格付:A

格付:A

ロゼットの朝 作:飯野陽子(FMシアター)

3人だけの職場、社史編纂係。役職から外れ子会社への出向という身分。職場も東京から高速で1時間ほどかかる旧物流倉庫内のプレハブ事務所。つまり左遷だ。しかし仕事は仕事。どんな仕事でもきちんと成果を出さないといけない。この2人とともに。
格付:A

あたふたオペラ きんつば姫とリゴレ糖 作:萩田頌豊与(青春アドベンチャー)

江戸の和菓子屋・富嶺堂(ふれいどう)の若旦那は店の唯一の商品である「きんつば」の売れ行きを占うために占い師のもとを訪れる。占い師の指示により、怪しい甘味料・リゴレ糖をきんつばの原料に使うとともに、きんつばを宣伝してもらうために人気芸妓・美折太夫(びおれたゆう)のもとを訪れる富嶺堂の若旦那。しかし、美折太夫はすでに別の和菓子屋・鳥羽万の宣伝担当であり、自分の店「吉原」に鳥羽万の最中を供していたのだ。
格付:A

バスタイム 作:中澤香織(FMシアター)

中学の頃、好きなものの話が長くてしつこいと言われた。だからなんなん?ってイラっとされた。そんな私だから高校に入学しても親しい友人はできなかった。でも東京から来た転校生、深瀬さんは突然話しかけてきたのだ。「森さんのお家って銭湯なの?かっこいいね!」すぐに親友になった私達。あたしの言うことに笑ってくれる人は初めてだった。人に秘密を打ち明けられるのも初めてだった。心地いい関係。でも2年の夏に少し変化が生じたのだ。
格付:A

琥珀(こはく)のひと 作:新井まさみ(FMシアター)

極寒の奥日光にもまた春がやってくる。ただ、このあたりには観光するものはなにもない。地元の人間ですらめったに通らない山道を若い女性が歩いているのはやはり不審だ。そう考えてモーリーこと矢部吉森は彼女に声を掛けたが、彼女は自分に会いに来たという。確かに国産メープルシロップは珍しい。ふもとで聞けばこの山に行けば会えると言われるのも確かだろう。しかし、若い女性がメープルシロップの製造現場を見るためだけに、老人がひとりで暮らす雪深い山中まで来るものだろうか。
格付:A

宇宙艇モモタロー号の帰還 作:倉島齊(FMシアター)

結婚して銀河の果てまで金を探しに行こう。それがプロポーズの言葉だった。人工冬眠とワープ航法を繰り返して100年余り宇宙を彷徨った末に、地球から200光年離れた辺境の星でやっと見つけた金鉱脈。その頃には2人の息子に恵まれ家族は4人になっていた。さらに8年を費やして採掘・精錬し続けた結果、小型宇宙艇に乗せられる限度いっぱの123本もの金塊を得ることができた。今後は12回のワープと48年の人工冬眠により、所要実働時間4年で地球に帰ることができる。2人の息子にとっては両親以外に初めての人間に出会うことになる。両親のように心から愛しあえる伴侶を見つけることができるのだろうか。愛がなければモモタロー号に積んだ莫大な金も一文の価値もないと同然なのだから。
格付:A

クジラの歌を聴かせてあげる 作:桜田ゆう菜(FMシアター)

子どもの頃からのクジラ推し。クジラの言葉を解明したいという一心で函館海洋大学に入った。念願かなって4月からはクジラを研究している岡崎教授の研究室に入る予定だ。…だったのだが、初研究のチャンスは思いがけない形でやってきた。早朝にかかってきた電話。研究員の目黒と名乗った女性はいきなり言った。「今からクジラにあわせてあげる。」慌てて駆け付けた先にいたのはツチクジラ。でもこのツチクジラ…死んでる?
格付:A

影をなくした男 原作:シャミッソー(青春アドベンチャー)

家庭教師の職を求めてやってきたブルジョアのパーティの席で、ペーター・シュレミールは灰色の服を着た奇妙な男に出会った。彼はポケットから絆創膏や望遠鏡、テントや馬まで取り出したのだが、不思議なことにまわりの人達は誰もそのことに気が付かない。そして男はなぜかシュレミールに話しかけてきた。彼は言う。「あなたの影に見惚れてしまったのです。それはそれは美しい影でしたから。その影をお譲り頂くわけにはいかないでしょうか。もちろん、ただで、とは申しません…」
格付:A

嘘の木 原作:フランシス・ハーディング(青春アドベンチャー)

ダーウィンの進化論を否定する画期的な発見、ニューファルトン・ネフェリム。それは肩に羽が付いていた痕跡のある人間の化石だ。牧師で博物学者でもある私の父、エラスムス・サンダリーはこの発見で世間の注目を浴び、そして世間からつまはじきに合った。この化石に捏造の疑いが掛かられたためだ。そして、周りの冷ややかな目から逃れるために私たち家族は絶海の孤島への移住を余儀なくされた。しかし、あの化石が偽物の訳ない。捏造なんてありえない。私はお父様を信じている。
格付:A

時の旅人 作:佐藤ひろみ(FMシアター)

10月、秋の初め。大学を中退した真生(まお)は、今、四国、徳島の道をバイクで走っている。走って走って走りつくしたら何かが見えるかもしれない。そんな思いを胸に一人走り続ける彼が徳島の田舎町で、ある老人に出会う。売れるかもわからない野菜を暢気に売っている老人をうさん臭く見ていた真生だが、飄々としていた老人が彼に言い放った一言に心臓がドクンと鳴った。「お前、後ろにだれか背負うているな」
格付:A

あたふたオペラ からふる物語 作:萩田頌豊与(青春アドベンチャー)

月曜日から金曜日、毎日放送されるラジオ番組「おとなのためのトークショー・じゃこもかしこも」の今週のゲストは、劇団「盗んだだるま」を主催する劇作家で演出家の唐富士夫(から・ふじお)。司会の久子と唐との会話は全く嚙み合わないが、唐の特技「25文字で名著」や、唐の学生時代の恋愛話でなんとか番組は進行していく。しかし、4日目にして番組は緊急事態を迎えてしまう。そして唐の恋愛話に登場した人たちが次々とスタジオに現れて…
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