イッセー尾形のたゆたう人々 (青春アドベンチャー)

格付:B
  • 作品 : イッセー尾形のたゆたう人々
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : B-
  • 分類 : 日常
  • 初出 : 1996年9月23日~10月4日
  • 回数 : 全10回(各回15分)
  • 原作 : イッセー尾形
  • 作  : 近藤峰子、柴田喜幸
  • 音楽 : 内橋和久
  • 演出 : 吉田努
  • 主演 : イッセー尾形

1995年から1997年の各9月に1作品ずつ制作された、イッセー尾形さんフィーチャーの3連作。
本作品は1995年の「凡庸の極み」に続く第2弾で、翌1997年に制作された「たまゆら日記」との間に放送されました。



対象年齢不明・笑いどころ不明

3連作はいずれも、一般的な意味では「青春」とも「アドベンチャー」とも言い難い内容。
まあ「人生はアドベンチャー」(「凡庸の極み」より)な訳ではありますが、少なくとも「青春」ではない。
他の作品では、例えば一見老人が主人公の「三匹のおっさん」も狂言回しは若者ですし、佐々木譲さん原作で結構大人向けかなと思っても青年期だけを扱った作品だったり(武揚伝)するのですが、本作品は本当に対象年齢がわからない。
しかも、何せイッセー尾形さんですので、基本的には中年のおっさんが日常生活で何かしら空回りし、それに対してブチブチ愚痴を言っているような内容の作品ばかり。
イッセー尾形さんというと(中高年の方にとっては)「意地悪ばあさん」の早野巡査のイメージもあり、コミカルな内容を想像するかも知れませんが、正直、本作品は「凡庸の極み」以上に、笑うにはかなりレベルの高いイッセー尾形ファンである必要性がありそうです。
…であるのですが…

でも意外と滲みる

別に本作品がギャラクシー賞の奨励賞を受賞しているからという訳では全くないのですが、個人的には「凡庸の極み」よりかなり気に入っている作品が多い。
正直1・2話はよくわからない感じでしたが、3話以降の「小手先の虹」や「102号」、「新曲の構想」の人生模様の中で浮かび上がる微妙な不条理さや、やるせなさが妙にしみました。

各回タイトルなど

…などと書いてきましたが、何だかうまく作品の雰囲気を表せませんね。
なのでここでは作中で毎回イッセーさんが読み上げる以下の文章を記しておきたいと思います。

ああ、この人々はどこへ行くのでありましょう。
あの町この町、日が暮れて。
たゆたいながら人々は、今日もまたあなたの近くに。
あの人の小さな冒険、始まるのです。
あなたの近くにこんな人はいませんか?

(各回タイトル)

  1. エジプトの女
  2. 作太郎の恋
  3. 小手先の虹
  4. 102(イチマルニ)号
  5. 新曲の構想
  6. 無伴奏
  7. 海辺のセラピー
  8. 出張
  9. 警備員
  10. ピクニック

上記の各回のタイトルは放送内容を音で聴きとったものなので漢字使いには誤りがあるかもしれません。
実は「凡庸の極み」と異なり本作品にはイッセーさんご自身による原作「いつか、スパゲティ」があるので、それを確認すれば正確なタイトルがわかるはずなので、いつかきちんと確認したいものです。

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格付:B
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