【特集】100作品紹介記念②:ジャンルと格付け
本記事は、2013.9.20に実施したジャンルの追加(伝奇系・恋愛系)前に作成した記事です。
ジャンル追加時点で、過去に紹介した作品も遡ってジャンルを修正しているため、現時点で集計しなおした場合、多少結果が異なることをご了承ください。
当ブログが紹介してきたラジオドラマ100作品を振り返るこの企画。
第1弾は100作品の初放送時期についてでしたが、今回は各作品のジャンルと、私が勝手につけている”格付け”との関係について自己分析してみたいと思います。
ジャンルの記事で記したように、私は自分の評価は海外原作作品やSFに甘く、日常を描いた作品やファンタジックな作品に辛いのではないかと疑っています。
100作品を評価して見てこの仮説は正しかったのか、確認して見たいと思います。
11ジャンル・13段階格付け
ちなみに、当ブログで採用している作品ジャンルは、この記事で書いている11分類です。
ブログを始めた当初はもっと少ない分類だったのですが、紹介する作品の傾向を見ながら適宜追加して11分類になりました。
よって全く体系的な分類ではありませんが、一応、青春アドベンチャーの作品傾向に併せた分類にはなっていると思います。
また、”格付け”については、この記事で書いているとおり”C”から”AAA”までの5段階です。
こちらも当初は単純な5段階だったのですが、途中から必要に応じて各段階に”+”または”-“を付けることを始めたため、実質的に13段階(AAA+とc-はないため)になっています。
こちらも全く私個人の恣意的な判断です。
さて、早速ですがいきなりジャンルごとの評価を整理した表を載せます。
多いジャンル
ジャンルとして最も多かったのは「幻想系」でした。
意外な結論ですが、「ちょっと不思議」な内容の作品で他に特徴がないと本ブログの分類において「幻想系」に入ってしまうため、「幻想系」は「ノンセクション」的な位置づけにあります。
その後に「冒険系」、「日常系」、「SF系」が続き、これらの4分類だけで全体の70%の作品を占めます。
ニッチなジャンル
一方、「サスペンス系」、「タイムスリップ系」、「ホラー系」、「推理系」の作品は少なく、それぞれ3作品ずつしかありません。
このうち「ホラー系」と「推理系」はオーソドックスな分類だと思うのですが、このジャンルの作品が青春アドベンチャーに少ないのは意外でした。
「タイムスリップ系」は逆にとてもニッチなジャンル設定ですが、青春アドベンチャーには意外とタイムスリップ系の作品が多いことを見越しての設定です。
きっと今後、このジャンルに入る紹介作品が増えると思います。
「サスペンス系」はどのジャンルにも入らない作品のために作ったジャンルで、「幻想系」とは違った意味で「ノンセクション」的な位置づけにあります。
あくまで一部
実は、当ブログでは「何でもベストテン」(第1回はこちらです)という特集を時々やっています。
その一環としてどのジャンルの作品が多いのかを特集で記事にしようと思ったことがあるのですが、青春アドベンチャー全体を見るとあまりの作品量が多い(青春アドベンチャーだけで300作品以上)ことから断念していました。
上記の表は私が紹介した100作品に限った整理であり、SF系が多いことなど必ずしも青春アドベンチャー全体の傾向ではないと思います。
しかし、青春アドベンチャー全体の概ね作品傾向は示しているのではないでしょうか。
13段階格付け
さて、話を本題に戻して、格付けの傾向を見ていきますと、まず全体的にはAAAに属する作品が13%、AAに属する作品が23%、Aに属する作品が26%、Bに属する作品が23%、Cに属する作品が15%となりました(それぞれ”+”と”ー”を含む)。
格付けの記事で書いたように、ブログ開始時点でなるべくこの格付けが分散するようにメリハリを付けて、評価してきたつもりです。
しかし、やはりAAAとCはどうしても付けるのに心理的な抵抗があり、少なくなってしまいました。
でもAAからBについては、思った以上にきちんと分散しており、我ながら目標どおりでした。
どのジャンルが高格付けか
次にAAAからCをそれぞれ5点から1点の点数を割り付けて(”+”と”-“はそれぞれプラスマイナス0.3点)各ジャンルの平均得点及び標準偏差を出して見ました。
それぞれ上位にはオレンジ色、下位には水色をつけています。
平均的な評価が高かったのは「サスペンス系」、「SF系」、「スポーツ系」の3つでした。
サスペンス系
「サスペンス系」が高いのはちょっと意外な結果です。
