- 作品 : 遠い星からきたノーム~ディガーズ
- 番組 : 特集サラウンド・アドベンチャー
- 格付 : B
- 分類 : 幻想(海外)
- 初出 : 1993年5月1日
- 回数 : 全1回(60分)
- 原作 : テリー・プラチェット
- 脚色 : 成田勝也
- 音楽 : 天上昇
- 演出 : 千葉守
- 主演 : 塩沢兼人
取り壊されるデパートから、無人の石切り場へのエクソダス(出ストア)に成功したノームたち。
2度の目の冬を迎えるころには貧しいながらも生活は安定しつつあった。
しかし、ある日、人間が現れ、石切り場を再稼働させるための動きが始まってしまう。
ノームはいつまで人間から逃げ回らないといけないのか。
人間が追いかけてこないノームだけの場所が欲しい。
案じた一党のリーダー・マスクリンはついに星へ帰るための宇宙船を探すことを決意するのだが。
本シリーズ「遠い星からきたノーム」は、1993年1月、1993年5月、1994年1月の3回に分けて放送されたラジオドラマ作品であり、そのうちこの「ディガーズ」は第2部にあたります。
ただ、このシリーズ、放送時間が何分であったのか今一つ判然としません。
第2部の正確な放送時間が不明
具体的には、1993年1月に放送された第1部「トラッカーズ」が約120分であったのは確かなようです。
続いて1993年5月には「トラッカーズ」の再放送と、この第2部「ディガーズ」の新作放送がなされたのですが、これは合わせて180分の放送だったようです(NHKクロニクルによる。内訳はわからず。)。
普通に考えれば「トラッカーズ」120分、「ディガーズ」60分ということになりますが、ネットで検索すると「ディガーズ」を75分とする資料もあり、ひょっとしたら「トラッカーズ」の短縮版75分、「ディガーズ」75分の放送だったのかもしれません。
第3部の正確な放送時間も不明
さらにいうと翌1994年1月には1・2部の再放送と併せて、第3部「ウイングス」が放送されているのですが、NHKクロニクルではこれも3作品合わせて180分だったということしかわかりません。
5月1日の放送だけで180分ですので、この1994年1月の再放送分はどこかしら確実にカットされた短縮版のはずです。
そう思って手元の第2部の音源を聞いてみると何となく一部が切れている気もしますが、単に録音状態が悪いだけかも知れず、詳細はわかりません。
ちなみに今、私の手元にある音源は、第1部+第2部+第3部=120分+60分+60分=240分です。
正確なところをご存知の方がいらっしゃいましたら是非ご教示(そしてあるのであればカット前のバージョンをお聴きかせ)頂きたいものです。
主役はマスクリン?
さて、本作品は上記のとおり「遠い星からきたノーム」シリーズの第2弾です。
安住の地を追われたノーム(実は1万5千年前に宇宙からやってきた異星人の末裔)が、トラックを操縦して大脱出を敢行。
無事に新しい住処にたどり着いたところまでが前作のストーリーでした。
本作では、その石切り場も安住の地ではないことを痛感した主人公のノーム・マスクリンが星へ帰還するための宇宙船を探すために石切り場から旅立つのですが…
ここで思いがけない展開。
何と主人公マスクリンはここ(全60分のうち15分程度)で一旦退場。
以降は最終盤までこの「ディガーズ」には登場しません。
第1部の準主役級の登場人物(登場ノーム)であったガーダーやアンガロもマスクリントと同行するため登場しなくなります。
実質的にはドルカスとグリマ
代わりに第1部「トラッカーズ」で有力な仲間になったドルカス(演:塩沢兼人さん)や、マスクリンの恋人のグリマ(演:藤谷杲菜子さん)が主役的な活躍をします。
本当は作品全体の主役はマスクリンを演じる小松正一さんなのだと思いますが、この第2部に限った形で本記事冒頭の主演の記載は塩沢兼人さんとさせていただきました。
この塩沢さんの「ドルカス」、兄貴肌でさばけていて、一言でいうと「妖精作戦」の平沢千秋を彷彿とさせます(周りのキャラクターに振り回される感じも)。
塩沢さんと言えば(例えば「夏の魔術」や「サラマンダー殲滅」のような)神経質なキレ芸が有名ですが、こういう元気な役もいいものです。
ただ、藤谷杲菜子さん演じるグリマはなあ…
途中で凶暴化してしまって大暴走。
そもそも言動がハチャメチャで粗暴。
行動的な自立したヒロインを描きたかったのかもしれませんが、それならそれでもう少し描きようはあるでしょうに。
この描き方だと、むしろグリマが可哀そうです。
個人的には今ひとつ
で内容なのですが…
???
なんだか今一つ?
ひたすら石切り場周辺でバタバタしているだけで、第1部「トラッカーズ」にあったような冒険感がない?
うーんちょっと残念です。
ちなみに前回の「トラッカーズ」に引き続き、今作のサブタイトル「ディガーズ」も土木機械つながり。
この辺の風刺色は良いのですけどねえ。
そしてWingsへ…
さて、最後に続編「ウイングス」の紹介を。
実は作中で出番がなくなったマスクリンのその後を描いているのが第3部「ウイングス」。
つまり「ディガーズ」と「ウイングス」は時系列上では並行に進んでいる話になります。
物語から退場していたマスクリンがどこで何をしていたのか、それは「ウイングス」を聴いてのお楽しみです。
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