドベンチャー)

格付:C
  • 作品 : やけっぱちのマリア
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : C+
  • 分類 : 幻想(日本/ライト)
  • 初出 : 2012年12月10日~12月21日
  • 回数 : 全10回(各回15分)
  • 原作 : 手塚治虫
  • 脚色 : 阿部美佳
  • 演出 : 木村明広
  • 主演 : 竹内順子

中学生1年生の「焼野矢八」(やけのやはち=通称「やけっぱち」)は授業中はおとなしいが、授業が終わると敵対する不良グループ「タテヨコの会」と喧嘩ばかりの毎日である。
そんなやけっぱちがある日、口からエクトプラズマのような白い物体を「出産」してしまう。
白い物体は、やけっぱちの父親がつくった特製ラブドールに入るとマリアと名乗り人間の女の子と同じように動き始めてしまった。
親子として、そして恋人同士として、やけっぱちのマリアとの奇妙な共同生活が始まった。



漫画の神様・手塚治虫さんの学園ラブコメディ?性教育漫画?のラジオドラマ化作品です。

意外と少ない

青春アドベンチャー系の番組では時々、漫画原作の作品があるのですが、手塚治虫さんの原作作品はその知名度の割に少なく、サウンド夢工房時代の「恐怖の館 日本現代編」の中の1編「鉄の旋律」や特番で放送された「ネオ・ファウスト」くらいなのではないかと思います。

大切な思い出

「ブラックジャック」や「鉄腕アトム」など日本の漫画史に燦然と輝く作品群を残された手塚さんです。
私も子供の頃、まだ手塚さんがこんなに著名な方だとは知らなかったころに手塚作品を乱読していて、「この作家さんはハズレが少ないなあ」などと、今思えばかなり不遜な感想を持った覚えがあります。
そのころ少ない小遣いで古本屋さんで買い集めた汚い「どろろ」は今でも大切な宝物です。

何とも形容しがたい

さて、本作ですが、今回ラジオドラマで聞くまで知らない作品でした。
聞いてみた感想ですが、正直、何とも形容が難しい作品でした。
永井豪さんの「ハレンチ学園」など、当時のどたばたエロ漫画は今になって再読してみるとどうにも理解しがたい部分があるのですが、この作品も当時の時代背景なしにはいまひとつ理解できない気がします。
制作陣の意図はこちらのホームページ(外部リンクです。ご注意ください)で書かれているのですが、個人的には当時の背景などの予備知識なしにこの作品で切なくなったり、笑えたりするのはちょっと難しい気がしてなりません。

ラジオドラマとしても…

全10話という青春アドベンチャーの枠も、作品の雰囲気やテーマを上手く伝えるという面ではむしろ足かせになっていた気がします。
話はスピーディで毎回楽しく聞くことはできましたが、結局、何が言いたいのかよくわからないうちに終わってしまったというのが素直な感想です。

主演は声優の竹内順子さん

出演は、やけっぱち役が竹内順子さん、マリア役が前田希美さん。
中学生の男の子の役を女性の竹内さんが演じているわけですが、「NARUTO -ナルト-」のうずまきナルト役で有名な方ですので、演技に手抜かりはありません。
一方の前田さんは同じ青春アドベンチャーの「三匹のおっさん」でもヒロインを演じていましたが、本作では「三匹のおっさん」と違って高音全開のはっちゃけた演技です。
私は気になりませんでしたが、おふたりともアニメ的なややオーバーな演技ですので、人によっては好き嫌いが分かれるところかも知れません。


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