格付:B

格付:B

笑う20世紀 原作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

青春アドベンチャーに最も多くの脚本を提供している脚本家・構成作家の藤井青銅さんによるショート・ショート集「笑う20世紀」をラジオドラマ化した作品です。原作本は15作品で構成されていましたが、そのうち9作品が本作品でラジオドラマ化されました。原作本のうち本作品でラジオドラマ化されなかったのは、「新聞が来た日」、「火事男」、「古典芸能の夕べ」、「こおろぎ橋」、「現代人は病んでいる」、「たぬきのくじ」の6作品です。
格付:B

記憶の城 作:大田淳子ほか(青春アドベンチャー)

青春アドベンチャーはNHK-FMのラジオドラマ番組ですが、この「記憶の城」はNHKはNHKでもNHK名古屋局によって制作された作品です。青春アドベンチャーでは例年2月ごろを中心に名古屋局の制作作品が放送されることが多いのですが、1996年放送の「新・夢十夜」以降しばらくの間は、10人の脚本家がオリジナルストーリーを1本ずつ担当する「十人作家シリーズ」(ネットにおける通称として名古屋脚本家競作シリーズ)が放送されていました。本作品「記憶の城」はその第2弾であった作品です。
格付:B

嘘の誘惑 作:物部俊之ほか(青春アドベンチャー)

NHK名古屋局が制作した、一連のオムニバスラジオドラマ作品。「10人作家シリーズ」、「名古屋脚本家競作シリーズ」とも呼ばれる、これらの作品群の中でも3番目に制作されたのが、この「嘘の誘惑」です。このシリーズは、各作品ごとのテーマに沿った1回15分の短編ラジオドラマを様々な脚本家が書き下ろすものです。ただし、同様の内容の別のシリーズ、すなわち「不思議屋シリーズ」や「ライフシリーズ」と異なり、テーマの縛りはあまり厳しくはないように感じます。特にこの「嘘の誘惑」については、ドラマを作ればどんな作品であれ「嘘」の要素のひとつやふたつは入るでしょうから、その意味では縛りはないに等しい状況です。
格付:B

星虫 原作:岩本隆雄(青春アドベンチャー)

「こんばんは、ニュース9です。本日最初のニュースは「星虫」についてです。(映像スタート)6日前に、宇宙から飛来し世界30億人の人々の額に張り付いた「星虫」と呼ばれる謎の生物。張り付いた人の視覚、聴覚等などを大幅に向上させ、地球が危機的状況にあることを極めて効果的に人類に悟らせることに成功しました。しかし、時間と伴に星虫は巨大化。(10cmに巨大化した星虫が張り付いている人の顔をクローズアップ)徐々に星虫を取り外す人が増えてきました。本日、米国の「星虫委員会」も、「このまま星虫が成長すると本人の意思では取り外すことが出来なくなる可能性がある」との声明を発表。すでにわが国ではほとんどの人が星虫を取り外すことを選択しました。しかし、○○県の○○市で高校生の男女ふたりが星虫を外すことを拒否し、土蔵に立てこもるという事件が起きています。家族の必死の説得にも関わらず、ふたりは「星虫は悪い虫ではない」と主張。日本に残った最後の星虫所有者を取材しようと報道陣も殺到し、現場は混乱しています。それでは現場を呼んでみましょう。現場の○○さん!」
格付:B

草上仁のミラクルワールド (青春アドベンチャー)

草上仁さんは、青春アドベンチャーでも有数の採用作品数の多い作家さんで、「くたばれ!ビジネスボーグ」(1993年)、「ウェディング・ウォーズ」(1995年)、「お父さんの会社」(1996年)、「愛のふりかけ」(2000年)の4作品が、それぞれ連続10回でラジオドラマ化されています。この記事でご紹介する「草上仁のミラクルワールド」はこれらの作品と異なり、その名のとおりハヤカワ文庫から出版しているの短篇集「お喋りセッション」、「ラッキー・カード」、「ゆっくりと南へ」の中から4篇を選び、各1回15分でラジオドラマ化したショートショートラジオドラマ作品です。ちなみに全4回と中途半端な放送回数なのは、11月3日が特番でお休みであったためのようです。
格付:B

「卯」の音も出ない! 作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

銀河連邦からこの星に派遣され、人間が間違った方向に進まないか、近い将来この星を銀河連邦に入れても大丈夫か、を監視するのが我々の役目である。そう我々は監視員。今年も、1年間、虎(寅)に扮してこの星を見守ってきた監視員から、来年、兎(卯)に扮する監視員に引き継ぎを行う時期がやって来たのだ。いい時だけチヤホヤする飽きっぽい性格、行き当たりばったりの経済運営、物質的な満足のみを追い求め心の満足に気づかない、そして自ら文化を育てようとしない…この国の人々の性質は少しは変わったのだろうか。
格付:B

マージナル 原作:萩尾望都(サウンド・ファンタジードラマ)

2999年。D因子の蔓延により地球に住む人々の遺伝子は汚染され、女性が生まれなくなっていた。月のカンパニーの支配の下、たった一人の女性「マザ」のほかは男ばかりの世界。しかも、そのマザも年老いて十分に子供を供給できなくなっていた。存続しているのがやっとのギリギリの(マージナルな)世界。新しいマザの出現を促すために、年老いたマザを暗殺したグリンジャは、逃走する途中で、行き倒れている美しい少年に出会う。少年は「キラ」という謎の言葉をつぶやくのだが…
格付:B

スペース・マシン 原作:クリストファー・プリースト(青春アドベンチャー)

1893年、イギリスはヨークシャー。自動車運転用のゴーグルのセールスマンをしていたエドワード・ターンブルは、アメリア・フィッツギボンという令嬢と出合う。アメリアは大発明家であるレナルズ教授の秘書をしているという。彼女の美しさに一目ぼれし、また、彼女を通じてレナルズ教授にゴーグルを売り込めれば一儲けできると考えたエドワードは、アメリアへの接触を図る。しかし、アメリアはエドワードが思っていたよりずっとお転婆で、しかも、レナルズ教授はエドワードが想像していたよりずっととんでもないものを発明していたのだった。
格付:B

シブちゃん 原作:香取俊介・田中渉(青春アドベンチャー)

“シブちゃん”こと、都立池袋西高・定時制2年生の大河原渋(おおがわら・しぶ)が姿を現したのは、行方不明になってから1週間後だった。この1週間の間、何をしていたのかを一切語らないシブちゃん。しかし、シブちゃんの中の何かが変わっていた。父親は事業が失敗して破産・失踪、母親は難病でもう何年も生きられない。すっかり人生を諦めかけていたはずのシブちゃんが、一念発起。起業して母親の手術費用1億5千万円を稼ぐと言い出したのだ。そう、確かにシブちゃんは変わった。周りの人間には1週間でも、シブちゃんにとっては8年間の歳月が過ぎていたのだ。それもただの8年間ではない。幕末から明治に至る濃密な8年間を渋沢栄一という希代の偉人と伴に駆け抜けたのだ。渋沢栄一の言葉を胸に、シブちゃんと仲間達の“エコ食堂”が動き始めた。
格付:B

来年こそはワン!だふる 作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

銀河連邦から十二支に扮した監視員が派遣され、この国を監視すること、はや1000年以上。今年もまた、人類は銀河連邦への加盟に値するほど成熟できずに年末を迎え、酉(トリ)に扮した監視員から戌(イヌ)に扮した監視員へ、年末恒例の業務の引き継ぎが行われている。それに耳を傾けて、今年この国で何が起こったのかを振り返ってみよう。
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