格付:B

格付:B

夢の10分間 原作:豊田有恒(ふたりの部屋)

SF作家・豊田有恒さんの同名のショートショート集「夢の10分間」の中から10編をドラマ化した作品です。 本作品を放送した「ふたりの部屋」は、本作放送当時、月曜日から金曜日のそれぞれ10分ずつ放送される帯番組でした。 そのため、この「夢の10分間」というタイトルを見ると、あたかもこの番組のために書き下ろされたオリジナル作品のようですが、別途、原作本があるようですので、「10分間」が一致しているのは偶然のようです。
格付:B

10人のシンデレラ パートⅢ 作:湯本香樹実(カフェテラスのふたり)

「シンデレラ」といえば、今ではすっかりディズニーアニメがイメージされる訳ですが、もともとは世界中に類似の話が伝わっている民間伝承なのだそうです。 その範囲はとてつもなく広く深く、西欧のみならず中国にも類似の話があり、古くは紀元前1世紀にギリシアの歴史家ストラボンが記録したエジプトが舞台の話にまで遡るとか。 どの話も継母や義姉にいじめられたり、王子や王様に見初められたり、何かの道具を切っ掛けに幸せになったりといった基本的な構造は同じです。 そして、17世紀にフランスの文学者シャルル・ペローが、「ガラスの靴」や「かぼちゃの馬車」といった要素を取り入れたものが、ディズニーのシンデレラの原型になりました。 この話に、これほど広汎な人々に受け入れられるに値する如何なる普遍的な価値があったのか、また、出所がひとつだとするとどのように伝播したのか、興味は尽きないところです。
格付:B

私の告白 作:さわだみきお他(青春アドベンチャー)

1996年から2003年まで毎年1作品ずつ制作されていた、NHK名古屋局による脚本家競作のオムニバスラジオドラマシリーズ。 通称、「10人作家シリーズ」と呼ばれるこのシリーズの第7弾が、本作品「私の告白」でした。 「10人作家シリーズ」と言えば「難解・地味・沈鬱」が特徴です。 各回のテーマを見ても「夢」、「記憶」、「嘘」、「悪戯」など、如何にもなものが並びますが、そんな中では本作品は「告白」という暗くなりがちな共通テーマが設定されている割には、いつになく明るい雰囲気の作品になっています。 その最大の原因は、やはり主演を務める中江有里さん、松田洋治さんのフレッシュな声でしょう。
格付:B

考古学的考察による1991年 作:藤井青銅(サウンド夢工房)

こちら30世紀の3Dラジオステーション。 20世紀の皆さん、聞こえますか。 現在、時空変換システムを使って、30世紀から1000年過去の1991年に向かって電波を発信しています。 1991年には何があったのか、その情報の大部分が30世紀ではすでに失われていますが、発掘された「かせつとてえぷ」を分析した最新の考古学の成果を電波に乗せて発信します。 20世紀の古代日本人の皆さん、聞こえますか。 我々の研究結果は正しかったのでしょうか。
格付:B

もしかして時代劇 原作:宮本昌孝(アドベンチャーロード)

芸能界志望の17歳の女の子・津田美雪は、「ミス花らっきょ」のオーディションのために訪れた福井県で、天正年間の戦国時代にタイムスリップしてしまった。 現代に帰る手段もなく、悲嘆に暮れる美雪……なんて事は全くなく、茶々姫(後の淀君)と入れ替わったのをいいことに、さっさと戦国時代に適応し、侍女や家来たちをあごで使い始める美雪。 しかも何を勘違いしたか、「歴史を変えるようなメチャクチャなことをすればタイムパトロール(←そんなものはいない)に捕まって現代に帰れるに違いない」と思い込んでしまったから、さあ大変。 のんきで世の中全部が自分中心に動いていると思っている少女の、成り行き任せの冒険が始まった。
格付:B

笑う20世紀パート2 作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

脚本家・構成作家の藤井青銅さんによるコメディ短編ラジオドラマ集である、「笑う」シリーズの第2作目が本作品「笑う20世紀パート2」です。 藤井青銅さんの公式HPによれば、第1作は、ラジオドラマの制作以前に藤井青銅さんが書いた原作本をもとにした作品でしたが、このパート2はラジオドラマオリジナル脚本として書き下ろされたもののようです。
格付:B

笑う20世紀 原作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

青春アドベンチャーに最も多くの脚本を提供している脚本家・構成作家の藤井青銅さんによるショート・ショート集「笑う20世紀」をラジオドラマ化した作品です。 原作本は15作品で構成されていましたが、そのうち9作品が本作品でラジオドラマ化されました。 原作本のうち本作品でラジオドラマ化されなかったのは、「新聞が来た日」、「火事男」、「古典芸能の夕べ」、「こおろぎ橋」、「現代人は病んでいる」、「たぬきのくじ」の6作品です。
格付:B

記憶の城 作:大田淳子ほか(青春アドベンチャー)

青春アドベンチャーはNHK-FMのラジオドラマ番組ですが、この「記憶の城」はNHKはNHKでもNHK名古屋局によって制作された作品です。 青春アドベンチャーでは例年2月ごろを中心に名古屋局の制作作品が放送されることが多いのですが、1996年放送の「新・夢十夜」以降しばらくの間は、10人の脚本家がオリジナルストーリーを1本ずつ担当する「十人作家シリーズ」(ネットにおける通称として名古屋脚本家競作シリーズ)が放送されていました。 本作品「記憶の城」はその第2弾であった作品です。
格付:B

嘘の誘惑 作:物部俊之ほか(青春アドベンチャー)

NHK名古屋局が制作した、一連のオムニバスラジオドラマ作品。 「10人作家シリーズ」、「名古屋脚本家競作シリーズ」とも呼ばれる、これらの作品群の中でも3番目に制作されたのが、この「嘘の誘惑」です。 このシリーズは、各作品ごとのテーマに沿った1回15分の短編ラジオドラマを様々な脚本家が書き下ろすものです。 ただし、同様の内容の別のシリーズ、すなわち「不思議屋シリーズ」や「ライフシリーズ」と異なり、テーマの縛りはあまり厳しくはないように感じます。 特にこの「嘘の誘惑」については、ドラマを作ればどんな作品であれ「嘘」の要素のひとつやふたつは入るでしょうから、その意味では縛りはないに等しい状況です。
格付:B

星虫 原作:岩本隆雄(青春アドベンチャー)

「こんばんは、ニュース9です。 本日最初のニュースは「星虫」についてです。 (映像スタート) 6日前に、宇宙から飛来し世界30億人の人々の額に張り付いた「星虫」と呼ばれる謎の生物。 張り付いた人の視覚、聴覚等などを大幅に向上させ、地球が危機的状況にあることを極めて効果的に人類に悟らせることに成功しました。 しかし、時間と伴に星虫は巨大化。 (10cmに巨大化した星虫が張り付いている人の顔をクローズアップ) 徐々に星虫を取り外す人が増えてきました。 本日、米国の「星虫委員会」も、「このまま星虫が成長すると本人の意思では取り外すことが出来なくなる可能性がある」との声明を発表。 すでにわが国ではほとんどの人が星虫を取り外すことを選択しました。 しかし、○○県の○○市で高校生の男女ふたりが星虫を外すことを拒否し、土蔵に立てこもるという事件が起きています。 家族の必死の説得にも関わらず、ふたりは「星虫は悪い虫ではない」と主張。 日本に残った最後の星虫所有者を取材しようと報道陣も殺到し、現場は混乱しています。 それでは現場を呼んでみましょう。 現場の○○さん!」
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