- 作品 : 恐怖の館・日本現代編
- 番組 : サウンド夢工房
- 格付 : A-
- 分類 : ホラー
- 初出 : 1990年8月20日~8月24日
- 回数 : 全5回(各回15分)
- 原作 : (下表のとおり)
- 脚色 : 高谷信之
- 音楽 : 高橋洋一
- 演出 : 伊藤豊英
- 主演 : (下表のとおり)
1990年の夏に「サウンド夢工房」という番組内で3週に亘って放送された「恐怖の館」。
「日本古典編」、「欧米編」に続く、最終週がこの「日本現代編」でした。
演出はまたまた変わって伊藤豊英さん。
音楽担当、脚本家も変わり、ナレーションを含め出演陣も総入れ替えですので、前2週とはまた異なる雰囲気の作品になっています。
回ごとに出演者が違う
特にこの「恐怖の館・日本現代編」の特徴は、作品内でも回ごとに出演者が入れ替わること。
主演が固定されている「不思議屋シリーズ」、「ライフシリーズ」を始めとして、通常、このようなオムニバス形式の作品は同じ役者さんが様々な役を演じます。
固定されていないまでも2020年でいえば「ストーリーボックス ザ・トーキョー」のように、ある程度重複するのが通常です。
しかし、本作品はひとりも重複なし。
贅沢な使い方です。
各回内容紹介
さて、それでは本作品で放送された各回の紹介をします。
すべて1回15分完結。
第5回の「山姥」のみ「作」とされており、脚本家・高屋信之さんのオリジナル扱いです。
原作 : 半村良
出演 : 内山森彦・野口早苗・七尾伶子・渡部猛
粗筋 : 遠洋漁業から帰ると妻は間男を引き入れ、先祖伝来の土蔵も荒れ放題だった。
一言 : 怖いというより気持ち悪い展開。でも結末はさほど気持ち悪くないのが不思議。
|
原作 : 山村正夫
出演 : 金田明夫・久松夕子・佐渡稔・岡坂あすか
粗筋 : 45年前、疎開先の高知で母が死んだ。あの5月の夜に一体、何があったのか。
一言 : 武者人形の復讐譚。現代編だがどことなく土俗的なにおいが漂う作品。
原作 : 村田基
出演 : 金田明夫・久松夕子・佐渡稔・岡坂あすか
粗筋 : 素晴らしい天気だが宅浪の身には関係ない。そういえば今日も雷鳴が聞えるな。
一言 : 「せいけつ教育委員会ホイホイ」の村田基さんの処女作。SFっぽい。
原作 : 手塚治虫
出演 : 樋口隆則・中村正・押切英希・田川靖子・斎藤隆・加賀谷純一・(あだちじゅんいち)
粗筋 : マフィアの鉄の掟を破ったタクヤは両腕切断というリンチに掛けられるが。
一言 : これもSFチックな作品のようだが、徐々に単なる復讐劇ではなくなっていく。
作 : 高谷信之
出演 : 増田未亜・今井和子・坂部文昭・(よしかわかずき)
粗筋 : 花火が散った後は完全な闇が訪れる。そうだ娘に母から聞いた話をしてみよう。
一言 : 中身はよくある山姥の話で「日本現代編」という感じではない。
(注)出演者の漢字表記は推測を含む。
第4回は数少ない手塚治虫原作
漫画の神さま・手塚治虫さん原作の作品は、ラジオ第一(R1・AM)時代の「連続ラジオ小説」で「火の鳥」が何作もラジオドラマ化されていますが、その後、NHK-FMでは意外と少なく「ネオ・ファウスト」(2000年「ガラスの地球を救え~手塚治虫のラスト メッセージ」)と「やけっぱりのマリア」(2012年「青春アドベンチャー」)以外では本作品で放送された「鉄の旋律」くらいしか思いつきません。
なお、各話ともナレーションはなく冒頭と最後の案内はNHKアナウンサー(当時)の広瀬修子さんが務めており、各話出演者が違う中で、ここだけが統一感があるつくりになってします。
【伊藤豊英演出の他の作品】
多くの冒険ものの演出を手掛けられた伊藤豊英さんの演出作品の記事一覧は別の記事にまとめました。
詳しくはこちらをご参照ください。
コメント