- 作品 : 不思議屋図書館
- 番組 : 青春アドベンチャー
- 格付 : B-
- 分類 : 多ジャンル(競作)
- 初出 : 2006年3月20日~3月31日
- 回数 : 全10回(各回15分)
- 作 : (以下のとおり)
- 演出 : 川野秀明、大久保篤
- 主演 : 小西美帆、宮崎吐夢
全部で8作品制作された「不思議屋シリーズ」。
先日他界された名声優・永井一郎さんを案内役とするオリジナル短編集企画ですが、その第7作目として制作されたのが、本作品「不思議屋図書館」です。
小西美帆さんと宮崎吐夢さん
「不思議屋シリーズ」は、基本的に永井さんの他、男女一組のレギュラー出演者を加えた3人で物語を進める形式であり、本作品のレギュラー出演者は女優の小西美帆さんと、俳優の宮崎吐夢さんです。
小西さんは、青春アドベンチャーでは意外と多く起用されているNHK朝の連続テレビ小説出身の方で、1998年下期の「やんちゃくれ」の主演女優さんでした。
書店ではなく図書館
さて、本作品の各話のタイトル、作者(脚本家)、ジャンル、格付、概要及び一言感想は以下のとおりです。
ちなみにこの企画、「不思議屋書店」という企画にすることもできたはずですが、敢えて「図書館」としたことで、「本」と「図書館」という二つの切り口で作品を作ることができるようになり、バリエーションが広がったと感じます。
今回は期待できる?
なお、私、青春アドベンチャーには長編こそふさわしいと考えており、不思議屋シリーズには辛い点をつけることが多いのですが、本作品は第1話からかなり趣味に合う作品でした。
そのため期待しながら聞いていたのですが、段々と、趣味に合わない作品が増えてきて、トータルでは他の作品とあまり変わらない評価になってしまったのが残念なところです。
◆第1話 「お静かに」 (安形眞司)
格付 : AA
独身者以外お断りの図書館。若い男女の出会いの場として利用されているらしいのだが。
本の題名を使った会話は洒落ている。オチまで一貫しており脚本家の苦労が結実している。
◆第2話 「吾輩は本である」 (浜田秀哉)
格付 : B+
地下書庫に死蔵されていた不人気本についに声がかかった。勇躍、貸し出された先は?
本を擬人化した作品。荒唐無稽ながらイイ話だったが、変なオチがついていた。
◆第3話 「リング」 (しおつか夢)
格付 : B
先輩の女主任と使えない男の部下。しかし繰り返される毎日に女は違和感を感じていた。
意味不明のストーリーがラストで氷解するのは見事。でもあまり気分が良くないのはなぜ?
◆第4話 「極道図書館」 (山本むつみ)
格付 : C+
素人に暴力を振るったヤクザが送られたのは、刑務所ではなく極道専門図書館だった。
まさに「なんだこの展開は?」コメディなのかシリアスなのか今ひとつよくわからない。
◆第5話 「花いちもんめ」 (林一臣)
格付 : C
一人地元に旅立った夫。彼が借りていた本を図書館に返しに行った妻が知る夫の思い。
毒にも薬にもならない、ありきたりな話。そういえばブログが本になるって最近あまり聞かない。
◆第6話 「本がにゃい」 (橋本信之)
格付 : C
図書館で脳内にダウンロードした「吾輩は猫である」はバグっていた。ハッカーの仕業?
SFというか、コメディというか、パロディというか…でも特に感銘も受けないし、笑えない。
◆第7話 「死者の書」 (前原一磨)
格付 : C
街で突然声をかけてきた自称死神の女。彼女は人の人生を書き留めているというのだか。
「死神の精度」とは少し違った役回りの死神が登場。特に盛り上がりはなくオチもない。
◆第8話 「移動図書館」 (森顕一朗)
◆第9話 「試験前夜」 (原雅裕)
格付 : C
ページを破いて食べると記載内容がすべて覚えられる!飛びついた司法浪人生だったが。
この2006年に新司法試験が始まった。ちなみに旧司法試験の一次は一般教養だったはずだが。
◆第10話 「ピクニック」 (渥美珠巳)
格付 : B
同じ軌道を回るだけの狭い世界での一生。男と女は人生の意義について考える。
SF風の味付けがしてあるが、特殊なシチュエーションで人生の意義を問う感覚的な作品。
【不思議屋シリーズ作品一覧】
全部で8作品制作された不思議屋シリーズの作品一覧はこちらです。
是非、他の作品の記事もご覧ください。
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