少年(中高)

格付:AA

いざ行かむ 短歌甲子園へ 作:東多江子(FMシアター)

「短歌甲子園」の3人の代表に選ばれてしまった。学校の課題として何気なく提出した短歌が新任の校長先生の目に留まったらしいのだ。ピアニストになるという夢が挫折して以来、何の取柄もなくただ平凡な毎日を送る私。こんな私に短歌の才能なんてあるのだろうか。まさか課題を提出したのがこの3人だけだった…という訳でもないようだけど。でもやっぱりダメだ。肝心の短歌甲子園の今年のテーマは「音」なのだ。どうしてもピアノのことを思い出してしまう。こんな私、修次郎君や夏音の足を引っ張るだけに決まっている…
作品紹介の補足

近藤史恵さん原作「昨日の海は」の真相を妄想で勝手に補足する企画。真犯人は「○○の○」?

【ラジオドラマのストーリーを勝手に裏読みする企画・第2弾。「昨日の海は」について妄想がたどり着いた結論は?】最近、ランニング中にラジオドラマを聞き返すことが習慣になっています。ランニングの時間は、短いときで30分くらい、長いときは1時間半く...
格付:A

王妃の帰還 原作:柚木麻子(青春アドベンチャー)

滝沢さんのことを、私は心の中で「王妃」と呼んでおります。もちろんホンモノの王妃ではありません。キリスト教系の私立中学校といっても、所詮は現代日本。そのようなものがいるわけありませんから。でも、クラスの「トップ」に君臨する彼女は、私のような下層民の「地味子」からすると、やっぱり「王妃」なのです。それも、傲慢、横柄、荒ぶるマリー・アントワネット的な意味で。でも、今、そんな滝沢さんが、見たことがない姿を見せております。あの「王妃」がクラスメイトの前で号泣するなんて…
格付:A

唄娘 作:森脇京子(FMシアター)

「待ってぇ~、乗ります!乗りますからぁ~!」岐阜県は白山の麓にある小さな集落・君丈村(きみたけ・むら)のバス停。いつもぎりぎりにバス停に現れる民宿君竹屋の看板娘・君丈みさとを待って、バスが発車を遅らせるのは、もはやこの村の風物詩。乗客の老人たちも心得たものだ。君丈村は、みさとが通う高校までバスで1時間もかかる山間の集落。みさとはこの小さな集落で、周囲の大人たちの暖かい目に囲まれて育ってきた。しかし、最近悩んでいる。実は高校を卒業したらこの村を出て行きたい。自由な社会で精一杯生きてみたい。でも、母は、祖父は、そして村のみんなは、みさとが民宿を継ぎ、神事で村の民謡を唄う「唄娘」をも受け継いでくれることを期待している。もう高校3年生だ。でも、みさとはまだ迷っている。
格付:A

エヴリシング・フロウズ 原作:津村記久子(青春アドベンチャー)

ヤマダヒロシは大阪市大正区に住む中学3年生。両親は離婚していて、オカンとふたり暮らし。絵を描くことだけは結構、自信があったけど、それも昨年の写生大会で、クラスの地味目な女子に完敗してからすっかりやる気がなくなってしまった。やたらと高圧的な優等生、無口で悪い噂のあるでかい男、なぜか威圧してくる女子、そして例の絵のうまい女の子。新しいクラスも苦手な奴ばっかりだ。こんなことで、1年間を乗り切れるのだろうか。自分は、運河と海に囲まれたこの埋め立て地から一生抜け出せないのではないだろうか。
格付:A

学問ノススメ-挫折編 原作:清水義範(サウンド夢工房)

「いいかぁ! これからの1年だ! この1年の過ごし方で、胸を張って生きていけるようになるか、敗北感を持って生きていかなきゃならんのかが決まる。お前等、こんなにやりがいがある時はない!」壇上で予備校の教師が、がなりたてている。何でこんなことになってしまったんだろう。そう、キビオカ大学の入学試験で、あんな問題さえ出でなければ、今頃は楽しいキャンパスライフを満喫していたはずなのだ。青春真っ盛りの時期なのに、1年間も浪人生なんていう憂鬱な立場で過ごさなければならないなんて。
格付:AA

泥棒をつかまえろ! 原作:オットー・シュタイガー(アドベンチャーロード)

担任の先生や級友たちと一緒に行ったクラス・キャンプ。天気にも恵まれ、途中まではなかなかご機嫌なキャンプだった。しかしキャンプ費用の600フランがそっくり盗まれるという事件が発生して雲行きが怪しくなる。当初はクラスメイトの誰かの犯行と思われたのだが、誰ひとりとして犯人だと名乗り出るものはいない。重苦しい雰囲気の中、やってきた警官は思い掛けないことを言い出した。曰く、「今、イタリア人の悪漢、カネヴァリという男が近くにやってきている。その男が犯人に違いない。」曰く、「カネヴァリが潜伏している場所は大体わかっているが、警察は他の事件で忙しく、すぐには動くことが出来ない。」曰く、「相手はひとりだ。自分たちでお金を取り返したらいいのではないか。上手くいったら大手柄だ。」これは自分たちの金を取り返すための正当な行為だ。彼らはカネヴァリの潜伏先へと乗り込むのだが…
格付:AA

都会島のミラージュ 作:寺田憲史(青春アドベンチャー)

何かに急き立てられるかのようにたどり着いた街・ニューヨーク。しかし、予備校を入れると8年近く勉強してきた英語は全く通じない。そして、到着早々に、荷物の全てと有り金の半分を盗まれてしまった。日本でのぬるま湯の生活に慣れきった自分にとって、確かにここでは人が冷たかった。それでもやっとたどり着いたマンハッタンの夜景は、俺の目には手招きしているように優しく映った。昔、父さんが殺されたニューヨーク。今日からここでの生活が始まる。
格付:A

逢沢りく 原作:ほしよりこ(青春アドベンチャー)

私は他の女の子たちとは違う。勉強はできるし、人の気持ちもわかる。友達からは「モデルになればいい」なんて言われる。他の子たちより一段高い位置にいるのが当たり前だったし、これからもそうだろう。家族だって完璧。社長をしている素敵なパパと、料理上手で完璧主義のママ。だから、「あの、手のかかる」ママが私に何をして欲しいかは手に取るようにわかるし、パパが会社の女の人と浮気をしていても別に悲しくはない。勘違いしないでほしい。私はまるで蛇口をひねるかのように涙をこぼすことができる。でも、私には「悲しみ」が何だかはさっぱり理解できない。
格付:A

昨日の海は 原作:近藤史恵(青春アドベンチャー)

大江光介は、四国の寂れた町・磯ノ森(いそのもり)に両親と3人で暮らす少年。進学校に入学したころから「将来は磯ノ森を出ていくかも知れない」と漠然とは思っていたが、他人に誇るものも、他人から隠さなければいけないものも、いずれも持っていない、ごくごく平凡な高校生…だと思っていた。しかし、母の姉である芹(せり)伯母さんが東京から戻ってきたときに、芹の両親、すなわち光介の祖父母が実は心中で他界していたことを知ってしまう。光介にとっては噂でも聞いたことがなったが祖父母の心中事件。しかし、それが噂にならなかったのは、地元の人間なら誰でも知っていることだったからなのだ。そしてそれを契機に、光介は周りの人達が心中事件について胸に秘めていた思いを知るようになる。
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