格付別一覧

格付:B

ヨコハマ・ジャスミンホテル 作:吉田小夏(青春アドベンチャー)

関東大震災から3年後の横浜。客と揉めて洋食屋を追い出された清水桂吉(けいきち)が転がり込んだのは、本牧にあるジャスミンホテルというチャブ屋、すなわち外国人相手の娼館だった。コックの見習いとして働く桂吉だが、トラブルに巻き込まれながらも横浜に拘る桂吉には横浜でないといけない理由があった。それは人探し。サファイアの指輪を持つ女とルビーのついた懐中時計を持つ男を探すために桂吉は横浜に来たのだ。異人ではないけど青い瞳を持つふたりを。
格付:A

嘘か真か 作:井上悠介・池谷雅夫(青春アドベンチャー)

高校1年になって早3カ月。現実世界で楽しく生きることは諦めた。だって俺たちはモブなんだから。モブだよモブ。つまり名無しの群衆、脇役にも満たないキャラクター。だから俺は現実の世界で頑張ることを放棄しSNSの世界をエンジョイすることに決めた。俺の投稿した嘘に一喜一憂するフォロワーたち。このネット時代、嘘を嘘と見抜けない方が悪い。だいたい「大通りの某老舗タピオカ屋で、タピオカミルクティのミルクティ抜きのタピオカ増し増しラージサイズを注文すると裏メニューでモーニングスターが貰える」なんてデタラメ、信じる方がどうかしている。こんなことが現実に起こるはずないじゃないか、嘘なんだから。
格付:C

嘘じゃないんだ 原作:ドナルド・E・ウェストレイク(青春アドベンチャー)

サラ・ジョスリンはゴシップ新聞「ウィークリーギャラクシー」の新米記者。7月15日土曜日、初出勤の朝にハイウェイで車を走らせていると道路わきに停車している車の中で死体を見つけてしまった。普通だと驚き動転するシチュエーションだがサラは違う。出勤初日に幸先よく記事のネタを掴んだと前向きに捉え、一旦出社後、早速、この事件の取材を始めるが、なぜかこの事件を警察に伝えるように頼んでいた駐車場の警備員は姿を消し、この事故自体はないものとされていた。
格付:AA

ノストラダムスと冷静な航海士たち 作:ナカガワマサヒロ(A.S.)(FMシアター)

6年前に始まった世界恐慌は思わぬ影響をもたらした。経済が混乱し、不要不急とされた世界中の天文台が閉鎖された結果、地球に衝突する彗星「アンゴルモア」の接近を見過ごしてしまったのだ。早めに気が付けば全人類が力をあわせて何らかの対処ができたかもしれなかったが、すでに手遅れ。何もできないうちに時間は経過し、あと2日で地球が終わる日を迎えてしまった。世界中が大混乱に陥る中、警視庁公安総務課の久地(くじ)は旧知の官房長官より極秘任務を受ける。アンゴルモア対策室から盗まれた機密文書を取り返せというのだ。この文書にはわれわれの子や孫の未来がかかっているという。しかし、あと2日で終わる世界にどのような未来があるというのだろうか。
格付:A

アゴラ69 ~僕らの詩(うた)~ 作:吉村ゆう(青春アドベンチャー)

そこそこの大学を卒業し、大手不動産会社に勤務。歌手になる夢を諦めてサラリーマンになった中島悠大(ゆうだい)だったが、最近仕事に身が入らない。しかも歌を止めた後も心のよりどころだった新宿のライブハウス「パワー」が閉店すると聞いて一層意気消沈。「パワー」で管をまいて古いコンパクトステレオから流れてくる音楽を聴きながら眠りこけてしまった彼だが、しかし目を覚ますとなぜかそこは街角のゴミ捨て場だった。周りを見わたして目に入る風景も、新宿には違いないが、街並みは全く別物。風にあおられた新聞紙に描かれていたトップ記事は「東大安田講堂の陥落」。
格付:B

