アゴラ69 ~僕らの詩(うた)~ 作:吉村ゆう(青春アドベンチャー)
そこそこの大学を卒業し、大手不動産会社に勤務。
歌手になる夢を諦めてサラリーマンになった中島悠大(ゆうだい)だったが、最近仕事に身が入らない。
しかも歌を止めた後も心のよりどころだった新宿のライブハウス「パワー」が閉店すると聞いて一層意気消沈。
「パワー」で管をまいて古いコンパクトステレオから流れてくる音楽を聴きながら眠りこけてしまった彼だが、しかし目を覚ますとなぜかそこは街角のゴミ捨て場だった。
周りを見わたして目に入る風景も、新宿には違いないが、街並みは全く別物。
風にあおられた新聞紙に描かれていたトップ記事は「東大安田講堂の陥落」。