格付別一覧

格付:A

宇宙艇モモタロー号の帰還 作:倉島齊(FMシアター)

結婚して銀河の果てまで金を探しに行こう。それがプロポーズの言葉だった。人工冬眠とワープ航法を繰り返して100年余り宇宙を彷徨った末に、地球から200光年離れた辺境の星でやっと見つけた金鉱脈。その頃には2人の息子に恵まれ家族は4人になっていた。さらに8年を費やして採掘・精錬し続けた結果、小型宇宙艇に乗せられる限度いっぱの123本もの金塊を得ることができた。今後は12回のワープと48年の人工冬眠により、所要実働時間4年で地球に帰ることができる。2人の息子にとっては両親以外に初めての人間に出会うことになる。両親のように心から愛しあえる伴侶を見つけることができるのだろうか。愛がなければモモタロー号に積んだ莫大な金も一文の価値もないと同然なのだから。
作品紹介の補足

「襲大鳳」補完計画!オーディオドラマでパスされたぼろ鳶組の要素を補足する

2018年「火喰鳥 羽州ぼろ鳶組」から始まった今村翔吾さん原作のシリーズのオーディオドラマ化。2024年、遂に前半の集大成ともいえる第7弾「襲大鳳 羽州ぼろ鳶組」にたどり着きます。ただし「襲大鳳」は原作では第11巻(上)及び12巻(下)。つまりここまで4作品がオーディオドラマ化から漏れていることになります。
格付:B

うらぼんえの帰還兵 作:中澤香織(FMシアター)

夏休みに家族で小田原のおばあちゃん家を訪ねるのは毎年の行事。でも今年はひとりだ。お母さんは用事で来られない。お父さんと話し合いをするから。それに今、お母さんは性格のキツイおばあちゃんと話す気力がないのだろう。ひとりで訪ねてきた私をおばあちゃんは早速、お墓参りに連れて行った。そこでわたしは墓に寺坂幸次郎という38歳で亡くなった人の名前を知る。おばあちゃんに聞くと、この人はおばあちゃんのお父さん、つまり私のひいおじいちゃんだという。ひいおじいちゃんは戦争から帰ってきた後、心を病み、その人生の大部分を精神病院で過ごしたらしい。そんな話は初めて聞いた。いるけど、いないみたいな透明人間にされてしまったひいおじいちゃんのこと、おばあちゃんは話したくないみたいだけど…
格付:B

太陽の城 月の砦 作:中村小夜(青春アドベンチャー)

12世紀半ば。地中海の東に位置するシリアの地。十字軍の遠征からすでに半世紀が経過していたが、キリスト教徒のエルサレム王国とイスラム教徒の諸王国に分裂し、まさに乱世の状況にあった。そんな中、シリア北部の町アレッポにひとりの英雄が現れる。ザンギー朝第2代の君主マフムード。彼は、隣国ダマスカスからアーミナを娶る一方、宿将シール・クーフとその甥ユーセフをエジプトに送りその政治に介入。着々と勢力圏を広げていた。これは「ダマスカスの花嫁」と呼ばれた女と「信仰の光」、「信教の誉れ」と呼ばれたふたりの男。3人の男女の絡み合った運命の物語である。
格付:A

クジラの歌を聴かせてあげる 作:桜田ゆう菜(FMシアター)

子どもの頃からのクジラ推し。クジラの言葉を解明したいという一心で函館海洋大学に入った。念願かなって4月からはクジラを研究している岡崎教授の研究室に入る予定だ。…だったのだが、初研究のチャンスは思いがけない形でやってきた。早朝にかかってきた電話。研究員の目黒と名乗った女性はいきなり言った。「今からクジラにあわせてあげる。」慌てて駆け付けた先にいたのはツチクジラ。でもこのツチクジラ…死んでる?
格付:B

火星ダーク・バラード 原作:上田早夕里(青春アドベンチャー)

理想郷を夢見て開拓された火星は、人種間の争いや貧富の差から犯罪が多発するミニ地球と化していた。故郷である地球を捨て火星にたどり着いた水島烈も火星治安管理局の捜査官に身をやつし犯罪者を追う日々を送っていた。そうした中、ようやく捕まえた猟奇殺人犯の護送中に、数少ない全幅の信頼を置ける人間である同僚の捜査官、神月璃奈を殺害されてしまう。管理局の上層部から彼自身がその犯人と疑われた水島は独自の捜査を開始するが、その彼の前にアデリーンというダークブロンドの少女が現れる。彼女は極秘の遺伝子操作により生まれた新たな人類で「超共感性」という特殊な能力を持っているというのだが…
格付:A

影をなくした男 原作:シャミッソー(青春アドベンチャー)

家庭教師の職を求めてやってきたブルジョアのパーティの席で、ペーター・シュレミールは灰色の服を着た奇妙な男に出会った。彼はポケットから絆創膏や望遠鏡、テントや馬まで取り出したのだが、不思議なことにまわりの人達は誰もそのことに気が付かない。そして男はなぜかシュレミールに話しかけてきた。彼は言う。「あなたの影に見惚れてしまったのです。それはそれは美しい影でしたから。その影をお譲り頂くわけにはいかないでしょうか。もちろん、ただで、とは申しません…」
格付:AA

歌をなくした夏 作:桑原亮子(FMシアター)

秋月史子は歌人志望の若い女性。人づきあいが苦手で、暗くて重い短歌しかつくれないが、それでも自費で第一歌集を出すことを目標にコンビニと喫茶店で掛け持ちのバイトを続けてきた。しかし生活に追われる日々の中でいつしか短歌が作れなくなってしまった。そんなスランプの最中に史子はバイト先のコンビニでひとりの少女に出会う。少女は一日中コンビニや公園で時間をつぶして誰かを待っているようなのだが…
格付:B

幕末の絵師 田崎早雲 作:小林克彰(FMシアター)

天保年間、江戸は今戸の裏長屋。乱暴者「あばれ梅渓」と呼ばれた絵師・田崎早雲(たざき・そううん)は今日も妻から絵のダメ出しを受けていた。妻の菊(きく)は絵の善し悪しに妥協を許さない。それは早雲の才能を信じ、彼を大成させたいがためであることを知っているからこそ、北辰一刀流の達人である巨漢も妻には頭が上がらなかった。しかし、ある日、絵の修行に出た早雲は浦賀で黒船を見てしまった。早雲は迷う。今やるべき事は絵を描くことなのか、それとも…時代に荒波にもまれた絵師夫婦の人生を描く。
格付:AA

死にたがりの君に贈る物語 原作:綾崎隼(青春アドベンチャー)

人気作家・ミマサカリオリが死んだ。正確には、そうSNSで発表された。詳細は不明だ。出版社も沈黙している。確かなことは、最新巻が大炎上した代表作「Swallowtail Waltz」(スワロウテイル・ワルツ)シリーズは最終巻を残して未完となったということだけだ。ミマサカリオリの小説は、生き辛い人々に希望の光を与えたとも、とも称される。僕にとっては完全に前者だ。だからこの企画に参加することにした。いや参加せざるを得ない。「Swallowtail Waltz」の舞台になった廃校で作品と同様に共同生活をする。確かにこんなことをしても作品の結末に近づける保証はない。でも「Swallowtail Waltz」の続きが読めない世界で、この企画に参加するほかに何を希望に生きていけばいいんだ。
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