- 作品 : 銀河番外地、運び屋サム
- 番組 : アドベンチャーロード
- 格付 : AAA
- 分類 : SF(宇宙)
- 初出 : 1988年2月1日~2月12日
- 回数 : 全10回(各回15分)
- 原作 : 高千穂遙
- 脚色 : 加藤直
- 演出 : (こばやしちひろ)
- 主演 : 沖田浩之
B級宇宙貨物船「マザー」の船長サムは、金さえ貰えれば何でも運ぶモグリの運び屋だ。
今回の仕事はひとつの星を優に消滅させ得る危険物質の輸送だった。
しかし輸送に失敗した上に、大企業のジョルダンケミカル社に危険物質を輸送していた事実をチラつかされて、危険な匂いのする仕事を引き受けることを強要される始末。
さらには謎の黒尽くめの集団にも襲撃される。
聖獣の塔とは何か。
惑星タローンの先史文明とは何なのか。
そして、ジョルダンケミカル社は何を企んでいるのか。
青春アドベンチャーの二つ前の番組であるアドベンチャーロードで放送された作品で、高千穂遥さん原作のSF作品です。
これぞスペースオペラ
SFの中でも、主人公が宇宙空間を銀河狭しと飛び回る冒険活劇、いわゆる「スペースオペラ」に分類される作品です。
ワープ、ブラスター、星間警察機構…こんな用語だけでワクワクします。
また本作では1話ごとにサブタイトルがついています。
まさにスペースオペラ、という感じのタイトルだと思いませんか?
- 新たなる冒険
- 聖獣の塔へ
- 天国か地獄か
- サンドストーム・パニック
- 地底洞窟
- タローンの怪物
- サムライ・スオード・ヒーロー
- プラネット・デストロイヤー
- ゲルッサの秘密
- さよなら昨日の敵
やはりスペースオペラは楽しい
高千穂さんのスペースオペラといえば「クラッシャージョウ」シリーズや「ダーティペア」シリーズが有名で、特に前者は和製スペースオペラの嚆矢ともいわれる歴史的?名作です。
これらの2シリーズは知的生命体がほとんど地球人類しか存在しない(ジョウ3巻の「銀河系最後の秘宝」やダーティペアのクアールなど多少の例外あり)世界を舞台とした作品なのですが、本作は他の知的生命体も存在する賑やかな宇宙が舞台のようです。
本作は両シリーズほど長くなく、有名でもありませんが、高千穂スペースオペラの魅力が凝縮された楽しい作品です。
高千穂遥さん原作作品
なお、高千穂さんの原作作品は他に、FMアドベンチャーで「夏・風・ライダー」が、アドベンチャーロードで「黄金のアポロ」がラジオドラマ化されています。
沖田浩之=サム
主人公サムを演じるのは、亡き沖田浩之さん。
「三年B組金八先生」での演技は当時子供だった私には強いインパクトがあり忘れられません。
本作では、やさぐれたアウトローでありながら、一方で仕事に対しては真摯なプロフェッショナルでもあるサムの魅力を、軽妙かつ感情の篭った台詞で演じており、私の中ではサム=沖田さんという図式が成立するくらい適役だと感じました。
特に最終回のキャスト、スタッフ紹介で、もうすぐ録音が終わるからか、少しほっとしたような口調で話す沖田さんがとても印象的です。
この後、アドベンチャーロードの「ジグが来る」などの作品にも出演されていましたが、若くして他界されたのが本当に残念です。
きたろうさんもいいんだよな
また、サムの相棒であるヨーガの達人アクラム=シャラーンを演じている「きたろう」さんも中々のはまり役です。
きたろうさんは「アドリア海の復讐」でナレーションを、「なぞタクシーに乗って…」で主役を演じていらっしゃるほか、近年でも「放課後はミステリーとともに」に脇役として出演されているのですが、この作品のシャラーンは数あるきたろうさんの役の中でも特に印象的です。
名古屋局は印象的な作品が多い
本作は「名古屋放送局」の制作作品のようです。
地方局制作のものには意外にヒットが多い気がします。
地方局制作作品、注目です。
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