青春アドベンチャー30年近い歴史の中で、一度しか(初出直後の夕方の再放送を除く)放送されなかった作品を、初出年代ごとに3回に分けて紹介してきました。
最後に、未再放送作品(再放送されていない作品)がどのように積みあがってきたのか、グラフにしてみると以下のとおりです。
1990年代だけで未再放送・100作品
まず当然ながら1992年4月の番組スタート時には未再放送作はない(サウンド夢工房など前身番組は含めなかったため)のですが、その後順調に積みあがっていきます。
1993年初頭や1996年中ごろなど再放送が集中し、消化が進んだ時期はあるものの、1990年代はほぼ一貫して新作が多く、再放送されていない作品が溜まっていきました。
(その1)で書いたように、この時期は特に人気のあった作品だけが1年程度あとに再放送されることが一般的でした。
その結果として1999年12月末時点で再放送されていない作品は早くも100作品に達しました。
毎年約13作品のペースで上乗せされていたことになります。
2000年代は比較的均衡
しかし、(その2)でも書いたとおり、2000年代に入り新作の制作が減少し、再放送が増加。
2003年ごろをピークに2004年・2005年に未再放送作品の消化が進みました。
その後2006年にまた未再放送作品が増加するものの、2008年・2009年と再び再放送が増加し、またしてもストックは一時減少します。
2010年代は再びストック増加
ただし、2011年以降、(その3)のとおり再び新作の放送が再放送を上回る状況が顕著になり、どんどんと未放送の作品が積みあがって現在に至っています。
2020年は一時的にストックが減少していますが、これは新型コロナ禍という特殊な状況を背景に、5月と12月の2回に亘って行われた「一日で聴く青春アドベンチャー」という特集番組の影響が大きく、レギュラー放送では引き続き新作が多い状況です。
結果、2021年末現在で一度も再放送されていない作品は全456作品中206作品、実に約45%に及びます。
やはり配信しかないでしょ
さて、ここまで青春アドベンチャーの再放送についてふり返ってきました。
青春アドベンチャーは今でも放送の1週間後までしか聞き逃し配信をしていませんし、NHKオンデマンドで聴く事はできません。
一部CD化され発売された作品もありますが、ごく例外。
新作が盛んに放送されるのは嬉しいことです。
しかし、一度放送されただけで(公式には)二度と聴くことができない作品があまりに多すぎます。
新作を制作しつつ、過去作を聞けるようにするにはもう配信体制を整備するしかありません。
色々難しい問題はあろうかと思います。
個人的には一度放送されただけで消えてしまう儚さに惹かれる気持ちもあるのですが、多くの方にオーディオドラマの魅力を知っていただくことがこのブログの最大の目的です。
NHKのスタッフの皆様に是非とも恒久的な配信体制を構築して頂くことをお願いして、この記事を締めたいと思います。
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