- 作品 : いつも誰かが…
- 番組 : サウンド夢工房
- 格付 : B
- 分類 : 幻想(日本/ライト)
- 初出 : 1991年9月30日~10月4日
- 回数 : 全5回(各回15分)
- 作 : 雁田昇
- 演出 : 多田和弘
- 主演 : 増田未亜
背はあまり高くないけど顔もプロポーションもまあまあのごく普通の高校生、風子。
ある日彼女は、自分にほんの少しだけ先の出来事を予知できる超能力があることに気づいた。
こんなささやかな能力では彼女のまわりで大事件が起きたりはしない。
でも彼女の日常は少しづつ変化を見せる。
友人との付き合い方、気になる男性との関係…
今日も誰かが体験しているかもしれない、少しだけ不思議な物語。
本作品「いつも誰かが…」は1991年にNHK-FMの「サウンド夢工房」で放送されたオーディオドラマで、原作はなく放送作家の雁田昇さんが書かれたオリジナル脚本をドラマにしたものです。
ちなみにこの雁田昇さん、フォークシンガー又は俳優として活動されるときは佐藤博(佐藤GWAN博)と名乗っているそうです。
ささやかな超能力
さて、本作品は、普通の女子高生がささやかで不確かな超能力を得たことによって起こる出来事を描くものです。
作中、主人公の風子は、冒頭の粗筋に書いた中途半端な予知能力の他、いくつかの超能力を得るのですが、いずれも世の中を変えたり、他人を制圧できるような派手な力ではありません。
それに応じて起こる出来事も「騒動」レベルにすら至らず、あくまで彼女の生活範囲内のパーソナルな関係性の微妙な変化や淡い成長に終始します。
つまりいわゆる少女小説的な軽い内容なのですが、こんなことができたらいいなあと思いながら気軽に聴く分にはストレスのかからない気持ちの良い作品だと感じました。
各回のサブタイトル
各回のサブタイトルは以下のとおりです。
このうち第1回から第4回は最後に「超能力講座」なるミニコーナーが付いています。
このコーナーだけで2~3分あるため、全5回という少ない放送回数とあわせて実質的なドラマ部分はかなり短いのですが、超能力要素をうまく生かしたストーリーだと思います。
- 誰かが目ざめる
- 誰かが泣いている
- 誰かが飛んでいる
- 誰かが歌っている
- 誰かが夢見てる
主演は増田未亜さん
さて、本作品の主役・風子を演じたのは女優の増田未亜さん。
この時期、NHK-FMの多くの作品に出演されており、本ブログでも「ふたり」や「キャロル」、「分身」などを紹介済みです。
本作品では増田さんの「愛がいちばん」や「スクール・デイズ」という楽曲がテーマ曲的に使われています(参考外部サイト:抄話館 穏悠堂)。
唐沢寿明さんご出演!
そして本作品のキャストで忘れてならないの増田さんの相手役を演じた俳優の唐沢寿明さん。
いわずとしれた有名俳優さんですが、唐沢さんがテレビドラマ「愛という名のもとに」でトレンディ俳優として一躍有名となるのは本作品の翌年である1992年。
すでに朝の連続テレビ小説「純ちゃんの応援歌」や大河ドラマ「春日局」に出演されており一定の知名度はありましたがブレイク前夜という感じでした。
女優の山口智子さんと結婚されるのは4年後、大河ドラマ「利家とまつ~加賀百万石物語~」に主演するのは11年後ということになります。
本作品での唐沢さんの声は「あれ、唐沢さんてこんな声だったっけ?」という感じですが、それは私にとって「白い巨塔」の印象が強すぎて、しかめっ面と暗い口調の演技ばかり思い出してしまうからかもしれません。
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