サマルカンド年代記 原作:アミン・マアルーフ(青春アドベンチャー)

格付:B
  • 作品 : サマルカンド年代記
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : B
  • 分類 : 歴史時代(海外)
  • 初出 : 2010年10月18日~11月5日
  • 回数 : 全10回(各回15分)
  • 原作 : アミン・マアルーフ
  • 脚色 : 横山玲子
  • 音楽 : 田頭勉
  • 演出 : 保科義久
  • 主演 : 今井朋彦、宮本充

11世紀のペルシャに3人の男がいた。
一人は、天才学者にして大詩人。万能の才を持ちながら栄達を求めず、学問と詩と酒に生きるオマル・ハイヤーム。
もう一人は、セルジューク朝ペルシャの大宰相にして、高い理想と強権的な政治手腕を自在に操り巨大な帝国を動かすニザーム。
最後は、下層階級の生まれで、強い信仰心と現世に対する強い改革意欲をもち、狂信的な手段で理想の社会の実現を図るハサン。
この作品は、同じ時代に同じように優れた頭脳を持ちながら、全く違う道を歩んだ3人の物語であり、その3人の物語が記されたオマルの著書「ルバイヤート」を800年後の19世紀末に再発見するアメリカ人・ベンジャミンの物語である。



全15回・2部構成

本作品「サマルカンド年代記」は全15話の比較的長い作品ですが、構成としては第1話から第10話までがオマル・ハイヤームを主人公とした11世紀の話、第11話から第15話までがベンジャミン(ベンジャミン・オマル・フランクリン)を主人公とした19世紀の話となっており、2部構成の作品です。
第1部で第2部の主役のベンジャミンがナレーションをしていたり、第2部のルバイヤートの一節を読むシーンなどで第1部の登場人物達の台詞がでてくる場面はあります。
しかし、第1部と第2部では800年の時間差があり、基本的には登場人物は別々で、事実上ふたつの話の集合体です。

第1部は3人の主人公

主人公オマルは、夢である天文台の設立と新しい暦の制定のために諸国を遍歴し、権力者ニザームと野心家ハサンとの衝突に巻き込まれながらも、長い苦難の人生を四行詩とともに生き抜いていきます。
オマルは無宗教に近く、現代日本人の目から見ると自由な精神の持ち主と写るのですが、当時の常識から見ると異端者であり、有り余る才能を生かしきることができません。
また、政争に敗れ非合法な手段に手を染めていくハサンも、国家を思う大政治家ではあるものの中世的あるいはオリエント的な後ろ暗さを併せ持つニザームも、最終的には歴史のうねりの中に飲み込まれていきます。
誰の生き方が正しいというわけではなく、それが歴史というものなのでしょうか。

個人的に気になった点

本作を聞いていて少し気になったのが、全体が駆け足であることと、物語が全般的に西洋的な視点から描かれていることです。
前者については第1部だけでもオマルの若い日から晩年までの長い時間を描いており、実質的に主人公が3人ですので、全体的に駆け足で説明的な場面が多いと感じました。
この辺はむしろ原作を読んで補完してみたいところです。
また後者については、第1部の「ニザール派=暗殺教団=悪」というのはフィクションとして話を盛り上げるために必要不可欠だから仕方ないとして、特に第2部のイラン立憲革命のあたりは「民主化=善」という西洋的な単純な図式で描かれており、(私自身も民主化がよいことだとは思いますが)違和感を感じました。
この第2部をオマルが見たらなんていうだろうな、というのが正直な感想です。

舞台役者2名の安定感

さて、出演者は第1部の主人公オマル役が青春アドベンチャーでは常連の今井朋彦さん。
第2部の主人公ベンジャミン役が宮本充さん。
文学座の今井朋彦さん劇団昴の宮本充さんという渋い組み合わせです。
さすがに演技は安定感抜群です。

【保科義久さん演出の他の作品】
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