格付別一覧

格付:AA

武揚伝 原作:佐々木譲(青春アドベンチャー)

榎本釜次郎武揚(ぶよう/たけあき)がオランダ留学から戻ったのは1867年(慶応3年)。少禄とはいえ武士の子である武揚がエンジニアを目指したのは、この国難の時代、日本には100の議論を重ねるより100人の技師が必要だと思ったからだ。しかし、幕府発注の最新鋭艦・開陽丸(かいようまる)を操船して帰国した武揚を待っていたのは、予想を超えて急転していく時代の流れだった。最新鋭の軍艦という確固たる武力を掌握する武揚。ゆえに、時代は彼を徳川家に忠実な一技師であることを許さない。阿波沖海戦、江戸脱走、奥羽越列藩同盟への参加、そして函館戦争。流転の幕臣が遂にたどり着いたのは、衆議で国のあり方を決める「共和国」というひとつの夢であった。
格付:A

続・カムイ外伝 原作:白土三平(ダミーヘッド・アドベンチャー・スペシャル)

抜忍 心得の条我が命 我がものと信ず忍びの儀 あくまで陰にて己の器量伏し定命 如何にても守るべしなお、死して屍拾う者なし 死して屍拾う者なし(黒沢良さんによる「大江戸捜査網」のナレーション風に再生してください)
格付:A

無限への崩壊 原作:荒巻義雄(アドベンチャーロード)

私は中央社会保管局国際心理警察機構の特殊浄化要員、いわゆる“ミュータンツハンター”だ。ミュータンツとは、人類の中から誕生を始めた、超能力も持つ新人類。しかし彼らの存在は人類社会に発展ではなく、混乱をもたらす。我々の社会はそう判断した。そう、ミュータンツは人類の一部ではない。人類の敵だ。とはいえ外見は我々人類と全く異ならない彼らミュータンツを抹殺する任務は、ライセンスを持つハンターにとってもストレスが大きい。思いあたるはっきりとした理由はないものの、ある時期から精神の平衡を欠くようになってしまった私は、精神分析医の元におくられることになったのだが。
格付:AA

ホワイトダスト 作:長田育恵(FMシアター)

目覚めると、そこは知らない部屋だった。ここはどこだ…俺はなんで…そうだ「プロジェクト」だ。俺は、あのプロジェクトに自ら志願して冷凍睡眠に入ったのだ。と、なると今は何年なんだ。あれから何年経った?地球はどうなっているんだ。ホワイトダストはどうなった?くそっ、この窓のない部屋では外の様子がわからない。女性がひとりいるだけで他には何もないこの部屋では……?女性!?
格付:B

カムパネルラ 原作:山田正紀(青春アドベンチャー)

岩手県の花巻に向かったのは、遺言に従い母の遺骨を花巻の豊沢川に撒くためだった。宮沢賢治が大好きだった母らしい遺言だが、毎日忙しいぼくからすると、何とも厄介な遺言だ。普段の仕事で疲れていて、何度も寝てしまったからか道中の記憶は飛び飛び。だが、ようやく大沢温泉郷に到着した。後は川まで下りて遺灰を撒くだけのはずだったのだが…現在は昭和8年9月19日、近所でやっている葬式は宮沢賢治の葬式だという。僕は寝ている間にいつの間にかタイムスリップしてしまった?いや、そもそも宮沢賢治が死んだのは昭和8年9月21日のはずだ。これは一体?
作品紹介の補足

近藤史恵さん原作「昨日の海は」の真相を妄想で勝手に補足する企画。真犯人は「○○の○」?

【ラジオドラマのストーリーを勝手に裏読みする企画・第2弾。「昨日の海は」について妄想がたどり着いた結論は?】最近、ランニング中にラジオドラマを聞き返すことが習慣になっています。ランニングの時間は、短いときで30分くらい、長いときは1時間半く...
格付:A

暁のハルモニア 作:並木陽(青春アドベンチャー)

17世紀、ドイツは戦乱の渦中にあった。三十年戦争。カトリックとプロテスタントの間で争われた最後にして最大の宗教戦争により、国土は荒廃、住民たちは塗炭の苦しみを味わっていた。後世から見れば「暗黒の中世」は終わりを告げつつある時代。しかし、イタリアでガリレオ・ガリレイが「それでも地球は動く」と呟かざるを得なかった時代でもある。いわんやドイツにはまだ近代文明の曙光もさしていない…ように見える。しかし、そんな時代でも新しい学問を求め歩みを止めない青年がいた。彼の名はヨアヒム・ハインツェル。若き天文学者であるヨアヒムは戦乱で大学を焼け出され、行くところがない。しかし、これ幸いと、予てから憧れていた大天文学者ヨハネス・ケプラーに会いに行くことに決めた。神のあり方を巡って混乱する地上。しかし、真理の光があれば世に調和をもたらすことだってできるはずなのだ。
格付:B

春を待つ音 作:葉月けめこ(FMシアター)

母の遺品の中から見つかった1枚の写真。「糸島にて家族写真」とメモされたその写真には、亡き母と3歳の私、そして見知らぬ男性が写っていた。父は私が生まれる前に死んだ、母からそう教えられてきた。そういえば体調を崩した母が唯一行きたがっていたのは福岡県の糸島だった。そこに何があるというのだろうか。
格付:B

なにわ純情ナイトメア 作:蔭岡翔(青春アドベンチャー)

梅田再開発ビルの内装工事を受注した祝勝会の席上で、上司から逆玉の話を持ちかけられた主人公・徳永浩一。しかし、彼には大阪で同棲中の彼女がいた。確かに功績が認められたのは嬉しいし、東京に戻るつもりだったのも事実。それに、最近彼女とあまり上手くいっていない。しかし、上司の「見合いを断ることは論外!」という態度は、正直、困る。鬱々とした気分の帰り道、飲み直そうと見慣れぬ屋台に立ち寄った浩一は、そこに絶世の美女の女将を見つけたのだが…
格付:AAA

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 原作:今村翔吾(青春アドベンチャー)

藩が用意した支度金はわずか200両。火消組は維持するだけで年間1000両はかかる。しかも、実際に消火作業を行う鳶(とび)は定員を遙かに割り、補佐役は経験皆無の若造のみ。火消に欠くことのできない七つ道具すら満足に揃っていない。そんな新庄藩・火消組をわずか200両で再建せよと?「火喰鳥」と呼ばれ、江戸一番の火消と持て囃されたのは昔のこと。今の俺にそれができるだろうか。いや、もう一度、向き合うと決めたのだ。だからこそ、家老の前でこう宣言する。「火消として必ずや名を上げて見せましょう。2年、いえ1年と半で結構。ただし…」条件はただひとつ。「拙者のやりように一切の口出し無用に願います。」
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