格付:B

格付:B

トゥー・ラブ・アゲイン~若き文学者たち 作:森治美(ふたりの部屋)

岡山県にある竹久夢二の生家に向かう途中に出会った、「29歳のおじんに片足を突っ込んだ」男性と、自称「20歳の大学生」の女の子。 ふたりは成り行きで、文学者に縁のある土地を巡る「文学の旅」で中国地方を巡ることになったのだが…
格付:B

手をつないだまま さくらんぼの館で 原作:令丈ヒロ子(青春アドベンチャー)

僕、学生作家のモドリ野颯太(もどりの・さった)は、入院した遠縁のおばあさんに代わって白桜館(はくおうかん)なる洋館を住み込みで管理することになった。 洋館と言っても木造2階建ての小さなもの。 大学休学中という暇な身にとっては、管理などお手のものだ。 そもそも、リア充高校生を主人公にしたお手軽な青春小説がいつまでも売れ続けるとは思えず、大学を休学して本格的に執筆に専念したいと思っていたところだったのだから、学生作家の身には不相応な平穏な執筆環境を手に入れられると思えば大歓迎、むしろ渡りに舟、まさに夢のような話だ。 でも平穏な生活は長くは続かなかった。 ある日突然、家原りりな(いえはら・りりな)と名乗る10歳の少女が現れたのだ。 彼女がいうには、りりなはおばあさんの孫で、そのおばあさんに白桜館に住むように言われたのだから、同じようにおばあさんから館の管理を任された颯大にはりりなを世話する義務がある、らしいのだが…
格付:B

どこかで家族 作:木皿泉(FMシアター)

多分、神様からのバチが当たったのだと思う。 あんなことを思ったからだ、こんなくそ面白くない場所、全部なくなれって。 まさか本当になくなってしまうなんて思っていなかった。 2020年夏。 なくなってしまったのは僕の故郷。そして家族の絆。 あれから9年になる。 久しぶりに会う「家族」にどんな顔をして会えばよいのだろう…
格付:B

ひょうたんから‘午’ 作:藤井青銅ほか(青春アドベンチャー)

太陽系第三惑星は文明が未成熟だ。 この惑星の文明が銀河連邦に加盟できるくらいに成熟するまで、慎重に監視を続けなければならない。 そう、われわれは銀河連邦の監視員。 動物の姿をしているのは地球人の目を欺くためだ。 だから「にょろん」と言っていても蛇(巳)ではないし、「ひひーん」と言っていても馬(午)ではない。 化ける動物を変えて12年で1周の持ち回りで分担していたら、監視にうすうす気が付いた人類が「干支」などという制度を作ってしまったようだが、そもそもわれわれは動物ではない。宇宙人なのだ。 さて、今年も監視員の引き継ぎの時期がやってきた。 この星の中でも特にいい加減な「日本」という国になにか大きな変化があったようだ。 ついに銀河連邦に加盟できるような精神的成熟を遂げたのだろうか。 今年の監視員に聞いてみよう。
格付:B

ステップを聴かせて 作:虎本剛(FMシアター)

「進藤聡太に走る資格なんてない!」 日本中から浴びせかけられたそんな罵声を、自分は甘んじて受けるしかなかった。 なぜなら自分自身がそう思っていたから。 だから「もう二度と走らへん」と決めた…ハズだった。 しかし、若くもなく何の取り柄もない自分にまともな職があるわけがない。 だから走ることを仕事にするしかなかった。 そう、あくまで仕事だ。しかも気の乗らない仕事…
格付:B

高倉酒店で会いましょう 作:葉月けめこ(FMシアター)

「角打ち」(かくうち)とは、北九州地域で見られる簡易な酒場で、酒店の一角に立ち飲みができるスペースをつくり酒店で販売している酒を酔客に供する店のことをいう。 ここ北九州・小倉の角打ち「高倉酒店」は、地元の老人が日中から酒を飲みに集まる老人のパラダイスだ。 今日も今日とて、老人たちが愚痴を言ったり叱ったり叱られたりしながら楽しく酒を飲んでいる。 そんなある日、この高倉酒店に目が覚めるような美女が現れた。 すらっとした背丈の彼女はメーテル似のまさに銀河系美女。 当然、常連の老人たちは色めき立ったのだが、最近、近所では老人が若い女に美顔器を売りつけられる詐欺があったばかり。 大丈夫なのか?
格付:B

河童の記憶 作:東憲司(青春アドベンチャー)

倉野香苗が河童に出会ったのは小学6年の夏休み。 父の故郷である山間の小さな田舎町に引っ越してきてすぐのことだ。 河童の名前はサーチャ。 サーチャは正確には河童ではなく、人間の子供の魂を基に作られた「河童もどき」。 サーチャがいうには、河童世界の奴隷である「河童もどき」は河童の中では最下層の存在だが、位の高い河童ともなると時を遡る神通力が使えるらしい。 実は香苗はある理由から昔から河童に会いたいと思ってきた。 河童の力で過去を遡り、香苗のために鉄道事故で帰らぬ人となった父を救いに行きたいと思い続けてきたのだ。
格付:B

辰のお年頃 作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

太陽系第三惑星、地球。 文明が荒っぽいことで有名なこの星を監視するため、銀河連邦は密かに監視員を派遣している。 文明が成熟し、晴れて銀河連邦入りを認められるその日まで、われわれは交代でこの星を監視し続けるのだ。 さて、今年も監視員の交代の時期が来た。 ウサギの姿で寡黙に地球を見守ってきた私シブヤ・コトノから、竜の姿でまたしても寡黙にこの星を見つめ続けるであろうヌクミズ・ヨウイチへの引き継ぎ。 相も変わらぬ政治経済状況が続いていることをすでに知っている「辰」ヌクミズは引き継ぎを適当に済ませようとしているようだが、こういうことはやはりきちんとしなければならない。 この星の未来がかかっているのだから。
格付:B

無印OL物語 原作:群ようこ(サウンド夢工房)

小説家・エッセイストの群ようこさんによる処女小説「無印OL物語」をラジオドラマ化した作品で、青春アドベンチャーの前番組である「サウンド夢工房」(1990年4月~1992年3月)で放送されました。 群ようこさんといえば、バブル期からバブル崩壊後10年程度の間、若い女性に絶大な人気を博した方です。 若い女性の「本音」を軽妙な文体に乗せ、エッセイに、小説に大活躍されました。 ちなみに群さんがエッセイストとしてデビューしたのが1980年代前半、初の単行本は1984年の「午前零時の玄米パン」。 そして小説家としてのデビュー作が本作品の原作である「無印OL物語」(1989年)と、その軌跡はまさにバブルの隆盛と軌を一にしています。
格付:B

日本のヤバい女の子 原作:はらだ有彩(青春アドベンチャー)

私は平成生まれ。 女だからこうしなさいと親に言われたことはなかったし、女だから損をしたと思うこともなかった。 だから、就職してみて初めて気がついた。 この国の女性に押しつけられている「女子」という役割に。 だから、どうしても知りたくなった。 現代でさえこんなに生きづらいのに、昔の女の子はどうしていたのかということを。 だから、会いに行くことにした。 昔話に登場するあの女の子たちに。
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