氷山の南 原作:池澤夏樹(青春アドベンチャー)

格付:B
  • 作品 : 氷山の南
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : B
  • 分類 : 冒険(山岳海洋)
  • 初出 : 2012年10月8日~10月26日
  • 回数 : 全15回(各回15分)
  • 原作 : 池澤夏樹
  • 脚色 : 入山さと子
  • 演出 : 藤井靖
  • 主演 : 田島優成

2016年、交換留学でニュージーランドに来ていたジンは、自らの枠を打ち破るために、「氷山利用アラビア協会」の船・シンディ・バード号に密航する。
シンディ・バード号は南極から氷山を曳航し、砂漠に灌漑用の水を提供するために南極へ向かうのだ。
密航は早々に見つかってしまったが、ジンはどうにかそのまま船に残ることを許される。
そして彼は、プロジェクトのスポンサーや責任者、同情する船員や科学者といった大人達の間で様々なことを学ぶ。
プロジェクトは成功するのか。
ジンは自らのなすべきことを見つけることができるのか。



本作品「氷山の南」の原作者である池澤夏樹さんは、ご自身が芥川賞作家であるとともに、芥川賞の選考委員もされていた小説家・詩人の方で、青春アドベンチャーでは過去「南の島のティオ」が取り上げられています。
ちなみに娘さんである池澤春菜さんは同じ青春アドベンチャー内で放送された「これは王国のかぎ」に主役で出演しています。

ビルディングスロマン

本作は船上及び南極圏を舞台にした、少年から青年へと成長していくジンの冒険物語・成長物語です。
公式のホームページの粗筋には「南極圏の大自然、多様な文化的背景を持つ登場人物たち、最先端の科学技術、そしてスピリチュアルな世界への目覚め。」とあります。

スピリチュアル?

私は「スピリチュアル」という言葉に若干のアレルギーがあります。
本作も中盤のアボリジニの主張のあたりでは、理性より感覚重視のセンチメンタルな話になりかかり、大丈夫かなと危惧したのですが、最終的には「精神世界万歳!」という結論になることはなく、あくまで青年の成長の一過程としての扱いにとどまっていたため、ほっとしました。
むしろ、作品中に南極の氷山や水資源の枯渇、航海という特殊な状況における人々の心理状況など、科学的な部分も多く興味深く聞けました。

環境保護団体といっても

また、私、環境保護の理念には大賛成なのですが、同じ青春アドベンチャー系列の作品である「遠い海から来たCOO」、「オペレーション太陽(ソル)」も含めて作中に出てくる環境保護団体?の方々には、どうもあまり親近感がもてません。
本作品に登場する”アイシスト”なる人々の主張にも説得力は感じませんでした。

物足りない部分

その他、ジンの恋愛の話など青春物語の側面や、自然との闘い・人と人との争いなど冒険物語の側面もあり、楽しめます。
ただ、自分の枠を打ち破るために船に乗ったはずのジンが、最終話まで「目撃者」という立場に終始し、プロジェクト推進側の立場にも反プロジェクトの立場にも積極的に関与することを避けていたからか、主人公の成長物語としてはやや物足りなく感じました。

主演の田島優成さん

主役のジン役は田島優成さん。
ご本人のブログ(※:追記参照)を読むと本作がラジオドラマ初出演のようですが、若いとはいえさすがにプロの役者さん。
全く違和感の感じない演技でした。
これからも是非出演して欲しいものです。


※2015/6/1追記
この記事を書いた時には田島さんのブログが存在したのですが、その後の2013年4月21日に主演していた舞台「効率学のススメ」での公演中止騒動の影響を受け、閉鎖されたそうです。
なお、その後、田島さんは芸能活動を自粛しているようです。
残念ですね。

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