格付別一覧

格付:AA

玉麒麟 羽州ぼろ鳶組 原作:今村翔吾(青春アドベンチャー)

「あーあ、また深雪さまにしかられてしまう」 頭取の愛妻の能面のような顔を思い浮かべ鳥越新之助は苦笑した。 しかしつぶやくや否や、新之助の心中に浮かんだ深雪の顔は笑顔に変わった。 「新之助さんがそんなことをするはずがないですよ」 そう、組のみなは決して私のことを疑わないだろう。 お頭も、先生も、武蔵さんも、寅次郎さんも、彦弥さんも、みな力になってくれるだろう。それでも… 今は逃げなければならない。 小さな命と真実を守るために。 江戸の全てを敵にまわしたとしても。
作品紹介の補足

「玉麒麟」応援企画!呼び名で覚える、ぼろ鳶組世界の名火消たち

麒麟といえば… 「羽州ぼろ鳶組」シリーズの第6弾として「玉麒麟 羽州ぼろ鳶組」が青春アドベンチャーで放送されています。 シリーズのファンであればこのタイトルを聴いただけで今回の主役がぼろ鳶組のNo.2鳥越新之助であることは想像がつくと思いま...
格付:AAA

山猫の夏 原作:船戸与一(アドベンチャーロード)

山猫がやって来たあの夜のことだけは忘れはすまい。 1982年11月19日、おれの働くレストラン「蜘蛛の巣」の奥のバー。 完璧なブラジル語を話す、その野獣のような日本人はいきなり金を渡し言い放ったのだ。 「今から俺はお前を雇う。」 なんで俺なんだ? 「俺にはブラジル人のわからねえ言葉を使える奴が必要なんだ。それも若くて希望のねえやつがな。」 山猫のような男を見るのは初めてだったし、あんな人物が存在することさえ、俺には信じられなかったのだ。
格付:A

猿がヂャラヂャラ 作:綾瀬麦彦(サウンド夢工房)

1992年・申年の年頭に「サウンド夢工房」にて放送された、サル尽くしバラエティドラマ番組、それがこの「猿がヂャラヂャラ」でした。干支ネタと言うことで言えばこの「猿がヂャラヂャラ」が干支シリーズのご先祖的な企画といえるかも知れません。 さて、本作品は10回連続で放送された作品ですが各回の大まかな流れは以下のとおり。「モンキーシアター」を中心としていくつかのショートコーナーで構成されています。
格付:AA

傑作が落ちてくる 作:杉野大吾(FMシアター)

「金ならもうすぐ入りますから! 小説書いてそれが出版されるんですよ! そしたら印税入るんで!」 …… ダメだ、自分で聴いても、うさん臭い。信じてもらえそうにない。でも… 「酔っぱらって階段から落ちらた傑作が降ってきて!」 …… ……やっぱりだめか。 「佐々木ぃ、こいつ外階段に連れてって。それで突き落として。 階段から落ちれば小説書けるんだろう?手伝ってやるからさぁ。」 !!やめてやめて離してください!助けて~!
格付:A

ウィル 作:今城文恵(青春アドベンチャー)

1863年の夏、新聞記者として赴いた西部ネバダ州ブルーバードビルで、私はウィリアム・オマリーという少年と出会った。 彼は両親を亡くし叔父に養われる貧しい少年で、友人といえる人間は保安官の息子である足の不自由なクリスだけ。 街一番の腰抜けと揶揄される臆病な少年だった。 しかしある時、一人の女性と一丁の銃との出会いが彼の人生に大きな転機がもたらすのを私は見た。 私は私自身のため、この暴力に支配された街で見聞きしたすべてをここに記す。 世界の片隅で起きた少年の小さな成長の物語。 発表のあてはない。 しかし書き残すべき価値があるものだと私は信じている。
格付:AA

面影 作:兵藤るり(FMシアター)

私の娘は7歳で亡くなった。ほんの一瞬のことだった。 あれから10年。 勤務する特別収容生物研究所に送られてきた新しい怪物の姿を見た瞬間、息が止まった。 怪物に娘の面影がある。 生きて17歳になっていれば、そうなったであろう成長した娘の面影が。
格付:C

シャドー81 原作:ルシアン・ネイハム(青春アドベンチャー)

1972年5月。泥沼の戦場と化したベトナムから1機の試作戦闘機とひとりの米国空軍パイロットが姿を消した。 試作機の名前はTX-75Eバンバイア、パイロットの名前はグラント・フィーリング大尉。 米国が誇る最新鋭戦闘機とその操縦士が再び姿を現したのは米国本土ロサンゼルス郊外、ハワイに向かい飛び立ったジャンボジェット機PGA81便の背後だった。 そしてPGA81便にピタリと張り付いたTX-75Eから驚きの宣言がなされる。 「こちらはPGA81便の影、シャドー81。機長、あなたの機はたった今乗っ取られた。指示に従わない場合は撃墜する。要求はただひとつ。ベトナム戦争の即時停戦だ。」
格付:B

家族ってなんや 原作:田川律(サウンド夢工房)

私は小劇団で女優をしている27歳。 朝、井の頭公園のベンチで台本を読んでいるときに大声で変な歌を歌っている不思議なおじさんに出会ったの。 おじさんの名は田川律(ただす)。 私よりもひとつだけ年上の奥さんと暮らしているという彼のお宅にお邪魔して観察したところ、炊事や洗濯だけではなく、編み物なんかも自分でこなしている様子。 彼は一体どんな人生を送ってきたのだろう。 彼がいうにはまるで家族生活の様々なスタイルを実験してきたみたいに色々な家族を作ってきたらしいのだけど。 私は彼のこれまでの人生を教えてもらいに彼の家に通うことにした。
格付:A

昼も夜も彷徨え 原作:中村小夜(青春アドベンチャー)

12世紀。ヨーロッパ・イベリア半島にイスラム教徒が跋扈し、中東・エルサレムを十字軍という狂気が支配していた時代。 2大宗教の圧迫が強まる中、ユダヤ教徒はその内部でも独善的なラビ(宗教指導者)による排他的な指導体制を敷いていた。 そんな時代にひとりの若いユダヤ人神学者がラビたちの独善的な主張に異を唱える。 イスラム教の信仰告白をしてでも生き延びるべきだ。 しかし、彼自身は違う道を選ぶ。 自由だけは手放せない。 だからそれ以外の全てを手放して逃げる。 逃げて己の信条が守れる場所を探して昼も夜も彷徨い続ける。 風のように彷徨い続けるその生き方こそ彼の精神の姿そのものだった。
タイトルとURLをコピーしました