
冷凍人間の復活 作:小金丸大和(青春アドベンチャー)
「6カ月後の生存確率は10%」29歳の藤堂明(とうどう・あきら)に突きつけられた事実は残酷だった。学生時代に始めたネット事業は順調、妻・美幸のお腹の中には待望の第1子がいる。海際に立てた真っ赤な屋根の家も予想以上の出来で、妻に突然プレゼントして驚かせるつもりだった。医者は残された時間を大事にしろという。理性ではわかっている、それは正しい。だから、学生時代の親友・丸木が持ち込んだ計画が決してバラ色の話ではないこともわかっている。冷凍保存カプセルで冷凍睡眠して、がんの治療技術が確立されたときに目覚める。そんなことが簡単にできるわけがない。そもそも、まだ、ほ乳類で冷凍睡眠からの復活に成功した例はないのだ。でも僕はまだ生きていたいんだ。藤堂は決して嘘を言わない男だ。目標を必ず実現する男でもある。この話に賭けてみるしかない。