ドラマ古事記~まほろば篇~ 作:市川森一(特集オーディオドラマ)

格付:C
  • 作品 : ドラマ古事記~まほろば篇~
  • 番組 : 特集オーディオドラマ
  • 格付 : C
  • 分類 : 歴史時代(日本)
  • 初出 : 2006年11月18日~11月25日
  • 回数 : 全2回(各回50分)
  • 作  : 市川森一
  • 音楽 : 小六禮次郎
  • 演出 : 真銅健嗣
  • 主演 : 石坂浩二

太安万侶(おお・の・やすまろ)と稗田阿礼(ひえだ・の・あれ)による国史の編纂は、神代の部分を終了し、いよいよ初代天皇の時代へと移っていく。
伝えられてきたまま、聴いたままを古事記としてまとめようとする二人と、国史を天皇の権威づけに利用せんとする右大臣・藤原不比等(ふじわら・の・ふひと)との溝は徐々に深まっていくが、ふたりはそれをものともせずに古事記の編纂を続ける。
阿礼とその一座の手により、安万侶の前に、古代日本の英雄たちと、まほろばの様々なことどもが姿を見せる…


本作品「ドラマ古事記~まほろば篇~」は、映画「異人たちとの夏」(ラジオドラマ版はこちら)の脚本家であり、テレビのコメンテーターとしても有名だった脚本家・市川森一さんが脚本を書いたオリジナルラジオドラマで、前年に放送された「ドラマ古事記~神代篇~」の続編です。
「特集オーディオドラマ」と銘打たれて、2週にわたって50分×2回で放送されました。

前作同様二元中継

さて、本作品は、前作と同様に、阿礼らが語り演じるはるか昔の出来事と、その出来事を安万侶が木簡に記載していく奈良時代初期の出来事の、二つの時間軸の物語が同時に描かれる作品です。
前作も、このふたつのパートのうちどちらかというと前者のパートの占める時間が長い作品だったのですが、本作品は一段と前者のウェイトが大きい作品です。

伝説の時代

本作品で阿礼一座が語るのは、初代天皇(スメラミコト)の時代から、日本武尊(やまとたける)を経て、神功皇后の時代までです。
「神話」の時代から「歴史」の時代への端境、言い換えるならば「伝説」の時代が描かれており、様々な英雄たちの冒険が描かれていきます。
この部分は、阿礼とその一座が歌舞音曲と共に語っていることになっており、ラジオドラマとしては小六禮次郎さんの音楽や久保和範さんのバリトン独唱を活かしたミュージカル風な演出がなされています。

ただただ受け入れるのみ?

英雄物語ということでとっつきやすいかとも思って聞き始めましたが、実際にはミュージカル風の演出や、突飛なストーリーでやや聴く人を選ぶ作品になっていると思います。
ただ、突飛なストーリーという面については、本作品の冒頭で、戸田恵子さん演じる稗田阿礼自らが「これは物語ですらない。ただぼんやりと空ゆく雲や風の行方を見ているのだと思しめし下さりまするよう」といっているとおり、古事記本来の持ち味なので仕方がないところではあります。
そうはいっても、私自身も、古事記のストーリー自体にあまり興味がわかないタイプであり、どちらかというと、安万侶や阿礼、そして不比等の登場する後者のパートを多くして欲しかったところでした。
そのため、本作品の構成はちょっと残念でした。

ギャンブル

本作品を演出されている真銅健嗣さんの演出作品は、「封神演義」、「蜩ノ記」、「闇の守り人」など大好きな作品も多いのですが、「ごくらくちんみ」や本作品など、どうもなじめない作品も同じくらい多く、個人的には聴くのがなかなかギャンブルな演出家さんです。

奈良時代パートに大きな進行なし

なお、今まで述べたとおり後者のパートが少ないだけあって、本作品では古事記編纂に伴うドラマに大きなストーリー上の進捗はありません。
そのため、続きを知りたければ、さらに翌年に放送される第3部「ドラマ古事記~愛憎篇~」を待たなければいけなかった訳ですが、1年間待たせるには本作品はあまりにも中途半端な終り方だったと思います。

前作と同じ主要キャスト

さて、本作品のメインとなる出演者は全作品と同じです。
太安万侶役の石坂浩二さんや、稗田阿礼役の戸田恵子、そして藤原不比等役の江守徹さん、そして語りは元NHKアナウンサーの加賀美幸子さんなどです。
このうち石坂さんと戸田さんは、阿礼が語る古代の物語でも多くの役を担当されています。
ちなみに前作品で特別出演?していた森繁久彌さんは本作品では登場しません。
これに加えて、石田太郎さんや沢りつおさんといった青春アドベンチャーでは常連のバイプレイヤーさんが出演されています。

意外と登場、藤原不比等

ところで本作品の準主役である藤原不比等。
実は不比等こそが律令国家・日本をグランドデザインした立役者という評価もあるようですが、教科書レベルでは、なぜか父親の藤原鎌足(中臣鎌足)や、子孫の藤原道長と比較して、事績があまりはっきりと述べられていません。
しかし、青春アドベンチャーでは意外と登場することが多い人物で、本作品と「いまはむかし~竹取異聞~」の2作品に亘って登場しています。
鎌足(645~大化の改新・青春記)や、道長(小袖日記夢源氏剣祭文)と比較しても勝るとも劣らない登場頻度です。
この辺は、青春アドベンチャー、意外とやるじゃん、と感じます。


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