エアメール・スペシャル 作:富田康明(ふたりの部屋)

格付:B
  • 作品 : エアメール・スペシャル
  • 番組 : ふたりの部屋
  • 格付 : B-
  • 分類 : 旅とグルメ
  • 初出 : 1981年11月16日~11月20日
  • 回数 : 全5回(10分)
  • 原案 : 久保田早紀
  • 作  : 富田康明
  • 演出 : (不明)
  • 主演 : 久保田早紀

20歳にして世界的な写真コンクールのグランプリを受賞してから2年。
シンデレラに掛かっていた魔法は解けて、カメラも元のカボチャに戻ってしまった。
でもただのラッキーだった女の子で終わりたくはない。
だから彼に黙って海外へと旅だった。
あたし自身を見つめ直すために。



ラジオドラマというより朗読

本作品「エアメール・スペシャル」はNHK-FMの「ふたりの部屋」で放送されたラジオドラマです。
ただし、ラジオドラマと言っても、全編「サキ」なる女の子によるモノローグで進行し、出演者も主演の久保田早紀(現:久米小百合)さんだけ。
どちらかというと朗読に近い構成です。
ちなみに「ふたりの部屋」では、久保田早紀さん絡みでもう1作「ドゥ・ユー・ラブ・ミー」(1984年5月)が制作されているのですが、そちらは出演者が3人で、よりラジオドラマに近いものでした。

音楽アルバムとタイアップ?

なお、「朗読に近い」といっても元々原作がある作品ではありません。
久保田早紀さんといえば、1979年に「異邦人」で大ヒットを飛ばした歌手(シンガーソングライター)な訳ですが、その4thアルバムが1981年5月に発表された「エアメール・スペシャル」。
それとタイアップしたわけではないでしょうが、それをモチーフに脚本家の富田康明さんが書いたのが本作品の脚本のようです。
実際、本作品の作中では「ビギニング」(第1回)、「アンニュイ」(第2回)、「パノラマ」(第3回)、「サウダーデ」(第4回)、「レンズ・アイ」・「1999」(第5回)といった久保田早紀さんの楽曲が流れます(なぜかアルバム「エアメール・スペシャル」には収録されていない曲も含みます)。
その意味で久保田早紀さん「原案」といってよい作品だと思います。

かなりセンチメンタルではあるが

さて、大まかにいうと本作品は、自分探しの旅に出た「サキ」が、デュッセルドルフ、パリ、リスボン(アルファマ)で感じた物事を、彼にあてて書いたエアメール、という形で展開します。
挫折感から海外に自分探しの旅に出てしまうような女の子ですので、かなりセンチメンタル。
特に第4回の終盤のシーンは個人的には聴くのが一杯一杯の内容でした。
ただ、「スペインから」ほどではありませんが、全編に流れる海外らしい空気感は悪いものではありませんし、サキも最後には自分なりの生き方、方法論を見つけられたようですので、まあ良かった良かった、といったところでしょうか。

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