格付別一覧

格付:B

白狐魔記 源平の風 原作:斉藤洋(青春アドベンチャー)

狐を狩る一方で、狐に騙されることを恐れてもいる。 そんな賢いと同時に愚かな、人間という不可思議な生物に興味を持ち、人間の言葉を覚えようと思い立った一匹の狐がいた。 そして、彼は、ある若武者に出会う。 崖を駆け下りていく鹿を指さし、「鹿も獣なら馬も獣。同じ崖を降りられないはずがない」と宣言し、自ら崖を騎馬で駆け下りていく、その若者の名は源義経。 彼の作り出した凄惨な戦場を目の当たりにして、狐は再び考え込む。 なぜ、彼は、そして彼ら人間は、そうまでして殺し合うのか。 後に「白狐魔丸」(しらこま・まる)と名乗ることになるその狐は、人間という不思議な生き物への興味を募らせていくのだった。
格付:A

妖怪博士と少年探偵団 原作:江戸川乱歩(アドベンチャーロード)

「…その頃、東京中の街という街、家という家では、ふたり以上の人が顔を合わせさえすれば、まるでお天気の挨拶でもするように、アイツの噂をしていました。アイツは20の全く違う顔を持っていると言われていました。…」 仄暗い街角にアイツの影が浮かんでは消える。 変幻自在、風のようなアイツ。 変装の名手であり、どんな場所に忍び込むことも、どんな厳重な警戒の中から狙った獲物を盗む出すこともお手のもの。 希代の名探偵・明智小五郎でさえも恐れる彼の名は「妖怪博士」、そしてまたの名を…
格付:C

少年探検隊 原作:池内紀(青春アドベンチャー)

ドイツ文学者でエッセイストの池内紀(いけうち・おさむ)さんの随筆「少年探検隊」をベースとする作品です。 「少年探検隊」というタイトルからは、少年がどこか遠くに出かけて大冒険をする、といった児童向きの文学作品が想像されます。 確かに本作品は児童文学を取り上げているのですが、タイトルから一見想像されるようなオリジナルのフィクション作品ではなく、大人向きの一種のエッセーです。
格付:C

少年漂流伝 作:松本雄吉(青春アドベンチャー)

2199年のオオサカシティ。 荒廃したスラム街で生きる少年タケルは、ある日、モンゴル人の少年・テムジンの心の声を聞く。 中国マフィアに誘拐されたテムジンを助けることを決意したタケルと仲間たちは、タケルとテムジンとの間のテレパシーを頼りに彼の姿を探し始めるが…
格付:B

南の島のティオ 原作:池澤夏樹(青春アドベンチャー)

ティオは珊瑚礁のある南の島に住む少年。 小さなホテルを営む父親と二人暮らしだ。 この長閑な島で、人々は自分のペースでのんびりと暮らしている。 そんなティオの周りで起こる事件は、少しだけファンタスティックで、どこかユーモラスなものばかりなのだ。
格付:AA

ウォーターマン 原作:松久淳・田中渉(青春アドベンチャー)

ウォーターマンとは海を愛し、海とともに生きる伝説のサーファー。 本作品は、ハワイの人々の憧れの存在であるウォーターマンたちの物語であり、彼ら彼女らと深い縁で結ばれた人々の物語。 人はウォーターマンと出会うことにより、多くの満ち足りた日常と、少しの奇跡に出会うのである…
格付:AA

海賊モア船長の遍歴 原作:多島斗志之(青春アドベンチャー)

大航海時代のインド洋。 そこは、イギリスとオランダ、そして東インド会社とムガール帝国の貿易船・軍船が縦横に行き交う、一大フロンティアだった。 イギリス人ジェームズ・モアは、東インド会社の貿易船で航海士を務める優秀な水夫だったが、海賊との内通を疑われて船を追われ、ようやく帰った母国では妻を亡くし、失意のどん底にあった。 そんなモアを再び海に誘ったのは昔なじみの水夫“大樽”。 彼の乗り組む海賊討伐船「アドヴェンチャー・ギャレー」へ水夫として乗り込むことにしたのだ。 しかし、一大決心をして乗り込んだ「アドヴェンチャー・ギャレー」は、何と最初の獲物すら捕らえないうちに海賊船への転身を余儀なくされてしまう。 海賊との内通を疑われて転落した人生。 再起をかけて乗った船で、本当の海賊になってしまうという皮肉。 モアは自分の人生に戸惑いつつも、仲間たちと共に生き残るために必死の行動を始める。 これは300年前のインド洋で数奇な運命をたどった一人の水夫の物語である。
格付:B

らせん階段 原作:エセル・リナ・ホワイト(青春アドベンチャー)

1902年のウェールズの片田舎。 人里離れたウォーレン家の屋敷で住み込みのメイドとして働くヘレンは、屋敷への帰り道、林の中に不審な人物がいるのを目撃する。 折しも、このウェールズとイングランドの国境付近では若い女性の連続殺人事件が起きていた。 あの人物は連続殺人事件の犯人なのではないか。 不安に襲われる中、ヘレンは屋敷に住む人々とともに屋敷に閉じ込められることになる。
格付:AA

ラジオの前で 作:北阪昌人(青春アドベンチャー)

出勤前のサーフィンが日課の若者。 妻を亡くして以降、娘との会話がなくなってしまった父親。 弟の不始末を償うために被害者に金銭を送り続ける男。 本当の名前を隠して強い女性を演じる弁護士。 どこにでもいる、でも言葉で気持ちを伝えることが少しだけ苦手な人たちの人生が、ラジオを通して少しずつ結びついていく。
格付:A

鷲の歌 原作:海音寺潮五郎(青春アドベンチャー)

江戸時代も末期を迎えつつある安政4年。 琉球国は糸満の漁師・赤人(あかひと)は、難破し流れ着いた土佐から江戸を経て、4年ぶりに故郷の土を踏んだ。 4年の歳月の中で、赤人には忘れられない言葉がある。 漁師出身でありながら米国から帰国して旗本に取り立てられたジョン万次郎の言葉。 「米国では能力次第でこのような出世は当たり前のこと。日本も変わりつつある。そして琉球も変わっていくはずだ。」 果たして、万次郎の予言のとおり、清国と薩摩藩による二重支配のなかで微睡んできた琉球にも変化が起きつつあった。 その変化は、糸満の漁師に過ぎなかった赤人をも巻き込んいくのであった。
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