- 作品 : 10トンドライバーのトパーズ
- 番組 : FMシアター
- 格付 : A
- 分類 : 旅とグルメ
- 初出 : 2020年10月3日
- 回数 : 全1回(50分)
- 作 : 今城文恵
- 音楽 : 関向弥生
- 演出 : 藤井靖
- 主演 : ソニン
大型トラックの運転手に女性は少ない。
いたとしても子供を産むまでの仕事などと言われて、珍獣扱いされるのが関の山だ。
今日もドライブインで声をかけられた。本当に面倒くさい。
だからバスがなくなって困っている男性を乗せたのも気まぐれだ。
いや私のトラックでもちゃんと送り届けるということを見せたかったのかもしれない。
本作品「10トンドライバーのトパーズ」はNHK-FMのFMシアターで放送されたオーディオドラマで、長距離トラックの運転手をする女性を主人公とした作品です。
主人公はトラックドライバー
FMシアターでトラックドライバーを主人公とした作品としては、髙橋和也さん主演の「飛ばせハイウェイ、飛ばせ人生」(2011年)という良作がありますが、この「10トンドライバーのトパーズ」もなかなかの作品です。
夜の長距離輸送
ストーリーラインは「飛ばせハイウェイ~」と同じように、長距離トラックの運転手がひょんなきっかけから人を乗せることになり、そのみちみちで起きる出来事を描いていくというもの。
本作品で主人公の千晶(ちあき)が拾ったのが鉱物学者の烏谷(からすや)。
男社会を一人で生きている蓮っ葉な女と、他人に触れることができない学者(オタク)。
本来なら交わることのないふたりが偶然トラックの座席に並ぶことになり、そこにたまたまあった天然のトパーズがふたりを一時だけ結びつける、そんな話です。
ある男女の道行き
ふたりとも青年の男女なのでそれなりの事情を抱えているのですが、主人公・千晶の背景や心の裡は必要以上に描かれることはなく、コテコテすぎる展開にはならないのが本作の魅力。
不思議な出来事が起こるわけではありませんし、旅が終わっても彼らの人生を取り巻く状況が大きく変わるわけでもない。
ただ一時、胸のつかえがとれるだけかもしれませんが、まあ人生ってこんなものですし、それだけでも生きていくことはできますよね。
ソニンさんと野間口さん
それにしても本作品は主演のソニンさんがいい。
同じ年に放送された特集オーディオドラマ「歌が生まれる」でもそうだったのですが、胸に何かがつかえているような少しだけ荒んだセリフが妙に色気があるから不思議です。
また相手役の烏谷を演じる野間口徹さんも良い。
いかにも野間口さんが演じそうな役ではあるのですが、それだけによく役にあったキャスティングです。
どうすれば入門できるの?
それにしてもトパーズって必ずしも黄色じゃないんですね。
鉱物面白いな。
サウンド夢工房「雪色オルゴール」の記事にも書いたのですが最近、幼児の頃以来の久しぶりに宝石に興味が出てきました。
この分野、入門するには何から始めればいいんでしょうね?
当ブログ実施の2020年FMシアターアンケートの出演者編で本作品主演のソニンさんが1位をとりました(4票ですが)。
当該アンケート結果の詳細は以下をご覧下さい。

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