当面の間、変身します 作:櫻井智也ほか(青春アドベンチャー)

本作品「当面の間、変身します」は、「変身」をテーマにした脚本家競作のオムニバスラジオドラマで、1回15分、全5話で放送されました。シリーズではないオムニバステーマ(お題)だけ与えられて、あとは脚本家が自由に創作するタイプの作品は青春アドベンチャーでは従来より一定割合制作されています。こうした作品は「不思議屋シリーズ」、「ライフシリーズ」などタイトルにも統一性を持たせることが多いのですが、本作品は完全に独立した作品です。ちなみに同じ2021年に放送されたオムニバス「シンクホール」は舞台となる街を共通にさせている作品で、少し趣向が異なります。
格付:A

イッツ・ア・ビューティフルワールド 作:今城文恵(青春アドベンチャー)

人は死ぬと土に還る。しかし、誰かを強く恨んで死んだ人間は不老不死の怪物となり復活する。そして恨みを晴らすために執拗に恨んだ相手を付け狙う。その怪物を「仇者」(アダモノ)という。…が、そんなことはもちろん知っている。仇者は有史以来、人類の歴史とともにあり多くの悲劇を生み出してきたからだ。しかし一女子大生に過ぎない私は本当は何もわかっていなかった。仇者とはどういう存在であるのか、そして仇者に付け狙われるということが、この社会においてどのような意味を持つのかということを。
格付:B

谷川俊太郎の詩と旅する ことのはワンダーランド 作:樋口ミユ(青春アドベンチャー)

世界は言葉でできている。少年ハル(葉琉)は昔から言葉を「見る」ことができた。見るだけでなく、つまんで並べることもできる。言葉はハルの遊び道具。あの頃、全ての言葉は輝いていた。しかし中学校に上がったばかりの今、言葉はハルを追いつめるものでしかない。毒々しい色の言葉の数々。吐きそう、吐きそう、吐きそう…。夜も眠ることができない。しかし、ある夜、丘の上に立つ洋館の明かりを見たハルは安らかな気持ちを得る。あの明かりは何だろう?友人たちの肝試しに付き合い洋館を訪れるハルだが、そこで古いトランクを開けると言葉の洪水に飲み込まれることになるのだった。
格付:AA

負け犬たちのミッドナイト・バス 原案:サレンダー橋本、脚本:蔭岡翔(青春アドベンチャー)

2年前のあの日、結局、一花を引き止めることはできなかった。そりゃそうだ、シンガーソングライター志望と言ったって所詮はプー太郎。それどころか母親が死んでからは単なる引きこもり。結婚して大阪に行く幼なじみを引き止めるようなめんどうくさいことができるはずない。でも、今、電話口で一花は泣いている。「私、もう無理かも」やっぱ、めんどくせえ。でも今度こそ何かしないといけないねえんじゃないか。居ても立ってもいられなくなった俺は大阪行きの夜行バスに飛び乗った。しかしこの深夜バス、何だか妙な雰囲気だ。乗客がやけに少ないし、運転手の顔は…ねずみ?!その運転手、もとい「運転チュ」が話し始めた。「たった一度の人生をしくじったお客様。もう取り返しのつかないお客様。恥に恥を重ねて、重ねた恥にまた恥を重ねて月まで届きそうなお客様。ルーザーラット高速バス、ギフトオブクリスマス、あっと驚くミッドナイトドリーミング号、出発します!」
格付:B

シンクホール 作:中澤香織ほか(青春アドベンチャー)

冬の終わりの、とある晩、それは前触れもなく出現した。過疎の町の雑木林に突然空いた、スポーツクラブのプールほどの大きな穴。シンクホール。何の変哲もない、でも原因不明の穴は人々に何をももたらしたのか。これは周辺に住む5人の地元住民 -修道女、小学生、浪人生、パン職人、役場職員- の穴をめぐる物語である。
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