格付:A

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あたふたオペラ からふる物語 作:萩田頌豊与(青春アドベンチャー)

月曜日から金曜日、毎日放送されるラジオ番組「おとなのためのトークショー・じゃこもかしこも」の今週のゲストは、劇団「盗んだだるま」を主催する劇作家で演出家の唐富士夫(から・ふじお)。 司会の久子と唐との会話は全く嚙み合わないが、唐の特技「25文字で名著」や、唐の学生時代の恋愛話でなんとか番組は進行していく。 しかし、4日目にして番組は緊急事態を迎えてしまう。 そして唐の恋愛話に登場した人たちが次々とスタジオに現れて…
格付:A

さらばアフリカの女王 原作:森詠(アドベンチャーロード)

俺の名前は北一馬(きた・かずま)。 共同経営者のヘンリーともにアフリカ中の空を飛び回っている運び屋だ。 愛機は1945年製ダグラスDC「キャサリン」。 ちょっとばかり年増だが俺に取ってはかけがえのないフィアンセだ。 そんな「ヘンリー&キタ・エアカーゴ」に新しい依頼が舞い込んだ。 今回の仕事は血清を作るための特別な血液を南アフリカ・レソトからカサブランカまで空輸するというもの。 しかし、キャサリンに離陸前にエンジントラブルが見つかり出発時刻に飛び立てるか怪しくなってしまった。 今回の仕事が何万人もの命を救うものだと聞いたヘンリーは急遽、俺の代役として愛機「マリリン」とともに飛び立ったのだが、途中、ミサイルに追尾されているという驚愕の連絡と共に消息を絶ってしまう。 これは多くの人の命を救う重要だが平和な仕事だったのではないのか!? 俺は恩人でもあった相棒を失った怒りをもってドナルド・シンプソンなる依頼者を探し始めるのだが…
格付:A

夢の旅 原作:花井愛子(アドベンチャーロード)

平成元年4月1日の朝、高校入学のお祝いをもらったおしゃれ大好き少女、殊理(じゅり)は、お祝いのお金で買い物をした帰りに、浮かれ気分のまま赤信号の交差点に飛び出してしまう。 目の前に迫る車。 自分の人生はここで終わるのかと思った瞬間、風景がコマ送りのVTRのようにスローモーションになり、同時にどこからともなく飛び出してきた少年に助けられた。 今時の子にはない凛々しさを持つ坊主頭の男の子。 犬を連れた彼に一目ぼれしてしまう殊理だが、話してみるとむしろ損した気分。 なぜなら彼は美形だけど頭は思いっきり可愛そうなやつみたいなのだ。 だって「あの~ここは日本ですか?」なんて聞いてきたのだから。
格付:A

遺体を捜す人たち 作:足立聡(FMシアター)

僕に登山ガイドは向いていないと思う。学生をガイドするとき、特にそれを感じる。 ましてや接客業とかはとても無理だ。 でも山に登る資金をためるためには働かないといけない。 そんな僕に1日3万円くれる仕事の話が舞い込んできた。 その会社、民間の山岳捜索会社に話を聞きに行くと責任者は語り始めた。 「遭難者が出ても警察や消防みたいに最初に連絡が来るわけじゃあない。それってどういうことかわかる?日数が経っているってことだよね。だから、見つけられないもしくは見つけられてもほとんどが遺体なんだ。」
格付:A

ジグが来る 原作:キャンベル・アームストロング(アドベンチャーロード)

「ジグ?ジグが来るというのか!」 その言葉に4人の男たちは思わず顔を見合わせた。 元上院議員、合衆国ユニオンの指導者、大企業の経営者、大統領の弟の企業家。 4人はアイルランドを祖国とするアメリカ合衆国での成功者であった。 そしてアイルランド統一運動を陰から支える資金提供者でもある。 しかし、アイルランドは今回の資金強奪事件に4人のうちのひとり、あるいは複数の者が関与していると考えているようだ。 つまり、祖国は彼らの大義への志を信用していない。 確かに今回奪われた資金はIRA(アイルランド共和国軍)の1年分の活動資金にあたる。被害は甚大だ。 しかしよりにもよってジグを送り込んでくるとは。 ジグ、それはIRAが誇るテロリストの通称。 顔もわからない。本名も知らない。 狙った者は決して逃がさない。 そして狙った者以外は決して傷つけない。 ある意味、アーティストといってよい最強の殺し屋。
格付:A

