- 作品 : 不思議屋料理店
- 番組 : 青春アドベンチャー
- 格付 : C
- 分類 : 旅とグルメ
- 初出 : 2007年2月19日~3月2日
- 回数 : 全10回(各回15分)
- 作 : (下表参照)
- 演出 : 大久保篤、川野秀昭
- 主演 : 長谷川朝晴、佐藤友紀
1999年から続く青春アドベンチャーの短編競作作品のシリーズである「不思議屋シリーズ」の1作です。
青春アドベンチャーでは、全5作が制作されているライフシリーズ(カラー・ライフなど)と並ぶ代表的なオムニバスシリーズです。
ちなみに今まで放送された不思議屋シリーズは「不思議屋百貨店」(1999年)、「不思議屋旅行代理店」(2000年)、「不思議屋博物館」(2001年)、「不思議屋薬品店」(2002年)、「不思議屋不動産」(2003年)、「不思議屋貿易商」(2005年)、「不思議屋図書館」(2006年)、そして本作「不思議屋料理店」(2007年)の全8作になります。
どれもファンタジー
ライフシリーズが日常のありふれたシーンを扱う作品とちょっと非現実的で奇妙な内容を扱う作品とが混在しているのに対し、不思議屋シリーズはその名のとおり不思議な話(本ブログの分類では「幻想」。ジャンルについてはこの記事参照)が主となっています。
また、ライフシリーズの脚本がプロの作家主体であるのに対して不思議屋シリーズは脚本懸賞募集の入選者を中心とした脚本陣のようです。
舞台はレストラン縛り
本作は全話がレストランに関わる話です。
全てのレストランにおいて永井一郎さんが店主を演じてはいるものの、各話のレストランは全く別のもので、各話間の関連性も全くありません。
各話の概要
本作品の各話の担当作家さんと、作品ジャンル及び内容についての一言は下表のとおりです。
なお、作品全体のジャンルは「旅とグルメ」としましたが、以下の表におけるジャンルはグルメ要素を除いた場合のジャンルです。
◆第1話 「ママの得意料理」 (中村比香)
得意料理と引き替えに願いを叶える料理店。「アジアジ団、参上!」という訳ではない。
◆第2話 「雪山讃歌」 (坂本正彦)
雪山で遭難した男女が辿り着いた山小屋はなぜか「注文の多い料理店」風のレストランだった。
◆第3話 「江戸屋珍味堂」 (白石マミ)
◆第4話 「飢餓食堂」 (原田明実)
砂漠で行き倒れの妊婦を見捨てたカリムが、自らも乾きに苛まれに幻想的な体験をする話。
◆第5話 「地球レストラン」 (小金丸大和)
普通の人が人類の運命を決めるという設定は「うる星やつら」とか「友達100人できるかな」を思い出させます。
◆第6話 「再会」 (三浦まどか)
定年間近の男性が妻に離婚を突きつけられ…。展開もオチも意外性がない作品。
◆第7話 「月浜亭」 (前原一麿)
美食界の伝説「月浜亭」に招かれた男。第1話とネタが被っている気がする。
◆第8話 「失恋レストラン」 (林一臣)
食べている人の本音を知ることができるレストランの話だが、これもとても予定調和的なストーリー。
◆第9話 「タベルナ!」 (原田裕史)
ヤクザの戸田は、死後の世界で料理店に辿り着くが。黄泉比良坂を題材にした作品。特に新鮮味なし。タイトルはダジャレ?
◆第10話 「グリーン・グリーン」 (しおつか夢)
君の心がわかる、とたやすく誓える男になぜ女はついてゆくのだろう そして泣くのだろう。By中島みゆき
ご了承ください
以前書いたとおり私は青春アドベンチャーでは1話完結の短編集よりも、10話で一つの作品となる長編の方を希望しており、このブログでは積極的に短編集の作品を取り上げるつもりはありません。
そのため評価が少し辛めになってしまっています。
ファンの皆様、ご了承ください。
男女二人+永井一郎さん
作品内容がバラバラであるのに対し、主演の男女二人は基本的にどの作品も同じ役者さんが演じていらっしゃいます。
男性が長谷川朝晴さん、女性が佐藤友紀さんです。
そしてこの不思議屋シリーズの看板は何と言ってもベテラン声優の永井一郎さん。
本作では主にレストランの店主を演じていらっしゃいます。
永井さんは青春アドベンチャー系の番組で過去にも「夏の魔術」シリーズ、「幽霊海戦」などで印象的な脇役を多数演じていらっしゃいます。
語り口は非常に安定していて達者だと感じます。
さすがに大ベテランです。
【不思議屋シリーズ作品一覧】
全部で8作品制作された不思議屋シリーズの作品一覧はこちらです。
是非、他の作品の記事もご覧ください。
【30周年記念全作品アンケート】
2022年に当ブログが独自に実施した青春アドベンチャー30周年記念・全466作品アンケートの出演者編において、本作品に出演している永井一郎さんが5票を獲得し8位になりました。
リスナーの感想等の詳細はこちらをご覧ください。
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