【特集:青アド・ポーカー17】タイトルに「青春」と付くラジオドラマ
「はじめに」にも書きましたが、本ブログはNHK-FMで放送されている「青春アドベンチャー」系列の番組で放送されたラジオドラマを紹介することを主目的としています。
以前、この番組名に入っている「アドベンチャー」(冒険)という単語が、作品のタイトルの一部となっている作品を紹介しましたが、今回はもうひとつのキーワードであり、番組名がどうにも気恥ずかしくなっている最大の原因である「青春」がタイトルに入っている作品を紹介したいと思います。
青春こそがこの番組の特徴
「青春」と「アドベンチャー」というふたつの単語のうち、「アドベンチャー」は前身番組である「FMアドベンチャー」や「アドベンチャーロード」から引き続き利用されてきたキーワードですが、「青春」はこの番組名になって初めて入ったワードです。
2015年9月に放送された「今日は一日ラジオドラマ三昧」内において、青春アドベンチャーの演出をされていた川口泰典さんがおっしゃったところによれば、若者に向けてエンターテイメント性の高い作品を提供する、というのが青春アドベンチャー当初のコンセプトだったようです。
その意味では、まさにこのコンセプトを宣言したのが、この「青春」部分だったのだと思います。
意外と少ない
しかし、いざ探してみると、作品名に「青春」の入っている作品の少ないこと。
「青春デンデケデケデケ」の紹介でようやく”スリーカード”が成立したのですが、実は3作品のうち2作品は前身番組であった「サウンド夢工房」にて放送された作品です。
青春アドベンチャーで放送された作品は「645~大化の改新・青春記」しか見つかりませんでした。
(2017/2/25:「青春離婚」を追記、2017年4月11日:「さだまさしの青春症候群」を追記、2022/2/9:「鷗外 青春診療録控 千住に吹く風」を追記)
- 鷗外 青春診療録控 千住に吹く風(2022年)
父の診療所で働く若き日の森鷗外(森林太郎)を描く作品。
青春アドベンチャー30年の直前に久しぶりにタイトルに「青春」と入った作品が放送されることになります。
なお、演出は番組初期(1990年代)の名演出家として有名な川口泰典さん。
まさに青春アドベンチャーにふさわしい30周年。 - 青春離婚(2017年)
16年ぶりのタイトルに「青春」と入った作品は、紅玉(こうぎょく)いづきさん原作の「青春離婚」。
高校生カップルを主人公とした恋愛ものです。
紅玉さんのtweetによれば、紅玉さんご自身も昔、青春アドベンチャーのリスナーだったとか。
タイトルに「青春」と冠した自分の作品が、昔好きだった青春アドベンチャーで放送されるとは思ってもみなかったのでは。 - 645~大化の改新・青春記(2001年)
「645~大化の改新・青春記」はウォーリー木下さん作のオリジナル脚本のラジオドラマでした。
舞台はいわゆる「大化の改新」ですが、セリフは完全に現代語で、古代らしい雰囲気は全くない感じない異色作でした。
主役の”中ちゃん”こと中大兄皇子を演じたのは、NHK-FMのラジオドラマではおなじみの松田洋治さんでした。 - 愛と青春のサンバイマン(1991年)
「サウンド夢工房」時代に放送された抱腹絶倒のコメディ作品が「愛と青春のサンバイマン」です。
出演は山口良一さんと天地総子さん。
原作は藤井青銅さんで、各種のパロディ満載の、NHKの度量が試されるような脚本でした。
実際のところ、この作品のタイトルに「青春」が入っているのにあまり深い意味はなさそうです。 - 青春デンデケデケデケ(1991年)
本作品「青春デンデケデケデケ」が放送されたのは「愛と青春のサンバイマン」と同じ「サウンド夢工房」。
高校生によるロックバンドを描いた作品で、さまに「青春」。
ダイジェスト感が出ないようにうまくまとめた脚本、実際にバンドをやっている声優を当てたキャスティングなど聴きどころが満載の作品で、「サウンド夢工房」を代表する名作だと思います。 - さだまさしの青春症候群(1986年)
「カフェテラスのふたり」で放送された作品で、さだまさしさんの小説・エッセイ集「自分症候群」を原作とした作品でした。
ちなみに小説と同名の「さだまさしの自分症候群」が先に放送されており、それとセットの作品です。
のちに長編小説も執筆することになる、さださんの初期の作品です。
実はもう1作ある
ちなみに、あと1作、「アドベンチャーロード」時代に森村誠一さんの「青春の神話」が放送されているらしいのですが、私も聴いたことがありません。
もしお聴かせ頂ける方がいらっしゃいましたら、是非ともご協力頂けたらと思っています。
宜しくお願い申し上げます。
なお、上記で挙げた以外で「春」という漢字がタイトルに入っている作品も集めています。
こちらをご覧ください。
■シリーズ「青アドポーカー」
作品間の緩やかな繋がりを楽しむこの企画。
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