夜に星を放つ 原作:窪美澄(青春アドベンチャー)

2022年上期の第167回直木賞を受賞した窪美澄さんの小説「夜に星を放つ」。 そのオーディオドラマ化作品が本作品です。 原作小説は相互にストーリー上の関連がない5篇の短編から構成されていますが、本作品はそのすべてを15分×2回ずつでドラマ化しています。 いずれも人との出会いや別れといった人間関係の移ろいを繊細に描いた作品群で、第1週目の最初の2話については少しの恋愛要素を織り込みつつ少しの痛みを伴う別れの物語になっていました。 本作品は当記事アップ時点で第3目の前半が終了したところ。 全体が終了した時点で記事を修正したいと思っています。
格付:A

嘘と餃子と設計図 作:今井雅子(FMシアター)

念願かなってハウスメーカーで設計の仕事に就いた私。 でも、うどんのトッピング感覚でプラン変更を要求してくる見込み客のわがままに振り回されて疲れ果ててしまった。 しかも、私の都合などお構いなしに電話を掛けてくる母親の相手で疲れは倍増。 なんでも疲れて弱気になった父が稼業の餃子屋をたたむと言っているとか。 もともと跡取り娘だった母にとって60そこそこで店を閉めるなんて想定外。お父さんを元気づけないといけないと偉い剣幕だ。 どうでもいいと思いつつ、跡継ぎ断った負い目のある私は仕方なく母の話に付き合っていたが、話しているうちに父を再起させるための、ある作戦に巻き込まれてしまった。
格付:A

ミシンの音色を、もう一度 作:清水有生(FMシアター)

唐津の不動産会社からかかってきた突然の電話は、父の死を伝えるとともに彼の店の片付けの依頼するものだった。 3歳の時に母と一緒に唐津を離れてから30歳の今まで父とは一度も会っていない。全く身内には思えない。 しかし、父に身寄りがないのであれば仕方がない。 幸か不幸か10年勤めたアパレルメーカーを丁度退職したところで時間もあった。 仕方なく赴いた唐津でみどりを待っていたのは、父の遺したミシンと遺品リメイクの仕事。 そして、思いがけない出会いと再会だった。
格付:A

元祖江戸川乱歩の奇妙な物語 原作:江戸川乱歩(サウンド夢工房)

江戸川乱歩といえば、江戸川乱歩賞にも名を残す、わが国推理小説界の始祖のひとりとして有名ですが、同時に不思議な世界を早くから題材にした作家でもあります。 本作品「元祖江戸川乱歩の奇妙な物語」は江戸川乱歩の怪奇、幻想方面の名作4篇を、それぞれ2回又は3回連続(30分又は45分)でオーディオドラマ化した作品で、NHK-FMのラジオドラマ(本記事では昔の番組なのであえてオーディオドラマではなくラジオドラマとします)番組「サウンド夢工房」で放送されました。
格付:A

薔薇のある家 作:オカモト國ヒコ(FMシアター)

足のケガ以降、仕事をしていない往年の大女優に舞い込んだ依頼は知り合いの女優の代役。 代役ということで一度は断ったが、じっくりと考えた末に受けることを決め、付き人の中年女性に伝えたところ、猛反対を受ける。 代役なんて受けるべきではない、復帰ならしっかりした作品でやりましょう、という付き人に対し、役者でいられる時間は残り少ないと強硬に出演を主張する女優。 そして、女優は付き人に言い放つ、「あなたは私をずっと恨んでいる。だから復帰させたくないのでしょう」。 やがてふたりの会話は、ふたりの関係、ふたりの過去を明らかにしていく。
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