格付:B

河童の記憶 作:東憲司(青春アドベンチャー)

倉野香苗が河童に出会ったのは小学6年の夏休み。父の故郷である山間の小さな田舎町に引っ越してきてすぐのことだ。河童の名前はサーチャ。サーチャは正確には河童ではなく、人間の子供の魂を基に作られた「河童もどき」。サーチャがいうには、河童世界の奴隷である「河童もどき」は河童の中では最下層の存在だが、位の高い河童ともなると時を遡る神通力が使えるらしい。実は香苗はある理由から昔から河童に会いたいと思ってきた。河童の力で過去を遡り、香苗のために鉄道事故で帰らぬ人となった父を救いに行きたいと思い続けてきたのだ。
格付:B

辰のお年頃 作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

太陽系第三惑星、地球。文明が荒っぽいことで有名なこの星を監視するため、銀河連邦は密かに監視員を派遣している。文明が成熟し、晴れて銀河連邦入りを認められるその日まで、われわれは交代でこの星を監視し続けるのだ。さて、今年も監視員の交代の時期が来た。ウサギの姿で寡黙に地球を見守ってきた私シブヤ・コトノから、竜の姿でまたしても寡黙にこの星を見つめ続けるであろうヌクミズ・ヨウイチへの引き継ぎ。相も変わらぬ政治経済状況が続いていることをすでに知っている「辰」ヌクミズは引き継ぎを適当に済ませようとしているようだが、こういうことはやはりきちんとしなければならない。この星の未来がかかっているのだから。
格付:AA

ロロ・ジョングランの歌声 原作:松村美香(青春アドベンチャー)

1998年12月3日、赤道近くの島、東ティモールで1人の日本人新聞記者が射殺された。中瀬稔(なかせ・みのる)享年32歳。私の兄だ。新聞記者として世界中を飛び回っていた稔兄さんは、行く先々から私に絵葉書を送ってくれた。最後の絵葉書は東ティモールに渡る直前、インドネシアの世界遺産、ブランバナンのロロ・ジョングラン寺院からだった。あの時、稔兄さんは何を感じていたのだろう。そして絵葉書になぜあんなメッセージを残したのだろう。「俺は運命に逆らうことにするよ」などというメッセージを。
格付:AA

いざ行かむ 短歌甲子園へ 作:東多江子(FMシアター)

「短歌甲子園」の3人の代表に選ばれてしまった。学校の課題として何気なく提出した短歌が新任の校長先生の目に留まったらしいのだ。ピアニストになるという夢が挫折して以来、何の取柄もなくただ平凡な毎日を送る私。こんな私に短歌の才能なんてあるのだろうか。まさか課題を提出したのがこの3人だけだった…という訳でもないようだけど。でもやっぱりダメだ。肝心の短歌甲子園の今年のテーマは「音」なのだ。どうしてもピアノのことを思い出してしまう。こんな私、修次郎君や夏音の足を引っ張るだけに決まっている…
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【「今日は一日“ありがとうFM50”三昧~オーディオドラマ編」の放送内容紹介】第二部

【「今日は一日“ありがとうFM50”三昧~オーディオドラマ編」の放送内容紹介】第二部番組:今日は一日“ありがとうFM50”三昧~オーディオドラマ編(第二部)初出:2019年3月3日午後7時20分~午後11時0分この記事は2019年の3月3日...
格付:A

高天原探題 原作:三島浩司(青春アドベンチャー)

僕はあの時、清美を救わなければ良かったのだろうか。7年前、京都・桂川の河辺に、どこからともなく降り注いだ大量の土砂。確かにあの時を境に世界は変わってしまった。異能者「玄主」(ゲンシュ)と、人知を超えた弁別不能体「不忍」(シノバズ)により再起不能にされた多くの人々。しかし、目の前で生き埋めになった少女を救わないなんて選択肢があったとは思えない。たまたまその最初の出現場所に僕が居合わせたからといって、今日の事態に僕が責任をとらないといけないとも思えない。そう、責任ではない。責任をとるために僕は「不可識存在問題対処専門委員会」(俗称「高天原探題」)に入ったわけではない。僕は単に再会したかったのだ。あの少女に。
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【「今日は一日“ありがとうFM50”三昧~オーディオドラマ編」の放送内容紹介】第一部・後半

【「今日は一日“ありがとうFM50”三昧~オーディオドラマ編」の放送内容紹介】第一部・後半○第一部全体:2019年3月3日午後1時0分~午後6時50分○当記事紹介分:2019年3月3日午後4時15分~午後6時50分この記事は2019年の3月...
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【「今日は一日“ありがとうFM50”三昧~オーディオドラマ編」の放送内容紹介】第一部・前半

【「今日は一日“ありがとうFM50”三昧~オーディオドラマ編」の放送内容紹介】第一部・前半○第一部全体:2019年3月3日午後1時0分~午後6時50分○当記事紹介分:2019年3月3日午後1時0分~午後4時15分「今日は一日○○三昧」とは?...
格付:B

無印OL物語 原作:群ようこ(サウンド夢工房)

小説家・エッセイストの群ようこさんによる処女小説「無印OL物語」をラジオドラマ化した作品で、青春アドベンチャーの前番組である「サウンド夢工房」(1990年4月~1992年3月)で放送されました。群ようこさんといえば、バブル期からバブル崩壊後10年程度の間、若い女性に絶大な人気を博した方です。若い女性の「本音」を軽妙な文体に乗せ、エッセイに、小説に大活躍されました。ちなみに群さんがエッセイストとしてデビューしたのが1980年代前半、初の単行本は1984年の「午前零時の玄米パン」。そして小説家としてのデビュー作が本作品の原作である「無印OL物語」(1989年)と、その軌跡はまさにバブルの隆盛と軌を一にしています。
格付:B

日本のヤバい女の子 原作:はらだ有彩(青春アドベンチャー)

私は平成生まれ。女だからこうしなさいと親に言われたことはなかったし、女だから損をしたと思うこともなかった。だから、就職してみて初めて気がついた。この国の女性に押しつけられている「女子」という役割に。だから、どうしても知りたくなった。現代でさえこんなに生きづらいのに、昔の女の子はどうしていたのかということを。だから、会いに行くことにした。昔話に登場するあの女の子たちに。
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