私の彼はポアンカレー 作:鹿目由紀(青春アドベンチャー)

格付:C
  • 作品 : 私の彼はポアンカレー
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : C+
  • 分類 : 旅とグルメ
  • 初出 : 2012年3月26日~3月30日
  • 回数 : 全5回(各回15分)
  • 作  : 鹿目由紀
  • 演出 : 東山充裕・須崎岳
  • 主演 : 小島藤子

アカネは、近所でカレー屋を営むケンイチに片思いをしている女子高生。
ケンイチは究極のカレーをつくるために日夜努力をしていたが、実はアカネはケンイチより遙かにカレーを作るのが得意だった。
そんなある日、おいしい料理屋の「料理」を盗むという「アジアジ団」がケンイチのカレー屋を襲い、ケンイチはカレーを作れなくなってしまう。
アジアジ団とは何者なのか。
究極のカレーはつくれるのか。
そしてアカネの恋の行方は。


青春アドベンチャーでは比較的数少ない原作を持たないオリジナルのラジオドラマです。
2012年では本作と「屋上デモクラシー」、「ゴー、ゴー!チキンズ」(再放送)がオリジナルでした。

ラブコメディー?

本作は上記の紹介のとおりグルメネタを交えたラブコメディーかと思いきや、途中から怒濤のSF展開が始まり事件の裏側にある大きな背景が明らかになっていきますが、あくまでライトな展開です。
全般的にコメディタッチでつくられているのは感じるのですが、どこで笑って良いのか今ひとつ掴めないうちに、どんどん先に進んでしまいました。
個人的にはもっとバカバカしい展開の方が笑えるのですが(2019年に放送された同じ鹿目由紀さん脚本の「元中学生日記」はもっと振り切っています!)。

SF?

途中からのSF展開も「人類の未来」的な大きな話になる割には、結局は食の問題とアカネの個人的な問題に終始しており、全般的に料理とSFと恋愛の全て中途半端に感じました。
例えると、インドカレーのように話はさらさらと流れてはいるのですが、インドカレーほどのスパイスは効いていないという感じでしょうか…ひどい例えですみません。
でも作中でつくっているカレーは本当においしそうです。
本作に関してNHK名古屋局で専用のページが作成されており、そこには作中に出てくるカレーのレシピが書いてあるのでつくってみるのも面白そうです。

(外部リンク:番組HP)http://www.nhk.or.jp/nagoya/curry/ ←リンク切れのようなのでリンクを削除しました。

起承転結がきちんとしている

本作は全5話ですがきちんと結末も付いていてその部分は好感触です。
恋愛部分の落ち着き処は当初私が予想していたのとはちょっと違い、少し意外な結末でした。
また、ネタバレになるので詳しく掛けませんが、「未来は確定しているのか、いないのか」という疑問に対する本作の回答は、同じ2012年に放送された「見かけの二重星」における回答と正反対で、対照して聴くと面白いです。

いつものアレ

なお、この作品で見つけたNHK恒例の「言い換え」は「青色の丸っこいあいつ」(→ドラえもん)、10万馬力の空飛ぶあいつ(→鉄腕アトム)です。
いつもながらお疲れ様です。

あくまで個人的な評価です

主役のアカネを演じるのは小島藤子さん。
女優・ファッションモデルの方のようですが、小島さんだけでなく他の出演陣を含めてしっかりした演技だと思いました。
ホームページ等では制作陣の熱意も感じます。
本作のC格付は「見かけの二重星」との相対比較で付けた側面があります。
「見かけの二重星」の話の方が少しだけ私には趣味に合っており、本ブログの趣旨に従い、敢えて極端な差を付けた結果、こうなりました。
本作自体は普通に楽しく聴ける作品だと思います。

なお、青春アドベンチャーのもう一つのカレーをテーマにした作品「カレーライフ」の紹介記事もご参照ください。


※2019/8/24補足
2019年8月に鹿目さんの2作品目のオリジナル長編が放送されました。
元中学生日記」の記事をご参照下さい。

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