猿がヂャラヂャラ 作:綾瀬麦彦(サウンド夢工房)

格付:A
  • 作品 : 猿がヂャラヂャラ
  • 番組 : サウンド夢工房
  • 格付 : A-
  • 分類 : 多ジャンル(その他)
  • 初出 : 1992年1月6日~1月17日
  • 回数 : 全10回(各回15分)
  • 作  : 綾瀬麦彦
  • 音楽 : 天上昇(テーマ音楽作曲)
  • 演出 : 千葉守
  • 主演 : 金田明夫




1992年・申年の年頭に「サウンド夢工房」にて放送された、サル尽くしバラエティドラマ番組、それがこの「猿がヂャラヂャラ」でした。

干支シリーズ風味もある

「サウンド夢工房」の後継番組の「青春アドベンチャー」では、1993年12月に放送された「我輩は犬である」から毎年年末に干支に引っかけたコント番組(いわゆる「干支シリーズ」)を放送していました(2009年まで)。
それ以前の年末特番は、1991年12月の「考古学的考察による1991年」、1992年12月の「アドベンチャー的五大ニュース」が制作されているのですが、干支には関係なし。
干支ネタと言うことで言えばこの「猿がヂャラヂャラ」が干支シリーズのご先祖的な企画といえるかも知れません。

各回の概要

さて、本作品は10回連続で放送された作品ですが各回の大まかな流れは以下のとおり。「モンキーシアター」を中心としていくつかのショートコーナーで構成されています。

パート 概要
オープニング 兄と妹がラジオ番組「猿がヂャラヂャラ」を聞き始めるというメタ展開で毎回番組はスタートする。
モンキーシアター 猿に関するドラマが展開される。半分程度の時間がこのコーナーに割かれる本番組の中心的なパート。詳しくは後記のとおり。
猿類学豆知識 正確には「大学受験ラジオ講座・猿(ましら)教授の猿類学豆知識」。毎回、猿に関係するトリビアが披露される。事情により猿教授以外が案内役になる回もある。基本的に短いコーナーで回によってはあっという間に終わる。
突撃実況生中継 レポーターが日本各地の猿に関係する名所から実況中継しているという体をとる。徐々にモンキーシアター第1回のレッドヒップ号の事件にリンクし、全体の縦糸的な役割を担う。
次回予告 実際の放送内容と関係があったりなかったりする、やけに大げさな次回予告が放送される。ちょっと「東京防衛軍」の次回予告を思いだした。
エンディング オープニングの兄妹が登場して締めることもあるが、特にコーナーという程の内容もなくあっさり終わる回もある。

モンキーシアターの概要

作品全体はコメディ調でつくられており、それはメインの「モンキーシアター」も同じなのですが、良く聞くと「モンキーシアター」は笑いでオチて終わらない話は多く、以外とまじめな内容です。
モンキーシアターの各階の概要は以下のとおりです。
もちろん全話、猿関係。馬鹿馬鹿しい設定でも金田明夫さんは本気で演技されているのが素晴らしいですね。

タイトル 概要
1 レッドヒップ号失踪の謎 有猿火星探査船を操る猿・キキに異星人が接触を図る【SF(宇宙)】
2 怪談猿橋 1300年前の山梨。何度も橋を流された百済人技術者に猿が知恵を授ける【ホラー】
3 今猿蟹 猿蟹合戦を猿の立場から描く。蟹は周りを都合良く動かそうしているだけ?【伝奇】
4 新説キングコングの逆襲 人間の身勝手により遺伝子改良されたキングコングが人間に復讐する【SF(海外)】
5・6 猿飛佐助駿府城侵入 亡き真田幸村の意志を継ぎ家康暗殺に挑む大型忍術時代劇【伝奇(日本)】
7 パンツをはいた猿 漫才チックミニ芝居。新橋演舞場でやっている漫才を中継しているという体裁【コメディ】
8 雨に濡れた紫陽花 高崎山で飼育員に一目ぼれしたメスザル。所詮かなわぬ恋なのか【恋愛】
9 僕にはスニーカーがあればいい 名曲「Stand by me」に彩られた犬・猿・雉の青春物語?【旅とグルメ】
10 バナナの惑星 遠い未来、人間とサルはバナナに支配されていた、という終末SF【SF(その他)】

重いテーマも軽く

モンキーシアターは割とまじめな話が多いですし、最終回はどのパートも人間の傲慢さに疑問を投げかけるシュールな展開なのですが、それでも全体のトーンは後年の干支シリーズや「東京防衛軍」といった藤井青銅さん脚本作品のノリに近く、どこまでも軽い。
ただし、本作品の脚本は藤井青銅さんではなく、綾瀬麦彦さんです。
綾瀬さんは、青春アドベンチャーを代表する超大作「封神演義」や極めて濃い内容の「せいけつ教育委員会ホイホイ」を脚色されたほか、「ブラックホール」で青春アドベンチャーでのオリジナルオムニバスに先鞭を付けるなどご活躍されていた方ですが、2009年に55歳の若さで亡くなられています。





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