- 作品 : おいしいコーヒーのいれ方Ⅳ~雪の降る音~
- 番組 : 青春アドベンチャー
- 格付 : A
- 分類 : 恋愛
- 初出 : 1999年7月26日~7月30日
- 回数 : 全5回(各回15分)
- 原作 : 村山由佳
- 脚色 : 佐藤ひろみ
- 音楽 : 梶本芳孝
- 演出 : 平位敦
- 主演 : 内田健介
父・政利の急な呼び出しで、父の単身赴任先である福岡へと向かうショーリ。
政利の爆弾発言で頭の中は混乱気味だが、福岡へはかれんと一緒に行くことになり、少し浮かれ気味でもある。
そんなショーリを福岡で待っていたのは、照れ気味の父と、もう一人、意外な人物だった。
ショーリとかれんの2度目の夏は終わりを告げ、季節は秋、そして冬へと巡っていく。
村山由佳さん原作の恋愛小説シリーズのラジオドラマ化第4弾です。
前作(彼女の朝)の放送が1997年12月ですので、1998年には放送がなく、約1年半ぶりの続編の放送でした。
前回が完全に次回作へと続くことが前提なっている終わり方でしたので、ファンにとっては待望の続編だったと思います。
ちなみにこの放送時期は原作が発刊されて9か月でもあります。
この後暫く、原作が発刊される都度、その1年以内にラジオドラマ化されるパターンが続くことになります。
夏なのに雪
今回は前半が夏の最後、父・政利が単身赴任している福岡に行くエピソード、後半は高校の学園祭やスキー旅行、そして年越しの際のエピソードで構成されています。
夏から物語が始まるのを聴いたときは“雪の降る音”というタイトルをなんのこっちゃと思っていましたが、最終的には冬のエピソードでこの作品は終わります。
ちなみに放送されたのは真夏の7月末でした。
ショーリが痛すぎる
さて、本作品のショーりとかれんは、いつもにも増して歯がゆい、というか、むしろ幼い、といった方がよい感じです。
一方的に嫉妬するショーリもショーリですが、それに過剰反応してしまうかれんもとても年上の女性とは思えない。
この手の作品は、誤解とすれ違いが物語進行の定番ファクターですが、本作品の場合、大した誤解もすれ違いもないのに自爆してしまうショーリが痛すぎる!
いくらいくつかの障害があるといっても、両思いなんだし、もっとドンと構えられそうなものですが。
まあ、それがこの作品の「らしい」ところでもあるのですが。
長谷川さんにやられた
ということで、いつにも増してイライラさせられた本作品であり、もうちょっと辛めの格付けにしちゃおうかとも思ったのですが、終盤のかれんの泣くシーンだけで、もう“A”でもいいや、と思ってしまいました。
女性って、ずるいなあ。そして、長谷川さん、上手いなあ。
出演者は全く変わらず
出演は、主人公のショーリ=内田健介さんと、かれん=長谷川真弓さんをはじめとして、前作までと基本的に変わらりません。
今回、久しぶりに本格的な出番のあるショーリの父親・政利役は加賀谷純一さん。
本格的な出演は第1シリーズ(キスまでの距離)以来ですが、ちゃんと同じ方が演じていらっしゃいます。
また、政利の**役(ネタバレ防止のため伏せ字)でこれ以降、何度か出番がある大塚明子役は佐藤友紀さん。
2006年より女優業の他、脚本、プロデュースなど制作活動も本格化させている方のようです。
演出が交代、音楽は変わらず
スタッフは、脚色が、青春アドベンチャー版「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズの脚色を一貫して担当されている佐藤ひろみさん。
一方、演出は「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズでは本作品のみを担当している平位敦さん。
平位さんは、青春アドベンチャーでは1990年代後半に限定して、僅かな数の作品しか担当されていませんが、「分身」(東野圭吾さん原作)や「海賊モア船長の遍歴」(多島斗志之さん原作)、「しゃべれどもしゃべれども」(佐藤多佳子さん原作)など、なかなか粒よりの作品群を担当されています。
ちなみに本シリーズの音楽は梶本芳孝さんが担当されており、演出家が変わっても雰囲気が変わらないのは、脚本家のほかに、音楽担当の梶本さんが変わらないことが大きいと思います。
【おいしいコーヒーのいれ方シリーズ】
コメント