ドラマ古事記~愛憎篇 作:市川森一(特集オーディオドラマ)

格付:B
  • 作品 : ドラマ古事記~愛憎篇
  • 番組 : 特集オーディオドラマ
  • 格付 : B
  • 分類 : 歴史時代(日本)
  • 初出 : 2007年11月17日~11月24日
  • 回数 : 全2回(各回50分)
  • 作  : 市川森一
  • 音楽 : 小六禮次郎
  • 演出 : 真銅健嗣
  • 主演 : 石坂浩二

勅命を受け、語り部の稗田阿礼(ひえだ・の・あれ)の語る古事を木簡に書き留め続ける太安万侶(おお・の・やすまろ)。
それは勅命を受けたかけがえのない仕事であると同時に、太安万侶にとっては極上のエンターテイメントでもあった。
阿礼の語る物語はいよいよ仁徳天皇の御代に入り、偉大でありながら人間臭くもある天皇(スメラミコト)たちの愛憎劇が演じられる。
それに一喜一憂する安万侶だが、国家の形を作るための堂々たる国史を望む右大臣・藤原不比等との意識のずれは広がるばかりだった。
権力者・不比等に疎まれてしまった安万侶と古事記の運命や如何に。


2005年から1年に1作ずつ制作された市川森一さん脚本の「ドラマ古事記」も、2005年の「神代篇」、2006年の「まほろば篇」に続き、この「愛憎篇」(前篇・後篇に分けて2週にわたって放送)をもってついに完結しました。
この3作品は完全につながったひとつのストーリーになっており、これを3年もかけて完結に導いた演出の真銅健嗣さんを始めとするスタッフのご努力にまずは拍手を送りたいと思います。

時代は下り…

さて、本作品は前作、前々作と同様に、国史編纂を巡る安万侶と阿礼そして不比等の物語と、阿礼が語る劇中劇である天皇や皇子たちが巻き起こした事件の話(いわゆる「古墳時代」の歴史)が、同時に進行します。
今回、阿礼が語る天皇らの中でも主人公格なのが、仁徳天皇と雄略天皇。
そして「愛憎篇」の名のとおり、恋の話や皇位継承を巡る骨肉の争いが主な内容です。
仁徳天皇の有名な竈の煙の話や、雄略天皇の血みどろの皇位継承、そし兄弟間での権力争いや兄妹なのに愛し合ってしまった皇子と皇女など、多くのエピソードがつづられていきます。

人間臭い話

「神代篇」や「まほろば篇」が超古代または古代を舞台とし、主人公たちも神々やその子孫、内容も国産みから始まるファンタジックな話ばかりだったのに対し、「愛憎篇」にでてくるスメラミコトたちの行動は随分と人間臭いものです。
正直言って、天の岩戸の前で女神が踊る話や、荒唐無稽な超常の力が発揮される話より、陰謀劇の顛末を語る話の方が聞き入ってしまうのは私が俗物だからでしょうか。
いずれにせよ、個人的には本作品の劇中劇が3作品の中では一番、肌に合った内容でした。
また、国史編纂を巡る飛鳥時代のパートも、全くストーリーが進まなかった前作「まほろば篇」とは打って変わって一応の結末を迎えるところまで何とか進むことができており、こちらも好印象でした。
それでも随所に歌が入ったり、詩の朗読風の部分があったりするなど、ミュージカル的な色も濃く、やはり人を選ぶ作品であることは確かだと思います。

キャストは継続

さて、主な出演者は前作、前々作と同じ、石坂浩二さん(安万侶)、戸田恵子さん(阿礼)、そして江守徹さん(藤原不比等)のお三方。
前作までと同様に、石坂さんが劇中劇でも多くの役を担当されているのに対し、戸田さんはその役回りは少なく、江守さんに至ってはほとんど劇中劇パートには出演されいません。
その他には石田太郎さん(有頂天家族1985年のクラッシュギャルズなど)や広瀬彩さん(失われた地平線封神演義 第2部 朝廷軍の逆襲など)といった青春アドベンチャーではベテランともいうべき出演陣が脇役を固めています。

スタッフも継続

最後にスタッフですが、まず脚本は大河ドラマ「黄金の日々」などど手がけ、タレントとしても有名だった市川森一さん、演出は前に述べたとおり真銅健嗣さんです。
それになにより印象的なのは作曲家・小六禮次郎さんが作った音楽
このブログでも何度も紹介しているとおり、青春アドベンチャーは既存の楽曲を使う作品が多いのですが、やはり本作品のようなオリジナル曲の作品は良いですね。

結末は如何に

それはともかく、安万侶は無事に古事記を書き上げることができるのか、安万侶と阿礼の関係は何らかの決着を見るのか。
その辺は本編を聞いてのお楽しみとしましょう。
まあ史実は決まっているので「古事記はできませんでした」という結論がありえないのはわかりきっていることではありますが。


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