格付:A

格付:A

ふたりの娘 作:新井まさみ(FMシアター)

建付けの悪い扉を力いっぱいに開けたら、向こう側に1人の少女が立っていた。 わざわざ東京から京都まで訪ねて来たはずなのに、すぐに帰ろうとする少女の態度に不審を感じて問い詰めると、彼女は父の不倫相手の娘だった。 父が遺書にとんでもないことを書いていることが発覚して、今、両親は離婚寸前。 娘である私としても父に裏切られたという思いしかない。 寄りにもよってこんなタイミングでやってきたこの少女は、またとんでもないことを言い出した。 不倫相手の女が死んで、そちらも遺言を残したというのだ…
格付:A

手を振る仕事 作:足立聡(FMシアター)

僕は車掌になりたくてこの鉄道会社に入った。 でも会社の同僚たちからイジメを受け体調を崩して、今は線路沿いの建物から電車の乗客に笑顔で手を振る仕事をしている。 「そんな仕事、意味あるのかな」 彼女の最後の言葉が今も頭から離れない。 そんなに僕の仕事は恥ずかしいのかな。 この部署はいらない人間の集まりなのかな。
格付:A

漆黒に落ちる 作:原田裕文(FMシアター)

冬の深夜、ライブ配信で心霊スポットをリポートするために廃坑を訪れた4人の若者。 ライバー、ライバーに仕方なくつきあっている友人、たまたま卒業旅行代わりにやってきた札幌の大学生、映像作品を撮るためにやってきた東京の大学生。 参加した動機は様々だが所詮はお遊び、安全第一という雰囲気が漂う中、カメラマン役の女子大生だけは真剣だった。 しかしいくら東京の大学で映像の勉強をしていると言っても真剣すぎやしないだろうか。 彼女は「みんなも絶対に逃げないで。最後まで絶対に関わって欲しい」とまで言っているのだが。
格付:A

70歳の受験生 作:さわだみきお(FMシアター)

母・洋子の四十九日法要の日、集まった家族に向かって父・誠は宣言した。 「俺ももう七十。残りの人生を自分自身のために過ごしたい。今年から受験生になる!」 驚愕する家族。 特に息子の修一は「年相応の生き方をすべき」と父の行動を全否定。 腹を立てた誠は早速、受験予備校に入学。高校生の塾友と一緒に勉強を始めた。 しかし、現実は勉強勘を取り戻すことに精一杯で、何度模試を受けても志望校の合格ラインには届かない。 やはり無謀な挑戦なのだろうか。 誠はなぜこんなことを始めたのだろうか。
格付:A

青髭公の五番目の花嫁 作:吉田小夏(青春アドベンチャー)

街医者の娘リリアナは、隣国の森で青く光るハッカを見つける。 父の薬草づくりの助けにと、それを摘もうとしたリリアナだが、そこに紫色の瞳と青い髪を持ち、甘い白檀の香りを漂わせる高貴な男性が現れる。 彼の名はガデル・マグダヌール公爵。 この森は彼の領地、彼女は隣国の領主の森を侵したのだ。 彼女の命を奪おうとする公爵だが、彼の城で一生を共にすることを条件に助命を許す。 リリアナは思い出す。 隣国の領主は、青い吸血蝙蝠の血を引く呪われた一族の末裔と噂されていることを。 彼に嫁いだ4人の女性が次々と不審な死を遂げたことを。 そして彼が青髭と呼ばれていることを。
格付:A

かがみ池のからくり 作:松村武(青春アドベンチャー)

30目前の売れない歴史ライター・能垣拓郎(のうがきたくろう)と、サブカル好きの女子大生・鳥留つむぎ(とりとめ・つむぎ)が向かったのは「かがみ池」。 拓郎には微妙なパワースポットにしか見えないが、つむぎがいうには「知る人は知る聖地」らしい。 かがみ池の水面をのぞき込むと、何者かの呪いによって陰で操られている人はその陰の主が水面に映る。さらに、その水面に何も映らない場合は…とのことなのだが。 もちろん拓郎はこの与太話を信じてここまで来たわけではない。 旅雑誌の取材で訪れた祭りで出会った鳥留つむぎという可愛い女の子との距離を縮めたかっただけなのだ。 しかし、彼らはそこで歴史ライターでもサブカル好きでも予想もできないような出来事に巻き込まれることになる。 物語の始まりは平成バブルがはじけて間もないころ。 パフィーの「サーキットの娘」が流行っていた1990年代後半のことである。
格付:A

柳生非情剣 原作:隆慶一郎(青春アドベンチャー)

織豊政権下で没落し領主としての地位を失った柳生一族。 剣に没頭し兵法家として狭い世界での名声に甘んじる父・石舟斎の態度が、宗矩には我慢できない。 失った領土を取り戻してこその剣ではないのか。 敢えて柳生庄を離れ、広い世界で剣の腕を磨きながらついに得た立身出世のチャンス。 2代将軍・徳川秀忠の兵法(剣術)指南役。 その実態は政権を守るための裏の仕事をこなす汚れ役。 しかし宗矩はこの機会を逃さない。 必ずや江戸に柳生新陰流ありと、その名を全国に轟かせてみせる。 そして領地を取り戻し最後には大名の座に上り詰めるのだ。
格付:A

うつ病九段 原作:仙崎学(FMシアター)

頭がぼやっとする。覚えられない。考えられない。 一体どうなっちまったんだ、俺の頭は。 小学5年のときに奨励会に入会。俺のあだ名は「天才」だった。 以来、将棋一筋。 そんな俺が将棋を打てない。 心配した妻が呼んだ精神科医の兄貴が俺の顔を一目見るなり言った。 「学…。どうしたんだ。いつからこんな状態だ。」 2017年8月。俺は本格的におかしくなっていた。
格付:A

成吉思汗の秘密 原作:高木彬光(アドベンチャーロード)

名探偵・神津恭介、病に倒れる! 衝撃的な知らせに友人の探偵作家・松下研三は慌てて病院に駆け付けたが、病気は盲腸で、命に別状はないとのこと。 ほっとするとともに普段多忙な神津を休養させるいい機会だと考えた松下だが、無聊を託つ神津は今にも退院してしまいそうだ。 そこで松下は一計を案じ、神津にあるゲームを提案する。 日本史最大のミステリー「源義経=ジンギスカン説」を神津の天才的な頭脳をもって病床にいながらにして解いてみたはどうかと提案したのだ。
格付:A

あっちが上海 原作:志水辰夫(FMアドベンチャー)

東シナ海で漁船を遭難させることに成功した詐欺師の岩内亮。 しかし、彼はこの東シナ海で保険金詐欺以上の金儲けの匂いを嗅ぎつけた。 偶然にも米軍の秘密偵察機が近くに墜落したのだ。 そして匂いに惹かれて集まってきた面々も想定以上。 CIA、KGB、モサド、そして中国の諜報部。 岩内の明日はどっちだ?
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