- 作品 : 春山家サミット
- 番組 : FMシアター
- 格付 : C+
- 分類 : 家族
- 初出 : 2024年11月30日
- 回数 : 全1回(50分)
- 作 : 岸田奈美
- 音楽 : 渡邊崇
- 演出 : 小島東洋
- 主演 : 円井わん
世の中は理想の家族で溢れている。
それなのにどうしてうちは普通の家族ができないのだろう。
父は名古屋で起業すると言って家を出た。弟も福岡の大学に進学するために家を出た。
母は口を開けば愚痴ばかり。うちの家族はお互いに相手を気遣うことができない。バラバラだ。一番最初に家を出た私が言うことじゃないけど。
でもこのままではアカン。彼に家族を紹介できない。
あたしがなんとかせなアカン。
本作品「春山家サミット」はNHK-FMのFMシアターで放送された全1回・50分のオーディオドラマです。
岸田奈美さん脚本
脚本を書かれたのは、2023年5月の初エッセイ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」で脚光を浴びた兵庫県出身のエッセイスト、小説家の岸田奈美さん。
内容も初エッセイと同じ家族の姿を描いたもので、FMシアターらしいといえばFMシアターらしい作品です。
こんな家族でもいいけど…
ただまあ正直、私にはあまりあわない作品でした。
家族ものといいつつ、理想の家族像を押し付けるものではなく、うつくしい家族愛を歌い上げるものでもありません。
それはそれでよく「こんな家族があってもええやろ」という作品からの問いかけにはもちろん「いい」と答えたいところなのですが、一方、「こんなドラマがあってもええやろ」という問いかけには「特に興味はない」としか思いませんでした。
「うっ」となる
そもそも理想の家族像を押し付けているわけではないにしろ、押し付けないことを押し付けてくる程度が強すぎて、聞いていて「うっ」となります。
また主人公のモノローグを始め登場人物たちのセリフが殺伐としていて聞いていてしんどいです。
単純にまとめると「知り合いから、聞いてもいないその方の家族の裏話を聞かされている」ようでどうにも落ち着きませんでした。
あくまで個人の感想
このブログはもともとエンタメ色の強いオーディオドラマを紹介するための作品であり、この感想はあくまでのこのブログに掲載することが前提のものです。
また聞いていて拒否反応を感じるくらいの作品の方が、後で思い起こすと強い印象を残しているのも事実(実際、格付けBの作品よりもCの作品の方が一般からの反響は大きいように思います)。
一癖ある家族ものとして評価が高いことは当ブログの2024年FMシアターアンケートでも証明済みです。
上記はあくまでの個人の感想とご理解ください。
出演者について
出演者は、主役の春山笑麻役の円井わんさんのほか、羽野晶紀さん、緒方晋さん、吉田将さん、一木美貴子さん、竹下健人さん、松島彩さん。
吉田さんだけ出身地が分からず、松島さんは島根県出身(本作品は島根県も舞台の一部)ですが、その他の方はみなさん関西出身。
もちろん制作はNHK大阪放送局です。
本作品は当ブログで実施した2024年リスナーアンケートのFMシアター・作品編で第4位の得票を得ました。
リスナーの感想等は以下をご覧ください。

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