格付:B

格付:B

エアメール・スペシャル 作:富田康明(ふたりの部屋)

20歳にして世界的な写真コンクールのグランプリを受賞してから2年。シンデレラに掛かっていた魔法は解けて、カメラも元のカボチャに戻ってしまった。でもただのラッキーだった女の子で終わりたくはない。だから彼に黙って海外へと旅だった。あたし自身を見つめ直すために。
格付:B

ソラノムスメ 作:江口美喜男(FMシアター)

姉が死んでから半年。今でも母は4人目の食事の準備をしてしまうことがある。母はまだ姉の死を受け入れられない。でも、姉の死に囚われたままなのは僕も同じだ。亡くなった姉宛に届いた夏フェスのチケット。姉は誰とフェスに行くつもりだったのだろうか。そして、ようやく開くことの出来た姉のスマホのスケジューラーに入力された“BF”の文字。姉はあの事故のあった日、なぜ家ともバイト先とも違う方向に向かったのだろうか。
格付:B

ディス・イズ・ザ・デイ 原作:津村記久子(青春アドベンチャー)

日本サッカー2部リーグ、最終節。全国5会場で繰り広げられる熱戦の陰でサポーターたちの様々な人間ドラマが繰り広げられていた。お気に入りのチームにはもちろん勝って欲しい。でもそれだけではない。スタジアムに集う理由はさまざまだ。
格付:B

遠い星からきたノーム~ディガーズ 原作:テリー・プラチェット(特集サラウンド・アドベンチャー)

取り壊されるデパートから、無人の石切り場へのエクソダス(出ストア)に成功したノームたち。2度の目の冬を迎えるころには貧しいながらも生活は安定しつつあった。しかし、ある日、人間が現れ、石切り場を再稼働させるための動きが始まってしまう。ノームはいつまで人間から逃げ回らないといけないのか。人間が追いかけてこないノームだけの場所が欲しい。案じた一党のリーダー・マスクリンはついに星へ帰るための宇宙船を探すことを決意するのだが。
格付:B

トゥー・ラブ・アゲイン~若き文学者たち 作:森治美(ふたりの部屋)

岡山県にある竹久夢二の生家に向かう途中に出会った、「29歳のおじんに片足を突っ込んだ」男性と、自称「20歳の大学生」の女の子。ふたりは成り行きで、文学者に縁のある土地を巡る「文学の旅」で中国地方を巡ることになったのだが…
格付:B

手をつないだまま さくらんぼの館で 原作:令丈ヒロ子(青春アドベンチャー)

僕、学生作家のモドリ野颯太(もどりの・さった)は、入院した遠縁のおばあさんに代わって白桜館(はくおうかん)なる洋館を住み込みで管理することになった。洋館と言っても木造2階建ての小さなもの。大学休学中という暇な身にとっては、管理などお手のものだ。そもそも、リア充高校生を主人公にしたお手軽な青春小説がいつまでも売れ続けるとは思えず、大学を休学して本格的に執筆に専念したいと思っていたところだったのだから、学生作家の身には不相応な平穏な執筆環境を手に入れられると思えば大歓迎、むしろ渡りに舟、まさに夢のような話だ。でも平穏な生活は長くは続かなかった。ある日突然、家原りりな(いえはら・りりな)と名乗る10歳の少女が現れたのだ。彼女がいうには、りりなはおばあさんの孫で、そのおばあさんに白桜館に住むように言われたのだから、同じようにおばあさんから館の管理を任された颯大にはりりなを世話する義務がある、らしいのだが…
格付:B

どこかで家族 作:木皿泉(FMシアター)

多分、神様からのバチが当たったのだと思う。あんなことを思ったからだ、こんなくそ面白くない場所、全部なくなれって。まさか本当になくなってしまうなんて思っていなかった。2020年夏。なくなってしまったのは僕の故郷。そして家族の絆。あれから9年になる。久しぶりに会う「家族」にどんな顔をして会えばよいのだろう…
格付:B

ひょうたんから‘午’ 作:藤井青銅ほか(青春アドベンチャー)

太陽系第三惑星は文明が未成熟だ。この惑星の文明が銀河連邦に加盟できるくらいに成熟するまで、慎重に監視を続けなければならない。そう、われわれは銀河連邦の監視員。動物の姿をしているのは地球人の目を欺くためだ。だから「にょろん」と言っていても蛇(巳)ではないし、「ひひーん」と言っていても馬(午)ではない。化ける動物を変えて12年で1周の持ち回りで分担していたら、監視にうすうす気が付いた人類が「干支」などという制度を作ってしまったようだが、そもそもわれわれは動物ではない。宇宙人なのだ。さて、今年も監視員の引き継ぎの時期がやってきた。この星の中でも特にいい加減な「日本」という国になにか大きな変化があったようだ。ついに銀河連邦に加盟できるような精神的成熟を遂げたのだろうか。今年の監視員に聞いてみよう。
格付:B

ステップを聴かせて 作:虎本剛(FMシアター)

「進藤聡太に走る資格なんてない!」日本中から浴びせかけられたそんな罵声を、自分は甘んじて受けるしかなかった。なぜなら自分自身がそう思っていたから。だから「もう二度と走らへん」と決めた…ハズだった。しかし、若くもなく何の取り柄もない自分にまともな職があるわけがない。だから走ることを仕事にするしかなかった。そう、あくまで仕事だ。しかも気の乗らない仕事…
格付:B

高倉酒店で会いましょう 作:葉月けめこ(FMシアター)

「角打ち」(かくうち)とは、北九州地域で見られる簡易な酒場で、酒店の一角に立ち飲みができるスペースをつくり酒店で販売している酒を酔客に供する店のことをいう。ここ北九州・小倉の角打ち「高倉酒店」は、地元の老人が日中から酒を飲みに集まる老人のパラダイスだ。今日も今日とて、老人たちが愚痴を言ったり叱ったり叱られたりしながら楽しく酒を飲んでいる。そんなある日、この高倉酒店に目が覚めるような美女が現れた。すらっとした背丈の彼女はメーテル似のまさに銀河系美女。当然、常連の老人たちは色めき立ったのだが、最近、近所では老人が若い女に美顔器を売りつけられる詐欺があったばかり。大丈夫なのか?
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