AAA-の評価をつけている「ラジオ・キラー」(セバスチャン・フィツェック原作)が引っ張っていますが、当ジャンルに分類されている作品は3作品しかなく、また、”-“なしの純粋なAAAが一つもないことから、あくまで暫定1位といったところでしょうか。
SF系
SF系が高順位なのは予想どおり。
やはり私はSF系をえこひいきしていますね…
“-“なしのAAAが「銀河番外地、運び屋サム」(高千穂遥さん原作)、「妖精作戦」(笹本祐一さん原作)、「最後の惑星」(ユルゲン・ローデマン原作)の3作もあるのが特徴ですが、これ全部、アドベンチャーロード時代(番組の歴史はこの記事を参照)の作品じゃないですか…
現在のご担当者もSF系の作品をもっと作って欲しいものです。
スポーツ系
また「スポーツ系」もなかなかの平均点。
「スポーツ系」の特徴は6作品すべてがA-以上の評価であること。
「スポーツ系」の中では最も低い評価とした「闘う女。」も実際には結構面白い作品です。
まさに「青春アドベンチャーのスポーツモノにハズレなし」です。
格付け下位のジャンル
逆に平均点が下位になったジャンルは「幻想系」、「仮想世界系」、「日常系」の3ジャンル。
特に「幻想系」の平均点の低さは際立っています。(※追記参照)
やはり私の評価は不平等です…
オムニバスの扱い
このジャンルが不利なのは、私があまり好きではない「短編集」がこのジャンルに含まれることが多いこと。
既に紹介した短編集作品6作品のうち「ごくらくちんみ」と「ごくらくちんみ(第2期)」以外の4作品がこのジャンルに入り、そのうち「カラー・ライフ」(B-)以外のすべてが(不思議屋料理店、ボディ・ライフ、新・動物園物語)が”C”または”C+”という状況。
短編集好きな方であれば評価は全く違ってくるはずです。
ただしそれだけではなく上位の格付けの作品も少ないという特徴もあります。
21作品も属していながら最も評価が高い作品がAA-の「死神の精度」(伊坂幸太郎さん原作)。
これでは平均点は伸びません。
異世界もの
次に平均点が低いのは「仮想世界系」。
このブログ独特のちょっと特殊なジャンルで、AAAを付けた「西風の戦記」(田中芳樹さん原作)からC+の「小惑星美術館」(寮美千子さん原作)まで、少ない作品数ながら評価はばらけています。
このジャンルはその作品の世界に入り込めるか否か(すなわち趣味)で大きく評価が分かれてしまう分野なのだと思います。
日常系は健闘
平均点で下から3番目なのは「日常系」。(※:追記参照)
これはある程度、事前の予想どおりですが、私としては思っていたよりは健闘していると感じます。
“-“なしのAAAが二作品もあるというのは「SF系」に次ぐ多さです。
ちなみにこの二作品というのは「ふたり」(赤川次郎さん原作)と「ピエタ」(大島真寿美さん原作)です。
今思えば「ふたり」は「幻想系」に入れても良い作品だと感じます、
これも分類しなおすとちょっと結果は変わってくるかもしれません。
ばらつきの少ないジャンル
一方、標準偏差をみると最もばらつきが少ないのが「タイムスリップ系」。
なんと「タイムスリップ系」の3作品すべてが”A”です。
可もなく不可もないという作品ばかりだったということでしょうか。
一方最もばらけているのが「冒険系」。
全部で18作品と「幻想系」に次ぐ多さで、AA-が4作品(遠い海から来たCOO(景山民夫さん原作)、怪人二十面相・伝(北村想さん原作)、ロスト・ワールド(コナン・ドイル原作)、金春屋ゴメス(西條奈加さん原作))と多いものの、AAAの「北壁の死闘」(ボブ・ラングレー原作)からCの「穴(HOLES)」まで見事にばらけています。
予想通り・予想外
以上、大まかな傾向は当初予想していたとおりでした。
ただし、「日常系」から分離してできた「スポーツ系」が健闘しているなど当初予想できなかったこともあります。
今後も良い意味で期待を裏切る作品を聞かせていただきたいものです。
さて次回は、実は今まで何度か試みようとして挫折していた「原作の種類」(小説・漫画など)別の分析を、今回の100作を対象にしてやって見たいと思います。
【特集】100作品紹介記念①:放送時期」はこちら
(※追記)2013/9/12
「ふたり」の分類を間違えていることに気が付きました。
「ふたり」の紹介記事では日常系ではなく「幻想系」扱いにしています。
その分を考慮の上、この記事はお読みください。
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