格付:A クジラの歌を聴かせてあげる 作:桜田ゆう菜(FMシアター) 子どもの頃からのクジラ推し。クジラの言葉を解明したいという一心で函館海洋大学に入った。念願かなって4月からはクジラを研究している岡崎教授の研究室に入る予定だ。…だったのだが、初研究のチャンスは思いがけない形でやってきた。早朝にかかってきた電話。研究員の目黒と名乗った女性はいきなり言った。「今からクジラにあわせてあげる。」慌てて駆け付けた先にいたのはツチクジラ。でもこのツチクジラ…死んでる? 2024.02.23 格付:A
格付:B 火星ダーク・バラード 原作:上田早夕里(青春アドベンチャー) 理想郷を夢見て開拓された火星は、人種間の争いや貧富の差から犯罪が多発するミニ地球と化していた。故郷である地球を捨て火星にたどり着いた水島烈も火星治安管理局の捜査官に身をやつし犯罪者を追う日々を送っていた。そうした中、ようやく捕まえた猟奇殺人犯の護送中に、数少ない全幅の信頼を置ける人間である同僚の捜査官、神月璃奈を殺害されてしまう。管理局の上層部から彼自身がその犯人と疑われた水島は独自の捜査を開始するが、その彼の前にアデリーンというダークブロンドの少女が現れる。彼女は極秘の遺伝子操作により生まれた新たな人類で「超共感性」という特殊な能力を持っているというのだが… 2024.02.17 格付:B
格付:A 影をなくした男 原作:シャミッソー(青春アドベンチャー) 家庭教師の職を求めてやってきたブルジョアのパーティの席で、ペーター・シュレミールは灰色の服を着た奇妙な男に出会った。彼はポケットから絆創膏や望遠鏡、テントや馬まで取り出したのだが、不思議なことにまわりの人達は誰もそのことに気が付かない。そして男はなぜかシュレミールに話しかけてきた。彼は言う。「あなたの影に見惚れてしまったのです。それはそれは美しい影でしたから。その影をお譲り頂くわけにはいかないでしょうか。もちろん、ただで、とは申しません…」 2024.02.10 格付:A
格付:AA 歌をなくした夏 作:桑原亮子(FMシアター) 秋月史子は歌人志望の若い女性。人づきあいが苦手で、暗くて重い短歌しかつくれないが、それでも自費で第一歌集を出すことを目標にコンビニと喫茶店で掛け持ちのバイトを続けてきた。しかし生活に追われる日々の中でいつしか短歌が作れなくなってしまった。そんなスランプの最中に史子はバイト先のコンビニでひとりの少女に出会う。少女は一日中コンビニや公園で時間をつぶして誰かを待っているようなのだが… 2024.02.02 格付:AA
格付:B 幕末の絵師 田崎早雲 作:小林克彰(FMシアター) 天保年間、江戸は今戸の裏長屋。乱暴者「あばれ梅渓」と呼ばれた絵師・田崎早雲(たざき・そううん)は今日も妻から絵のダメ出しを受けていた。妻の菊(きく)は絵の善し悪しに妥協を許さない。それは早雲の才能を信じ、彼を大成させたいがためであることを知っているからこそ、北辰一刀流の達人である巨漢も妻には頭が上がらなかった。しかし、ある日、絵の修行に出た早雲は浦賀で黒船を見てしまった。早雲は迷う。今やるべき事は絵を描くことなのか、それとも…時代に荒波にもまれた絵師夫婦の人生を描く。 2024.01.30 格付:B
格付:AA 死にたがりの君に贈る物語 原作:綾崎隼(青春アドベンチャー) 人気作家・ミマサカリオリが死んだ。正確には、そうSNSで発表された。詳細は不明だ。出版社も沈黙している。確かなことは、最新巻が大炎上した代表作「Swallowtail Waltz」(スワロウテイル・ワルツ)シリーズは最終巻を残して未完となったということだけだ。ミマサカリオリの小説は、生き辛い人々に希望の光を与えたとも、とも称される。僕にとっては完全に前者だ。だからこの企画に参加することにした。いや参加せざるを得ない。「Swallowtail Waltz」の舞台になった廃校で作品と同様に共同生活をする。確かにこんなことをしても作品の結末に近づける保証はない。でも「Swallowtail Waltz」の続きが読めない世界で、この企画に参加するほかに何を希望に生きていけばいいんだ。 2024.01.16 格付:AA
格付:B 嘘と真実(まこと) 作:上杉祥三(FMシアター) 女優楽屋で事件は起こった。シェークスピアの「マクベス」の公演中にマクベス夫人の衣装のまま大女優が怪死したのだ。この大事件に警視庁は切り札の捜査官を送り込んだ。彼、大下警部は独自の捜査方法「シミュレーション捜査」を駆使して今まで数々の難事件を解決してきた。その手法は加害者あるいは被害者になり切って演じることより真実に迫るというもの。バディは昔、俳優養成所にいて実際に舞台に立ったこともある宮本警部補。ふたりは早速、演じ始めるのだが… 2023.12.02 格付:B
格付:A 嘘の木 原作:フランシス・ハーディング(青春アドベンチャー) ダーウィンの進化論を否定する画期的な発見、ニューファルトン・ネフェリム。それは肩に羽が付いていた痕跡のある人間の化石だ。牧師で博物学者でもある私の父、エラスムス・サンダリーはこの発見で世間の注目を浴び、そして世間からつまはじきに合った。この化石に捏造の疑いが掛かられたためだ。そして、周りの冷ややかな目から逃れるために私たち家族は絶海の孤島への移住を余儀なくされた。しかし、あの化石が偽物の訳ない。捏造なんてありえない。私はお父様を信じている。 2023.11.25 格付:A
格付:B 怪事件が多すぎる パート2 原作:清水義範(アドベンチャーロード) 前作で出会った宇宙人少女ライララ(日本名:知代)の力により、ミステリーフェロモン(ミステリアスな事件で悩んでいる人が自然と相談したくなる能力)を得た三四郎は、大学時代の友人・真下の誘いに乗って探偵事務所を開いた。しかし、殺人事件を推理で解決する正真正銘の探偵舎を目指す真下の思いとは裏腹に、どうもまともな依頼が来ない。来る依頼と言えば、悪魔払いの依頼や、お化けが出たとかいうとんでもないものばかり。どうしてなんだ、知代?「それはそうよ。ミステリーって神秘、不思議、秘密、怪奇でしょ?お客様には不自由しません!」なにぃ?まさかのミステリー違いなのか!?これは本格ミステリー専門の探偵を気取る真下にはいえないな…体力自慢、活劇担当の俺がやるしかないか… 2023.11.03 格付:B
格付:A 時の旅人 作:佐藤ひろみ(FMシアター) 10月、秋の初め。大学を中退した真生(まお)は、今、四国、徳島の道をバイクで走っている。走って走って走りつくしたら何かが見えるかもしれない。そんな思いを胸に一人走り続ける彼が徳島の田舎町で、ある老人に出会う。売れるかもわからない野菜を暢気に売っている老人をうさん臭く見ていた真生だが、飄々としていた老人が彼に言い放った一言に心臓がドクンと鳴った。「お前、後ろにだれか背負うているな」 2023.10.22 格付:A