格付:A

格付:A

青髭公の五番目の花嫁 作:吉田小夏(青春アドベンチャー)

街医者の娘リリアナは、隣国の森で青く光るハッカを見つける。父の薬草づくりの助けにと、それを摘もうとしたリリアナだが、そこに紫色の瞳と青い髪を持ち、甘い白檀の香りを漂わせる高貴な男性が現れる。彼の名はガデル・マグダヌール公爵。この森は彼の領地、彼女は隣国の領主の森を侵したのだ。彼女の命を奪おうとする公爵だが、彼の城で一生を共にすることを条件に助命を許す。リリアナは思い出す。隣国の領主は、青い吸血蝙蝠の血を引く呪われた一族の末裔と噂されていることを。彼に嫁いだ4人の女性が次々と不審な死を遂げたことを。そして彼が青髭と呼ばれていることを。
格付:A

かがみ池のからくり 作:松村武(青春アドベンチャー)

30目前の売れない歴史ライター・能垣拓郎(のうがきたくろう)と、サブカル好きの女子大生・鳥留つむぎ(とりとめ・つむぎ)が向かったのは「かがみ池」。拓郎には微妙なパワースポットにしか見えないが、つむぎがいうには「知る人は知る聖地」らしい。かがみ池の水面をのぞき込むと、何者かの呪いによって陰で操られている人はその陰の主が水面に映る。さらに、その水面に何も映らない場合は…とのことなのだが。もちろん拓郎はこの与太話を信じてここまで来たわけではない。旅雑誌の取材で訪れた祭りで出会った鳥留つむぎという可愛い女の子との距離を縮めたかっただけなのだ。しかし、彼らはそこで歴史ライターでもサブカル好きでも予想もできないような出来事に巻き込まれることになる。物語の始まりは平成バブルがはじけて間もないころ。パフィーの「サーキットの娘」が流行っていた1990年代後半のことである。
格付:A

柳生非情剣 原作:隆慶一郎(青春アドベンチャー)

織豊政権下で没落し領主としての地位を失った柳生一族。剣に没頭し兵法家として狭い世界での名声に甘んじる父・石舟斎の態度が、宗矩には我慢できない。失った領土を取り戻してこその剣ではないのか。敢えて柳生庄を離れ、広い世界で剣の腕を磨きながらついに得た立身出世のチャンス。2代将軍・徳川秀忠の兵法(剣術)指南役。その実態は政権を守るための裏の仕事をこなす汚れ役。しかし宗矩はこの機会を逃さない。必ずや江戸に柳生新陰流ありと、その名を全国に轟かせてみせる。そして領地を取り戻し最後には大名の座に上り詰めるのだ。
格付:A

うつ病九段 原作:仙崎学(FMシアター)

頭がぼやっとする。覚えられない。考えられない。一体どうなっちまったんだ、俺の頭は。小学5年のときに奨励会に入会。俺のあだ名は「天才」だった。以来、将棋一筋。そんな俺が将棋を打てない。心配した妻が呼んだ精神科医の兄貴が俺の顔を一目見るなり言った。「学…。どうしたんだ。いつからこんな状態だ。」2017年8月。俺は本格的におかしくなっていた。
格付:A

成吉思汗の秘密 原作:高木彬光(アドベンチャーロード)

名探偵・神津恭介、病に倒れる!衝撃的な知らせに友人の探偵作家・松下研三は慌てて病院に駆け付けたが、病気は盲腸で、命に別状はないとのこと。ほっとするとともに普段多忙な神津を休養させるいい機会だと考えた松下だが、無聊を託つ神津は今にも退院してしまいそうだ。そこで松下は一計を案じ、神津にあるゲームを提案する。日本史最大のミステリー「源義経=ジンギスカン説」を神津の天才的な頭脳をもって病床にいながらにして解いてみたはどうかと提案したのだ。
格付:A

あっちが上海 原作:志水辰夫(FMアドベンチャー)

東シナ海で漁船を遭難させることに成功した詐欺師の岩内亮。しかし、彼はこの東シナ海で保険金詐欺以上の金儲けの匂いを嗅ぎつけた。偶然にも米軍の秘密偵察機が近くに墜落したのだ。そして匂いに惹かれて集まってきた面々も想定以上。CIA、KGB、モサド、そして中国の諜報部。岩内の明日はどっちだ?
格付:A

人工心臓 原案:小酒井不木、作:長谷川彩(青春アドベンチャー)

私、江戸川乱歩が探偵小説家として世に出ることができたのは小酒井不木の推薦によるところが大きい。しかし、不木の体が弱いこと知っていながら彼に創作を進め、しかも晩年ろくに彼に手紙を書く事すらしなかった。不義理をしたという負い目あればこそ、彼の全集の取りまとめに引き受けたのだが…やはり不木の妻・久枝は私に腹を立てているのだろうか、あのような奇妙なことを言い出すなんて。「人工心臓は実在致します…」
格付:A

吹いていく風のバラッド 原作:片岡義男(サウンド夢工房)

本作品「吹いていく風のバラッド」は片岡義男さん原作の同名の短編小説集を原作とするラジオドラマで、1990年にNHK-FM「サウンド夢工房」で放送されました。
格付:A

死ぬには手頃な日 作:矢作俊彦(FMアドベンチャー)

本作品「死ぬには手頃な日」はNHK-FMのラジオドラマ番組「FMアドベンチャー」で放送されたラジオドラマで、FMアドベンチャーとしては最後の作品(同年4月から「アドベンチャーロード」に衣替え)、そしてFMアドベンチャー17作品の中で唯一のオリジナル脚本の作品です。
格付:A

1848 作:並木陽(青春アドベンチャー)

「『騎馬の民なるマジャルの王はかつて、東の果てより馬を駆り、この地にたどり着いた。羊…の群れ、え、悠然と…草を食み、荒々しき…いや猛々しき?…』 だめだめだめ!どうして私の書くものには心踊る勇壮さというものが宿らないのかしら…」悄然としてユリシュカは筆を置いた。羊飼いの娘を母に持ち、大平原を駆ける英雄の生涯に思いをはせる夢見がちな少女に過ぎなかったユリシュカ。しかし、時代の荒波は近代化に立ち遅れた辺境の男爵家の少女の人生をも大きく変えていくことになる。欧州のそして世界の歴史を変えた革命の1848年まであと少し。ユリシュカも、そしてその兄カーロイも、まだ自らを待ち受ける運命を知らない。
タイトルとURLをコピーしました