- 作品 : 14年目のハッピーバースデー
- 番組 : FMシアター
- 格付 : B
- 分類 : 日常
- 初出 : 2025年3月8日
- 回数 : 全1回(50分)
- 作 : 石原恵理子
- 演出 : 岩戸良輔
- 主演 : 當真あみ
美咲の人生最初の記憶は2011年3月11日のものだ。
その日は美咲の5歳の誕生日で、バースデーケーキを受け取りに行った祖母はそのまま戻らなかった。
だから大学に入って初めてできた友達の萌が震災の語り部ガイドのボランティアを始めたのも複雑な気持ちで見ていた。
萌にどうして欲しいということがある訳ではない。
美咲は聞いて欲しいのだ。自分の中にある思いを、ただ聞いて欲しかったのだ。
本作品「14年目のハッピーバースデー」はNHK-FMのFMシアターで放送されたオーディオドラマで、脚本は石原理恵子さんです。
放送日で想像できると思いますが…
放送されたのは3月8日で東日本大震災の日の3日前。
ということで、FMシアターではこの時期恒例の「震災もの」の作品です。
ただ震災の時から時間も随分経過しました。
最近の震災ものは震災及びその直後の描写はほとんどないことは一般的になり、それから時間を経過した放送時典現在の心の在り方を描く作品ばかりになっています。
もう14年も経ったのか…
本作品もその例にもれず震災及びその直後の状況はほとんで描かれません。
むしろ震災から14年も経ってしまったこと、それなのに心がそこに置き去りにされてきていること自体を作品のテーマとしています。
この分野ではFMシアターでは2021年の「はるかぜ、氷をとく」という名作はあるのですが、それと比較して本作品はどうか。
出演者を4人に絞ったミニマムな編成は好感が持てますし、最後にタイトルにつながる構成もお見事です。
正直なところ…
主人公の美咲が割と内向きの性格であることもあり、作中で大きな出来事が起きる訳でもないのですが、ふたりの心の動きを丁寧に描いていることも好感が持てます。
ただまあ正直なところ良くも悪くも普通のFMシアターの枠を出ていなかったとも感じました。
作品ファンの方、後ろ向きの感想ですみません。
役とほぼ同年齢
とはいえ主人公のおふたり、美咲役の當真あみさん、萌役の新井美羽さんのフレッシュな演技は好感のもてるものでした。
おふたりとも放送当時18歳。
當真さんが沖縄出身、新井さんが東京出身なので東日本大震災の被災者とは言い難いのですが、役の年齢と揃えたのはリアリティをだすという意味で有意義であったのみならず、なんらかNHKの良心的なものも感じました(あまり論理的な感想ではありませんが)。
なおその他の2名の出演者はジュノン・スーパーボーイ・コンテスト出身の藤本洸大さんと俳優の上島奈津子さんです。

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