青春アドベンチャーの配役は誰が決めているのか

青アドの小ネタ

みなさん、こんにちは。
どうも最近、ラジオドラマの作品紹介ではない記事が続きますが、今回も気軽な雑談風の記事です。
近日中にまた作品紹介中心のブログに戻りますので、ご容赦ください。

どうやってキャストを決めているか

さて、このブログではNHK-FMのラジオドラマ番組「青春アドベンチャー」等で放送された作品を紹介しています(「はじめに」をご参照ください)。
青春アドベンチャーは、毎週月曜日から金曜日、夜10:45から11:00までの時間で放送されている番組で、通常全10回(2週間)で一つの作品が放送されます。
実は放送される作品のうちの半分くらいは再放送なのですが、それでもこのペースだと1月に1作品程度のペースで新作のラジオドラマを作り続けなければいけません。
テレビドラマやアニメに比べればラジオドラマは随分と簡単につくれるとは思いますが、それにしても原作を選択し、脚本を作り、キャストを選び、収録をし、編集等をすることを考えると結構なハイペースです。
となると気になるのが、いったい誰がどのような方法でキャストを決めているのか、です。
NHK第一(AM)で放送している「新日曜名作座」のようにキャストが固定している番組ならともかく、青春アドベンチャーは毎回キャストが変わります。
毎月、関係者を集めてオーディションなどをして相談して決めていたらとても大変です。

出演者の証言・その1

実は、この疑問に関しては、選ばれたキャストの方からの証言があります。
以下のURLは、一時期、保科義久さん演出作品を中心として多くの青春アドベンチャー作品に出演されていた織田優成さんのホームページです。
織田さんの青春アドベンチャーでの代表作といえば、「タイムスリップ」シリーズや「アクアリウムの夜」、「精霊の守り人」といったところでしょうか。

(外部リンク)http://homepage3.nifty.com/nopage/data/animex021.html(←残念ながらリンク切れ)

このホームページによれば、青春アドベンチャーの場合、オーディションをするわけではなく、単純に担当ディレクター(演出)が決める、と明言されています。
確かに毎月1回オーディションをやっていたら大変なことになってしまいますよね。
それとここで気になるのはディレクター(演出)が決めると言っていること。
テレビドラマであればキャスティングはむしろ主にプロデューサーの仕事なのではないでしょうか。
これも1か月に1回のペースだとプロデューサーはやっていられないので、個々の作品のディレクターに任されているということなのだと思います。

出演者の証言・その2

ディレクターが選ぶということについては、他の出演者さんからも証言があります。
以下のURLは、「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズや、ライフシリーズ、「ゼンダ城の虜~完結編・ヘンツォ伯爵」などにご出演の内田健介さんのブログです。

(外部リンク)http://ameblo.jp/uchiken5/entry-11301268968.html

「ラジオドラマではディレクターがキャスティングする」と明言しています。
ただし、内田さんが「おいしいコーヒーのいれ方メモリーズ」の中の対談で語っているところによれば、内田さんの代表作「おいしいコーヒーのいれ方」に関してはきちんとオーディションをやったのだそうです。
これは当初から大作としてシリーズ化することが決まっていたからだと思われます。
恐らく通常はディレクターの知見とコネクションの範囲内で、ディレクターが主導的に決めているが、例外的にオーディションをやることもある、というあたりが正解なのではないでしょうか。
なお、以下の内田さんの記事にもオーディションのことが書かれています。
この記事は、役者になる前から青春アドベンチャーのファンだったという内田さんのラジオドラマ愛があふれている記事で、とても好感が持てますね。

(外部リンク)http://ameblo.jp/uchiken5/entry-11257774394.html
(外部リンク)http://ameblo.jp/uchiken5/entry-10678333280.html

ディレクターが決めるのであれば

いずれにしろ、キャスティングをディレクター主導で決めているため、結果としてディレクターごとに、起用する出演者のカラーに差が出てきます。
例えば「北壁の死闘」、「五番目のサリー」、「ジュラシック・パーク」などを演出した川口泰典さんの演出作品は元宝塚の女優さんを多用しているのが特徴です(川口さんの演出作品の一覧はこちら)。(※追記参照)
その他、渡辺いっけいさんや上川達也さんなど有名劇団の看板俳優さん(後にTVでも活躍)も多い印象ですね。
一方、保科義久さんの演出作品は、「王の眠る丘」、「イカロスの誕生日」、「タイムスリップ」シリーズなど、アニメで活躍されている専業声優さんを起用することが比較的多い印象です(保科さんの演出作品の一覧はこちら)。

アニメ声優さんの起用について

このブログでは、「ルパン三世声優が出演した作品」や「機動戦士ガンダム声優が出演した作品」、「めぞん一刻声優が出演した作品」などの特集記事を書いているので、青春アドベンチャーにアニメ声優さんが沢山出演されているという印象をもたれるかも知れませんが、特定の演出家の作品以外では意外と少ないのです。
最近では「二分間の冒険」、「やけっぱちのマリア」、「エイレーネーの瞳 シンドバッド23世の冒険」、「いまはむかし~竹取異聞~」などを演出された木村明広さんが、アニメ声優の起用に積極的であるように感じます。
ちなみに、2014年現在で最も多くの作品を担当されている藤井靖さんのキャスティングはオーソドックスで万遍ない印象受けます。

情報交換?

その他、演出家さんに関係なくいろいろな作品に出演される方(最近では今井朋彦さんなど)もいるのをみると、プロデューサーを通じたり、あるいは直接にディレクター間で情報交換もしているのかも知れません。
キャスティングはいろいろ大変だと思いますが、是非、作品にあった方を的確にキャスティングして頂きたいものです。

なお、青春アドベンチャーのディレクター(演出)さんについては、こちらでも特集記事を書いています。
是非、併せてご覧ください。


※2015/10/6追記
2015年9月23日に放送された「今日は一日ラジオドラマ三昧」に川口泰典さんがゲスト出演され、青春アドベンチャーにおけるご自身のキャスティング方針を語られました。
それによれば、

  • 配役は演出担当によって千差万別
  • 川口さんは男優については小劇団の役者さんを選んだ。理由は声がしっかり出ること、派手で勢いのある芝居をしていること。
  • 女優については元宝塚の女優さんを選んだ。理由はやはり派手な演技がさまになること。

とのことで、青春アドベンチャーでは迫力がある冒険活劇をやりたいという川口さんの意向を前提としたキャスティングだったそうです。
その結果、後に有名になる多くの若手を起用することになりました。
山西惇さんは川口さんのことを「恩人」と称しています。

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