- 作品 : なぞタクシーにのって…
- 番組 : 青春アドベンチャー
- 格付 : B
- 分類 : 日常
- 初出 : 2010年1月25日~1月29日
- 回数 : 全5回(各回15分)
- 原作 : いしいしんじ
- 脚色 : 仲倉重郎
- 演出 : 真銅健嗣
- 主演 : きたろう
タクシードライバーであるヤリ・ヘンムレンさんは、自分のタクシーに乗車してきたお客さんに必ず「なぞなぞ」をだす変わり者の運転手である。
この作品はヘンムレンさんが5組のお客さんに対して投げかけた「なぞなぞ」と、それに関連するお客さん達の人生の物語である。
本作品「なぞタクシーに乗って」の「なぞ」とは、「なぞなぞ」の「なぞ」であり、ミステリアスなタクシーが登場したり、ミステリー作品であったりする作品ではありません。
作品形式は、ヘンムレンさんのタクシーに乗ってくるお客さんの人生の物語を1話完結で綴っていく連作短編形式の作品です。
実質的に短編集
しかし、ヘンムレンさんはほとんど各話の冒頭と最後に出演するだけであり、実質的な主人公は各話のお客さんです。
また、各話はお客さんがヘンムレンさんのタクシーに乗ること以外はほぼ共通性・関連性はないため、実質的には連作短編と言うより短編集です。
青春アドベンチャーで似たような形式の作品としては2016年の「夢巻」や2019年の「僕たちはもう帰りたい」があります。
人情噺
また、本作の内容は公式ホームページでは「大人の童話」とあるのですが、簡単にいうと人情噺であり、私が青春アドベンチャーに期待しているジャンルではありません。
短編集及び特定の作品ジャンルに対する私の趣味・嗜好についてはこちらをご参照いただきたいのですが、結果として格付けは上記のとおりになってしまいました。
ファンの皆様、申し訳ありません。
気軽に聞ける作品
作品自体は、微笑ましい部分があったり、ほろっとさせる部分があったりして、一回聞くだけとか、BGMとして流して聴くのであれば、なかなか味のある話だと思います。
でも正直言って、折角の放送枠を使ってまで再放送するほど人気があったのだろうかとか、内容的にはFMシアター枠の方が良かったのでは、とは思ってしまいました。
きたろうさん主演
主演のきたろうさんは「銀河番外地、運び屋サム」のアクラム・シャラーン役が印象的ですが、「アドリア海の復讐」ではナレーションを担当されていますし、最近でも「放課後はミステリーとともに」に脇役として出演されてます。
手慣れていることもあると思いますが、なかなか達者で安心して聞けます。
その他の出演者など
その他、語りの岩崎良美さんのほか、脇役が此島愛子さん、草薙仁さん、蟹江一平さん、樋浦勉さんなどなかなか多彩です。
そういえば岩崎良美と蟹江一平さんのコンビは「ゼンダ城の虜」にもご出演されていましたね。
一聴の価値はあると思います。
なお、原作本は上記の粗筋のすぐ後に画像を載せている「雪屋のロッスさん」のようです。
コメント