「他メディアのキャストをそのまま移植」とは?
NHK-FM青春アドベンチャーで放送されているオーディオドラマのほぼ半数が小説や漫画などの原作があるものです。
これらの作品がドラマ、アニメ、舞台など、他の媒体でメディアミックスされることも多く、当ブログでも「メディアミックス情報」という記事カテゴリーを作っています。
ただNHKが音頭を取ってしかけることはほとんどない(結果的にメディアミックスになっているだけ)ので、そういった他メディアで放送された作品と青春アドベンチャーで制作された作品の出演者が同じということはほとんどありません。
しかしごく例外的に主要キャストが全く同じ作品があります。
今回はそれを紹介したいと思います。
ご紹介する4作品
といってもその殆どは青春アドベンチャーより先に舞台で上演されているものを青春アドベンチャー化した例です。
この場合でも、通常は違うキャストで制作されますが、例外的に主要キャストをそのまま移植するケースがあります。
マドモアゼル・モーツァルト(1992年)
もともとは1989年から1990年に「モーニング」に連載された福山庸治さんの漫画で、連載終了の翌年である1991年に音楽座によりミュージカル化されました。
さらにその翌年の1992年に青春アドベンチャー(特集コミックアドベンチャー)でオーディオドラマ化。
土居裕子さん、磯部勤さんなど、出演者が音楽座ミュージカルの初演時のキャストによるほか、音楽も小室哲哉さんによるミュージカル用のものを流用しています。

オズ(1993年)
樹なつみさんによる漫画を原作とする作品で、唯一のアニメ版と一致するケースです。
ただ一致するのは、主役のムトー役の松本保典さんとその同僚の傭兵ネイト少尉役の山寺宏一だけで、女性陣は青春アドベンチャーらしく宝塚出身の女優さんたちでした。
アニメでは広く活躍する山寺宏一さんですが、青春アドベンチャーでの出演は本作のみ。
キャストの移植という異例の事態と言い、なんらかの事情があったのかもしれません。

旅猫リポート(2014年)
原作は有川浩さんの小説ですが、2013年に有川浩さんと阿部丈二さんの演劇ユニット・スカイロケットにて舞台化され、翌年、メインキャストをそのままに青春アドベンチャー化されました。
スカイロケットによる舞台化とはいえ出演者は演劇集団キャラメルボックスのメンバーで固められており、青春アドベンチャー版もそれを踏襲した形です。
ちなみに2018年には映画化もされていますが、これはキャストもスタッフも一新されています。

歌え!懐メロ少女隊(2026年)
2025年に新しく旗揚げされた劇団「劇団♪唄タイム」の第1回公演として企画された「歌え!懐メロ少女隊 アイドルは介護施設をめざす」を2026年に青春アドベンチャー化した作品。
というかこの作品がこの記事を書くきっかけでした。
メインとなる「カイドル」役の3人、西浜詩織さん、宮坂桃奈さん、みたにあかねさんのほか、ほぼ全体が同一キャストのようです。
歌のある作品なので余人をもって代えがたいのかも知れませんね。
その他の類似の企画
1993年に放送された「サンタクロースが歌ってくれた」は演劇集団キャラメルボックスの成井豊さん原作で、舞台版が先行しています。
平井太郎(=江戸川乱歩)役の上川隆也さんが共通のキャストですが、基本的にはキャストは一新されている、というかキャラメルボックスの方に加え、劇団夢の遊眠社の渡辺いっけいさんや田山涼生さん、浅野和之さんなどを加えたむしろ豪華版のキャストでした。

またFMシアターでオリジナル作品として放送された新井ますみさん脚本の「エンディング・カット」はその後、メインキャストの3人(芦田愛菜さん、佐藤健さん、広末涼子さん)をそのままにTVドラマになっています。
FMシアターなので番外ですがご紹介させていただきました。

他にもありましたらご教示ください
舞台がスタートの作品には他にも似たような例があるのではないかと思います。
ご存じの方がいらっしゃいましたらご教示ください。
宜しくお願い致します。

コメント
劇団の舞台作品をそのまま青春アドベンチャーにするのは初めてではないのですね。
初めてだと思い、思い切ったことをすると思いました。
来週の久しぶりの新作が楽しみです。
しかし、その次回の新作「華氏451度」が1ヶ月後で5話であることを考えると、苦肉の策のように感じます。
推測ですが、従来のように10話だとおそらく収録に2日は取られ、出演者の
確保がしづらくなっていると思うのです。
劇団の舞台作品を出演者ごと出演していただくと、そのような手間暇がかからず、
効率的だと思います。
今後はこのように10話モノはいわば劇団丸投げの作品や松浦さんの演出した「SとF」や
FMシアターの「空想博覧会」のように劇団員の他流試合のような作品が増える気がします。
どうなるにしろ、面白ければいいのですが。
匿名希望さま
コメントありがとうございます。
制作体制が縮小傾向なのは確かだと思います。
そもそもこの2026年にオーディオドラマの制作体制がNHKに残っているのが奇跡であり、だからこそ今しなければいかないこともあると思っています(この辺の雑感についてはこちらの記事にて)。
ただ同じ役者を使いまわすのは大昔からの傾向(作品発表ぺーずが早いのでやむを得ない)ですし、夏に休止期間があるのもいつものことなので、あしもとの状況が何によるものかは私には判断がつきません。