ふたりの娘 作:新井まさみ(FMシアター)
建付けの悪い扉を力いっぱいに開けたら、向こう側に1人の少女が立っていた。
わざわざ東京から京都まで訪ねて来たはずなのに、すぐに帰ろうとする少女の態度に不審を感じて問い詰めると、彼女は父の不倫相手の娘だった。
父が遺書にとんでもないことを書いていることが発覚して、今、両親は離婚寸前。
娘である私としても父に裏切られたという思いしかない。
寄りにもよってこんなタイミングでやってきたこの少女は、またとんでもないことを言い出した。
不倫相手の女が死んで、そちらも遺言を残したというのだ…